20代前半はそれはもう恋多き女だった。 今回の2週間の休暇の間アクティブに動く自分とは別なところにまたもうひとりの自分が居た。そして昔の男を思い出す。 好きで好きでどうしようもなく好きで、毎週仕事が終わった金曜日に伊丹から熊本へ飛んでいたあの頃。彼が言った一言。大阪の俺は俺じゃないから。 その意味が今よくわかる。 東京にいる私は私であって私でない。 あの頃は彼の言っている意味が私と過ごした大阪での時間を全否定するものだと受け取って必死だったけれど、そういう意味ではない。私が東京に来てから恋をした相手、否定ではなくけれどそれは現実のものであって現実ではない。ある意味敗北をも含むこのリアルはなかなか人にはうまく伝えられるものではないだろう。
時が経った今、それでもわからないまま過ごすよりもよかったとどこかで安堵している。見事に完全燃焼した全身全霊の恋だったからかもしれない。
|