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2004年10月04日(月) --- 下弦の月〜ラスト・クォーター(ネタバレ注意) そんなわけで先日観に行った試写の感想を。 いつもの通りかなり盛大にネタバレしてますので、観てない方はご注意を。 ************************* 原作と違う点 ・舞台は横浜(原作は東京だったっけ?) ・美月たちは19歳の大学生。蛍たちも中学生。さやかが亡くなった年齢も19だったっけ。確か原作と違ってたと思う。 ・蛍の友達の哲と沙絵は出てこない(ただしCD屋の店員(やまだひさし)のネームプレート『杉崎哲』になってる。美月が入院した病院の名前も『杉崎病院』)。 ・蛍たち仲間が削られているため、蛍と正輝と知己の3人でイヴや洋館の謎を解いていく。 ・キーアイテムであるイヴが持っていたアクセサリーは「S.K.」のイニシャルが彫られたルビーのネックレス。18歳の誕生日に知己からプレゼントされた(原作ではイニシャル入りのリング。プレゼントではなく父親に買ってもらったもの)。 ・美月は夢の中で聴く"Last Quarter"を実際に弾いてみたくてピアノを習い始め、現在音大に通っている(原作の美月は子どものころちょっとピアノを弾いていただけ)。 ・アダムは日英ハーフ(いくら外人顔でもHYDEを英国人にするのは無理があったったらしい)。そのためか、原作では「アダム・ラング」とフルネームが出てきたが映画では名前しか出てこない。 ・蛍たちはアダムの正体の詳細をEvil EyeのファンサイトBBSの書き込みを見て知る(原作ではサイトの管理人にメールして尋ねている) ・アダムの死因は飛び降り自殺(原作ではアダムが『後を追った』と言っているけどはっきりした死因は不明。ちなみに映画では薬物云々も出てこない) ・Evil Eyeの"Last Quaeter"はHYDEの"THE CAPE OF STORMS"を使っている(原作では『君と言う太陽を失くして…』てな感じの歌詞の曲だった) ・原作では蛍がイヴから"Last Quarter"の弾き方を教えてもらって、それを手がかりに曲の正体を探そうとするが映画ではそれがカットされている。 ・正輝がアダムの墓に煙草を添えるシーンで台詞の一部がカットされている(あの台詞好きだったのに〜!) 今ぱっと思い付く限りでこんな感じかなぁ。蛍たち仲間が一部いないのと、年齢設定が違うのは大きいね。原作ファンでもこの点をよく思っていない人が多いみたい。でも実写で子役が4人もいたらごちゃごちゃしすぎな気がする。あと4人で謎解きしていたら知己の出番が減って成宮寛貴クラスの俳優をキャスティングするのも難しくなると思うし、原作みたいに美月と蛍を主役クラスとして映画を作るとなると2時間じゃ収まらないんじゃないだろうか。 原作と比べて観るのは映画なりの面白みを削いでしまうんじゃないかな。原作を知っている方は頭の中をリセットして、原作を引き合いに出さないで観ることをお勧めします。 原作ファンで映画化を微妙だと思っている人はむしろ観ない方が(略 映像はすごく綺麗。映像美や衣装の可愛らしさを楽しむのもまた一興かもしれない。話の展開はちょっと早すぎて、原作を知らない人には付いて来れないかもしれない。 一番気になるのは、美月は誕生日にパーティー開いてもらえるほど友達が沢山いるという設定と、アダムと過ごした日々が美月の心にどれだけ響いたかがきちんと描かれていないこと。あれじゃ美月が全てを捨ててまでアダムと一緒に行く気に何故なったのかが分からない。あ、あと「君が死ぬからいけないんだ」のシーンではアダムが美月に昔の恋人を重ねているっていう部分もカットされてしまってなんだか良く分からないな。 上映時間は1時間52分。本当はもっといろんなエピソードを盛り込みたかったんだけど、時間的都合でカットせざるを得なかったのかも。MOON CHILDの時もそうだったみたいだし。そういうところが映画は難しいんだよなー。 栗山千明や成宮寛貴の演技は特に何も言うことはない。成宮寛貴があんまり上手くないっていう人もいたけど私その辺良く分からないし。HYDEの演技が相変わらず微妙だったってことしか(笑)。最初は台詞の言い回しも不自然じゃないし、いいんじゃん?と思ったらその後の台詞のイントネーションが変だった。 MOON CHILDに出た時、「普段当たり前にやっていることでも演技として意識してしまうと普段どんな風にやっていたか分からなくなってしまう」って言ってたことあるけど、演技だと意識しすぎなのかもね。だから台詞の言い回しも不自然になってしまうのかも、と。実際さやかとバーで遊んでるシーンは割と自然な感じだったしさ。 そういえばさやか役の伊藤歩が「アダムが泣くシーンでHYDEさんは実際に泣いていた」って言ってたけど、ごめん涙見えなかった(苦笑)最近泣けない俳優多いのに、もったいね〜! ちなみにあまり知られて無いかもしれないので書くけど、配役について。 アダム役がHYDEなんて合わない!みたいに言う人多かったけど、なんでも二階監督が「下弦の月」を読んだときにHYDEの"THE CAPE OF STORMS"が頭に浮かんで、実写化するとしたらアダムはHYDEしかありえないと思ったらしい。んで、HYDEは「アダムほどかっこよくないから」とこのオファーをずっと断わり続けていたらしいけど(MOON CHILDの時に俳優の仕事はずっと断わり続けてきたって言ってたけど、この映画のことでもあるかもね)、最終的には監督の熱意に折れた…と。 でもって撮影を見に来た原作者の矢沢あいにも「こんなアダムですみません」って謝ってたらしい。土井さん素敵(笑) というわけで、HYDEが首を縦に振らねば実写化はなかったのです。 余談だけど、原作のアダムのモデルはどーやらex.THE YELLOW MONKEYのLOVINちゃんだったらしい。言われてみれば確かに似てる… ああ、話が逸れまくってる。 全体的に分かりにくい部分、説明不足な部分が多いのがもったいない。ただ映像の美しさは映画だけ撮ってた人にはないものがあると思う。MOON CHILDの時みたいに期待以上でも以下でもなかったって感じかなー。 ところでラストシーン…Siestaですか二階さん… |
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305年シィルツの旅 Photo by Butterflyxxx(closed) |