つれづれ日記。
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2010年07月03日(土) 委員長のゆううつ。その2−33

「来るなーっ!」
 心優しい少女なら、怖くないからおいでとか言って手をさしのべるかもしれない。勇ましい少女なら自分から攻撃したりするのかもしれない。
 あたし高木詩帆はくどいけど普通の女子高生、委員長なのだ。したがってクラスをまとめる力はあっても動物と戦うような技量も度量もない。
 もし仮にも神様の娘さんだとかいう設定が通用するのなら窮地になにかの力に目覚めるだとかいった、それこそとんでも設定とかがあってもよさそうなのに。現実はただただ走って逃げることしかできない。
 加えていえば、あたし、高木詩帆の運動神経はいたって普通。スポーツ選手並みに早くも運動音痴ほどのろくもなく、本当に普通。普通の人間が普通じゃない、かつ足の速い化け物に追いかけられたらどうなるか。答えはすぐにでた。
 草にひっかかってしまい豪快に転んでしまう。立ち上がろうとしても鈍い痛みが邪魔して動けない。どうやらくじいてしまったみたいだ。
 ――死んでしまう。
 率直な恐怖に身をこわばらせる。父親を捜す前にわけのわからない動物にかみ殺されてしまうだなんて。
 もう駄目だ。反射的に目をつぶったその時。
「伏せて!」
 背後からの声にとっさにはいつくばる。同時に響いたのはしゅっという風を切る音。
 それから先は、無言。






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