よるの読書日記
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| 2002年01月10日(木) |
記憶にまつわるエトセトラ |
作家ってのは想像力を武器にするタイプと 自分の体験を肥やしにしていくタイプがあると思う。 前者で言うと新井素子とか田中芳樹。 職業以外は堅実に生活してそうな方々。 あとは人生ドラマティックで そこから派生した感情やトラウマを 吐き出す手段の一つとして小説書くパターン。 山田詠美、内田春菊、柳美里、古くは太宰治や壇一雄とか。
さて今回の著者エルロイさんもこのタイプでしょう。 何しろ心理学の本 『記憶を消す子供たち 』< レノア・テア/草思社> で紹介された位だ。 彼は幼少時に母親を殺されています。 最有力容疑者は離婚した父親であったが、 その夜は息子である自分が泊まりに来ていたため、アリバイがあった。 しかし、彼は父が睡眠薬を自分に投与した疑いを捨てきれずにいる。 かくして彼の小説には本人も気付かないまま 「美しい女が殺される」「不自然な深い眠り」などの エピソードがくりかえし登場しているのだとか。 ついでにS・キングが血まみれスプラッタばかり 書くのも友人の鉄道事故が原因らしい。
ただこの本の冒頭は、テレビでも放送されてた気がしますが 父親が幼友達を殺害した記憶を何十年かぶりに思い出した主婦の話で。 後に自分も虐待されていたことなどを次々に 「思い出した」のですが当時の状況を 丹念に調べると誤りが非常に多いことが判明しているらしいので。 精度としては低い情報になってしまいました。 この手の話題については『抑圧された記憶の神話』 <E.F.ロフタス/誠信書房>に詳しい。 前置きが長くなりましたが 『L.A.コンフィデンシャル』上<ジェイムズ・エルロイ/文芸春秋社>。 映画化もされて、ビデオも見たはずなのにどの刑事が ラッセル・クロウなのか最後のほうまでわからなかったわ。 映画のストーリーもラストシーンしかまだ思い出せない…。 しかも下巻はいつになったら読めるのであろうか…。
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