カラジ風味

2004年12月10日(金) 怪しい二人

義弟がひょっこりやって来た。
ハローワークの帰りらしく幾つかの会社案内のチラシを持っている「十日だよ、兄さん いいかげん嫌になる 兄さんのとこで昼飯でも稼ぐか」柄に無く弱音を吐いている。五年前持病の高血圧を甘くみて節制を欠いて十二月に倒れた。歯科医院に技師として努めていたが手が不自由になりやめる事になる。それからは夜警の仕事などをしていた。今回は彼が当番のとき強盗に入られたようだ 始末書を書かされたとぼやいていたがそれだけではすまなかったようだ。頭は角刈りでお世辞にもカワイイとはいえない 僕も週始め髪を短くしたのでした。「昼 客と会うんだ 車で話そう」二人は結構笑いながら車を飛ばした。とある高校正門前に車を横付け降りで中の様子を伺う あれ、まだ授業中かな?「兄さん時間間違えたね一時半の約束じゃなかったの」「そのようだな一時間も早く来てしまった」やれやれである。
校門に白い車、角刈りの男が二人。「君達何か用事かね」教頭先生と思われる男が聞いてきた 「あ いや ・・・先生と昼 会う約束でしてまだ授業中のようですね・・・」「・・・先生ですか」僕らは彼に会釈をして車で待つ事にした。一時も過ぎた頃チャイム 静かだった校庭は一変する。短めのスカートの少女達が目の前を行き来するオーマイガット。三十分彼女は天使の笑みで現れた。教頭先生らしきヒトに声をかけられたことを話し「主人の部下ですのとでも話しておいてください」彼女の連れ合いは刑事だと聞いていたからだ。僕らは一時間そこにいたとは思えないほどにやけた顔をしていたにちがいない。「ありがとうございます」頭を下げて帰途につく。  


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