| 2007年01月30日(火) |
それで本当に解決するの? |
外出するための運転中に、最近はよくラジオを聴いています。 行動する時間帯が似通っているのかよく同じ番組の放送を耳にするのですが その中のひとつに人生相談のコーナーがあって、 いかにも達観したかのような口調で話すパーソナリティと それに伴うカウンセラーや占い師、弁護士などの日替わり相談員たち。 そして日常の不満を口に、相談をする相談者。 このやり取りを聞いていて、とても疑問に思うことが多々あるの。
わずか数分間のやり取りの中で あなたのやり方が間違ってると制するパーソナリティ。 否定から入り相談者が口を挟めない攻め口調で こうしなさい、ああしなさい、 これだからこんな問題が起こるんだ!とアドバイスする相談員。
果たして・・・この番組に相談を持ちかけた相談者は 解決の糸口をちゃんとみつけられるのかな? 散々非難され見下されたことで人格まで卑下されて かえってひどく落ち込んでしまわないのかしら・・・。 相談者は決め付けて断言されることを望んでいるの?
コレをすることが正しくて、アレをすることが間違いだ! だからあなたはこうするべきなのです!! なんて、いち相談員の価値観を押し付けてしまうことは 逆に選択肢を与えず答えの幅を狭めて 相談者を追い込んでいるだけのように思うのです。
経験豊富だったり、知識や対処法を 良く知っているからこその番組なのだろうけど、 人生相談という番組の構成上 相談員と相談者の立場に上下があったとしても 人としての心は平等なハズ。 その心にまで上下関係を作ってしまうのはいかがなものかなぁ? ますます心情を悪化させ落ち込ませるだけのような気がする。 何故だろう、聞いていてとても悲しくなります。
相談者に問題点をしっかりと見つめさせて 何がそれを生み出す原因になっているのかを本人に見つけてもらい 今後どう対処すべきかを本人に考えてもらって、そこで得た気づきから 実行していける手段を本人に選択させることが 相談員の役目なのじゃないかと、聞いていてそう思った。
ある意味この番組は反面教師。
迷ったときの道しるべを誰かに尋ねたとしても、 いくつもある道筋から 自分がどの道を歩むべきかを選択するのは やっぱりその道を歩んでいる自分自身・・・
セラピーの中でいくつものヒントを拾い上げることができるのは セラピストの方かもしれないけれど、 それを押し付けで持ち帰らせるような傲慢さを持たない、 クライアント自身がそのヒントから 自分に必要な気づきを自分自身で見つけられるセラピーを 心がけていこうと思った。
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煌びやかな宮廷の中でのアントワネットの生きざまを 2時間程度の時間でどう描くのか、 かなり期待に胸膨らませて観に行って来ました。
本物のベルサイユ宮殿を撮影したという前評判も 期待に拍車をかけていたのですが、 絢爛豪華な宮廷内の様子や衣装、装飾品の数々と 糸目をつけない華やかで贅沢な生活という 映像的な表現の満足度とは裏腹に、 時代背景や宮廷内での人と人との身分や確執 王侯貴族と一般人の貧富格差には まったく・・・というか、ほとんど触れずに、 マリー・アントワネットの状況をだけを静かに進行させていく映画。
生粋の姫君としての気高さやプライドといったものよりも、 いち少女としての無邪気さや無防備さだけが見て取れ、 デュ・バリー夫人に声を掛けた時の心情や フェルゼンに惹かれ関係を深めていく間の心の葛藤などは 期待したようなものでなく、また子供を授からない状況で 延々誹謗中傷されるアントワネットの悲しみだけがクローズアップされ そこにある期待や重圧・不安はあまり深い表現ではなかった。
複雑な心理描写や感情表現はかなり希薄で ただ淡々と進行していくストーリーですね。
人間模様を描いた映画だとすれば物足りないし、 ただのドキュメンタリーだとすれば内容ではまったくの情報不足。 キレイにまとめ過ぎてるというか、 ただ事実に基づいて映像化しただけという印象。 誰にも感情移入できないままの美しい映像の羅列のようでした。
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