噛む茶・研究記録
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7月2日夕方6時ごろ。 子供は野球の練習。 私は、グランドの周りで草取り。 人が来るのに草が生えていてはと・・・出入り付近はきれいに取った。 一休みをして・・グランドを眺めていた。 バッテング練習が終わり守備練習が始まった。 監督が打った打球は三塁線。 軽やかにボールを取りファーストへ。 ナイスボールだった。 その直後、俺が立っていたネット際にかけこみ体をかがめて腕を下げた。 腕が外れたみたいだ。 そう叫んでいた。 練習は続いていた。 どれほど痛いのか、俺には分からない・・が異常であることは分かった。 監督が病院につれていくように言ってくれた。 なんのめぐり合わせか。 この居あわせはと・・胸騒ぎがした。 練習着のまま、携帯で病院の予約を取った。 あいつは・・脱臼みたいだ・・なんて言っている。 馬鹿やろ!!・・そんなことより野球終わっちまうじゃんか。 あいつは・・時期に治ると思ってる・・こんどのはそんな生易しい状態じゃない。 私には・・そう感じた。 病院に着き、レントゲンを取った。 私が呼ばれた。 案の定・・ひじの骨が折れていた。 ボルトで固定した方が言い・・と救急病院を紹介された。 あいつは・・そのとき始めて分かった。 席を外したい・・と、外の車に乗り込んだ。 窓越しに車が見えた。 ジャージを頭からかぶり泣いていた。 小学4年から今日まで・・高校3年の最後の夏。 紹介された病院を目指して・・車を走らせた。 終わった・・そう言った。 あいつを思うと返す言葉もなく・・俺も泣けた。 にじむ目で・・必死で運転した。 大会の18日までに間に合うように・・祈りながら運転した。 何とかなる・・そう言い聞かせた。 あいつは・・純粋に野球をやってきた。 手を抜くこともしなかった。 上手いときもあるが・・下手なときもある。 あいつは上手くなりたいと・・必死でやってきた。 2週間前から兆項はあった。 でも・・運動部はどこもそうだが、怪我したらさよならさ。 だから・・無理をした。 分かっているから・・やってきた・承知した。 病院の検査で・・入院が決まったのが9時過ぎだった。 薄暗い病室で、あいつは横になった。 検査結果は、ボルトで固定しギブスで1ヶ月、リハビリ―に2ヶ月。 全治3ヶ月。 ひじの骨折は、小指の神経を損傷する恐れがあるから絶対安静を言われた。 ドロだらけの腕や足。 タオルでふいて着替えを済ませた。 あいつの顔が、ぼんやりとしていた。 がんばってきた分・・それが良く分かった。 12時頃・・家に着いた。 気力が無くなっていた・・涙が止まらなかった。 もう・・どうでもいいと思った。 ナンであいつが・・俺が骨折すればいいと思った。 皆で行こうをネット裏から大声を張り上げて叫んできた。 あいつのがんばりは誰もが知っている。 励ましの言葉が・・イヤになる。 眠れない夜だった・・泣けて泣けてしょうがない夜だった。 運動部・・怪我をしたら・・さようなら・・そんな世界さ。 翌日監督に状況報告の電話を入れた。 私は・・何とか背番号だけでもと・・そう考えていた。 親馬鹿と思われても・・そう考えていた。 経過報告を伝えたあと・・監督の口から提出してあるメンバー表の通り出場させます。 お父さん、まだ・・終わってはいません・・そう言われた。 泣けた。 大声をあげて泣いてしまった。 これからです・・終わっていませんよ・・何度も言われた。 ありがとう、ありがとうと泣き声で何度もお礼を言った。 自分の親馬鹿な思いよりも先に・・しっかりと受け取ってくれた監督に感謝した。 これであいつに報告が出きる。 涙が止まらなかった。 馬鹿な父親だな。 それで・・いいと思ってる。 純粋に素直に進めは、私の心情だ。 監督の話した言葉に・・あいつも少し落ち着いたように見えた。 苦しいのはあいつ。 分かってる・・・。 今日、こうして書けるのはチームメイトが見舞いに来てくれたから。 あいつは仲間と笑ってた。 嬉しかった。 もう野球なんか見るものかと思った。 食欲も無くなってしまった。 あいつに・・野球好きかと聞いたら・・好きだと答えた。 あいつの笑顔に負けないくらい・・俺もがんばろうと思った。 明日・・順調にいけば手術の段取りだ。 早く良くなれ。 今は・・そのことだけを願う。
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