「誰かミユキをさらって欲しい」
2回目の結婚をして 安定した言い換えれば何も波風の立たない日々を 手に入れた彼女が言った。
彼女は中学生の時からの親しい友人。 自分のことを名前で呼ぶ友人。
いつも誰かが傍にいて、いつも恋を纏ってて そんな人には 愛してくれる人が傍に居る ことすら 慣れると退屈なものなんだろうか。 まだ20代の私は そう想像してみた。
今のご主人に不満があるのでもない。 ただ、熱ぅ〜い恋がしたいの とぬかした。
ケッ。 何が熱ぅ〜い恋だ。
わたしは、恋愛で焦げるのはもうごめんだ。
いつも同じ 代わり映えのない顔があって 大あくびをかましたりかまされたり こたつで寝ちまったときには 「さー お布団いくよー」の一言で 大玉転がしのように転がされたり ち、もう朝(昼)かよ。飯作るのめんどーだなー と相手の寝顔につぶやいてみたり。
そんな日常が時としてたまらなく大事。 おんなじ人がいてくれること、これ大事。
ところが。 こないだ 夢を見てしまった。 夢の中の彼は らぶらぶ光線をキラキラ送ってきて わたしも目の中 ハートくるくるで。
恋しはじめの時って相手を思い出したら へその下からみぞおち、胃の上まで ぞわわって きません? くるでしょ? あれが 目が覚めてもあるのさね。
ぞわわ。
夢の中の彼は イメージ的にはTMレボリューションの西川君なんだが 絶対西川君ではないし、あれ 誰なんだ? っていうか夢だけど。
っていうか夢だけど、わたしラブラブ光線を欲しているのか。
今 布団と毛布の間で ぐちゃぐちゃになって寝ているだーりんも 今更ながらちゃんとラブラブ光線を送ってくれている。 なのに 人間というヤツはそれでは飽き足らないのか。
複雑な思いと下腹ぞわわに ちょっと微笑むわたし。
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