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書くほどのこともない日常
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2005年11月11日(金) どんなフェロモンだ

ランディと共に買い物に出かけた。
商店街の店頭で、品物を見て、買おうかどうしようか考えている間に、ランディは、ふらふらとドラッグストアの方へ。
買うかやめるか、まだ決めてなかったので、買わないことにして、ランディのいる方に歩こうとしたら、ランディは、わたしに気づかなかったらしく、わたしがいた店に。
そのときである。
老人、と言っていい年齢に見える男性に、ランディが呼び止められた。
最初は、「君。君」と呼ばれまさか自分のことではあるまいと思いながら振り向くと、

「君だよ」

ぽかんとするランディに、オッサンは右手を差し出して、

「握手しよう」

勿論、ランディは、芸能人でも有名人でもない。
ランディは呆気に取られている。

「握手しよう!」

オッサンに手を取られ、何故か握手に応じるランディ。

「しっかり握れ!俺は真面目なんだ!」

な、なにが?
っていうか、ランディ。なんで逃げないんだ。
がっちり握手し、手を放すと、オッサンは、

「頑張ってくれ」

と言った。
わたしは、ランディの腕を引っ張って足早にその場を離れた。
ランディは、後ろを振り返りながら、

「なんだったんだ」

と悩んでいる。
なんだったのかは判らない。謎のオッサンには間違いないが、そのオッサンの握手に応じるのもどうかと思う。
人違いなのか、或いはまた別の理由があるのか判らないが、この御時世である。
通り魔だったらどうするんだ。
まあ、刺激しないというのもひとつの対処かもしれないが、ああいうときには逃げるものだろう、と言ったら、ランディは、うーん、と唸った。

「いや、前に遭ったのに比べたら、まだ全然普通だから、つい……」

以前にもあったのか。
あったらしい。

ランディ曰く……

横浜西口にて

飲み会の帰り、駅のトイレ(無論男性用)に入ったら、オカマさんの集団がいた。
違和感を感じつつ、用を足して、手を洗っていると、
「ねぇねぇ、いい男知らない?紹介してよー」
と声をかけられる。
酔った勢いもあって、暫し歓談。
「また今度ねー」
と、言って別れる。
勿論、互いに連絡先など教え合ってはいないので、それっきり。


以前住んでいた家の近所にて

これも飲み会で気持ちよく酔っ払った帰り道、歩道に、若い女の子が座り込んでいた。
「ねぇ、地下鉄で帰りたいの。50円貸して」
既に、地下鉄は終電が出た後だと言っても、泥酔している彼女は聞いてるのか、聞いていないのか、
「なんでもするから」
などと、危険なことを言っていたらしいが、寒い時期でもなかったので、そのまま放置。

同じく、以前住んでいた家の近所にて。

またしても飲み会の帰り、コンビニで夜食を買って、帰ろうとしているとき、自転車の男性に声をかけられる。
「ねぇねぇ、三千円で○○○○○○らせてよ」
「はぁ!?」
聞き違いかと思って問い返すと、
「三千円で○○○しゃぶるよ」
思わず、

「間に合ってます!」

と叫んで逃げるも、相手は自転車で追ってくる。
「ねぇ、断る人いないんだけどー」
全速力で撒いて帰ってきた。
その後暫く、外出が怖かった。

……ランディ。
慣れるなよ。そういうことに。


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