つれづれ日記。
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2012年03月16日(金) 今宵、魚のみる夢は(仮)・15

 それからどうしたって?
 当然街は離れたよ。それ以上の被害は出さなかったし後はあいつらが自分でなんとかするだろう。
 オレはといえば、海底でしっかりお説教された。当然だよね。あれだけの事態を引き起こしたんだから。周囲を騒がせた罰として忘却の呪いをかけられた。
 姿が変わらないのは考えようによっては『老けなくてらっきー』程度で済む。でも『全てのものに干渉できない』っていうのはひどいよね。おかげでみんな忘れていくんだ。ああ、君達のことは例外だよ。それから先はごらんの通り。あっちへ来たりこっちへ行ったり。ちゃんと里帰りはしてるよ。父親にはあってないけどね。そろそろちゃんと顔を出すべきかなぁ。

「――以上、話は終わり。たいしたことなかっただろ?」
 笑って見せたけど周りはしんと静まりかえっていた。笑い話とはいかなかったけれど、そこまで深刻になることはないだろうに。
「聞いたことがあります」
 口を開いたのはフォルトゥナートだった。
「遠い昔、リールの怒りをかって滅んだ王国があると」
「それは大げさ。壊したのは街ひとつだし、あの時父親は一切手出しをしなかった」
 人間ってほんと大げさだよなぁ。子どもの頃のおいたを何百年にもわたって語り継がせなくてもいいだろ。いい加減あのことは忘れたいんだ。
「言いにくいのですが。こんなことを私たちに話してよかったんですか?」
「だって君。口外しないだろ」
 そう返すと相手は黙ってしまった。それなりに年を重ねたから今ではそれなりにわかる。それでも裏切られたら、その時はその時。 
「飲み物を取りに行ってきます」
 そして、友人は部屋からいなくなった。 






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