つれづれ日記。
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2004年03月25日(木) SHFH10−7

SkyHigh,FlyHigh!

Part,10−7

「いつまでもここに長居するわけにはいかないようですね」
 水の精霊が穏やかな笑みを苦笑に変える。
「あなたを心配している人達がいます。早く帰っておあげなさい」
「心配している人……」
 それはきっと、二人のことだ。
 でもそれは一時のこと。あの二人も、いつか目の前からいなくなってしまうんだ。この世界が夢なのか本当なのかわからないのならなおさら――
「あなたは何を怖がっているのです?」
「!」
 考えていることを指摘され、まりいは体をこわばらせた。
「何事も話さなければ伝わりませんよ。あなたにはそれができるじゃないですか」
「……できる?」
 本当にできるだろうか。
 変われるのだろうか。
 それは、今からでも遅くない?
「元の世界へは必ず帰ることができます。それよりもあなたにはなすべきことがあるでしょう? 大丈夫。あなたにならできます。翼の民の血をひくあなたなら」
 そう言うと、精霊はまりいの額に手を当てた。
 次第に意識が遠のいていく。
「……あの子を、水の都の姫をお願いします」
 うすれゆく意識の中、それが精霊との最後の会話だった。







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