カラジ風味

2007年05月27日(日) 驚く

久しぶりに書く
25日の朝刊に養老先生の投稿をみつける。丸ごと書いてみるははは。

「石油文明から脱却を」 温暖化は人類全体の問題
国連の「気候変動に関する政府間パネル」の報告書が出て、地球温暖化に
関する記事が増えた。温暖化そのものは、自然界のさまざまの異変を通じ
て、多くの人は身近な問題として気がついているであろう。
たとえば春についていうならば、ここ二年は花冷えがひどく、
虫の出が遅い。箱根では四月に雪が降り、冬の間は白くなかった山が
白くなった。それなら寒冷化だ。そう思う人がいるかもしれない。
そうではなくて、全体として温暖化しているのである。
温暖化すると気候の変化が激しくなる。温度が一〇度高くなれば、
化学反応なら速度が倍になる。フランスではこの春、一部の地方で
ひょうが大量に降った。気温は二十六度だったそうである。
現在の温暖化が人為的かどうか、意見が分かれるところだ。
しかし国連では人為的だという意見が主体を占めた。温暖化自体には
まず疑いの余地がない。それならあとは原因だが、二酸化炭素による
温暖効果以外にいまのところ有効な説明がない。
そこへ今度はアル・ゴアの「不都合な真実」という本が出た。
ゴアはクリントン政権の副大統領だった。ゴアは温暖化は人為的だと
断定する。さらにブッシュ政権が、温暖化は人為的だとみる意見に
検閲を加え、押さえ込んだ事情を暴露した。温暖化問題はアメリカの
政治問題になった。

石油政権
現ブッシュ政権は要するに石油政権である。
ブッシュ家はテキサスの出身で、副大統領のチェイニ−は石油会社の
重役だった。イラク戦争は石油確保のための戦争であって、「テロに
対する正義の戦い」なんて標語にすぎない。私はそう思っている。
ずいぶん都合のいいときに9・11が起きたものだ。そうも思って
いるのである。とはいえ私は、温暖化問題を政治問題にすべきでは
ないと思っている。ブッシュ政権のように、言論を統制するのも
論外である。なぜなら温暖化問題は人類全体の問題であり、誰かに
都合が悪いからといって、事実を隠したりねじ曲げたりすべき性質の
ことではないからである。二酸化炭素についていうなら、アメリカは
世界の四分の一を放出している。次は中国、EU、ロシアの順である。
日本は五%に満たない。その意味では日本がこの問題で具体的に
いくら努力しても、精神運動の域を出ない。国連がいうように
「二〇五〇年までに温室効果ガス排出を半減する」のにいちばん
重要な国々は、すでに挙げたとおりの順序である。
もちろん一人当たりということになれば計算は違ってくる。
でもともあれ地球上のガス全体の問題だから、絶対値は無視できない。
日本が一人頭で五〇年までに半減可能かというなら、私は可能だと
思っている。しかし日本だけでは意味がない。これこそまさに
国際問題なのである。

人はやすきにつく
この問題の根本はアメリカ文明だということは明白である。
アメリカほど石油に強く依存している文明はない。石油に限らない。
高エネルギー消費文明といっていいであろう。それを主として支えたのが
石油だった。その石油が二面から終焉が見えてきた。一つは実際に石油が
なくなるという埋蔵量問題であり、もう一つが二酸化炭素による温暖化
問題である。この二つの問題をどう解決するか、大げさにいうなら、
そこに現代文明の未来がかかっている。ここで代替エネルギーを考える
人もあろう。十分に論じる余裕がないが、それはダメだと私は考えている。
代替エネルギーが現実にないというだけではない。もはや高エネルギー
消費文明を許すべきではない。私はそう思っている。なぜなら、
エネルギー消費は、結局は人間の質を落とすからである。
つい人は「やすきにつく」からである。
自分の身近なものごとを考えてみても、それは明らかであろう。
昔の人が楽にできたことが、今の人にはできない。たとえば、
田舎で暮らせないからと、過疎地ができる。では昔の人はどうして
暮らしていたのか。
いつの時代でも、根本はモノでなく、人なのである。




   


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