世を忍ぶ仮の日記
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2004年08月27日(金) マスカラの比重

MRIを撮りに行く日。
本当は1週間前だったのだが、体力不足で延長。
全く書類に目を通していなかった、MRIを撮るにあたっての注意事項を当日やっと目を通す。
「ねえピロ。聞いて。MRIを撮る時には色んな物を取り外さないといけないのね。貴金属、取り外し可能な入れ歯。そして、カツラ!」
ンギャー! その光景は想像するだに面白い。
カツラといえば。
今度相模大野で千住さんがコンサートを開くのだそうな。
「幼児虐待、ネグレクトを防ぐ」とかいう副題の、曲目は見ていないけれども。
千住コンサート=一興君伴奏
一興様のピアノは一聴の価値有りの素晴らしい演奏です。
たとえカツラがヅレていようとも、そのカツラを観に百聞は一見にしかず、演奏も百聞一聴にあらずのすばらしさですカツラも。
レッスン受けても、得体の知れない数々の名迷言を残しつつ、奇行のようなレッスンで何故だか上手くなるのも、一興様の素晴らしい天賦の才です。
自分の書いた指遣いに向かって「この指遣いは大変素晴らしい!」と興奮したり、誰もせかしてないのに「ちょっと待って下さいねっ!」と慌ててみたり、カツラがズレているのそっちのけで二台ピアノの二人に向かって「大変です、ズレてますよズレてます大変です大変、ズレてます」と慌ててみたりと相当面白いですが、彼の演奏は本当に素晴らしく、更に気だても良い。
お腹ぽっこりなのに無理してなのか気を遣って下さっているのか
「ボクは全然お腹空きませんからね、気にしないで下さい」
と言って、ゲネラル・パウゼ(絶対に音を鳴らしてはいけない緊張感のある休符)の最中に「ズビズビズバー」と紅茶牛乳を飲む音を立てようが、彼は素晴らしい演奏家です。
クラシック信仰が全くない私ですが、一興君の姿と演奏で、もしかしたらネグレクトが防げるかもしれない、と思ってみたり。
で、一興君、けっこうなお年頃ですが、MRIは撮ったことあるのかなあ、というのが今日の疑問です。
カ、カツラ取ったのかにゃー。
旧式カツラの時はヘアピンまで付いていて、確実にバレバレで取らなければならなかっただろうけれども、ぽっこりお腹でも意外と健康体だったり!?
彼がMRIを取る姿をこっそり見たいです。
単に彼がカツラを認める日を拝みたいだけ、とも言う。



私は本日MRIを初体験してきました。
当日、マスカラを塗ってはいけない、という注意事項を見て、テンションが下がる。
マスカラを付ける=化粧しはじめる。
そのくらいマスカラでテンションあげていく私としては、マスカラ付けないならもうどすっぴんでいいや、という気分に段々なってくる。
家を出る前に唐突に
「病弱に見える? 見える?」
などと意味不明に言ってみたりするのは、もう既に自信の無さの現れでしょう。
どーでもいーんだけどさ、化粧なんてさー。
でもこっそり化粧が好きなんだな、変身っぽくて。
でもマスカラ無いとやる気が失せる。



病院付いたらクラシック信仰な病院なので、ショパンのポロネーズがかかっていて、過換気症候群を起こして倒れそうになりました。
心に悪い曲は流して欲しくない。でも人それぞれ心に悪い曲違うだろうしなあ。次にヴァイオリンが流れてきた途端に発作治まったけど、ヴァイオリンの人にとってはもしかしたらトラウマ曲かもしれない。
こ、ここはもしや芸術をやっている人間にとっては鬼門なのではなかろうか。
入り口には絵や彫刻が至る所に飾られている。
絵画の人には気分の良いものでは無いだろう。
難しい。一般の人はそれで癒やされるのかもしれないのだから。
一般の人が癒やされるならば私の心くらい切り売りしてやろうじゃないか。
MRIの検査受付に行くと、少し待ち時間があったので、テキトーに小冊子を手に取ったら水木しげる特集で、「多忙につき」の京極夏彦が水木しげる崇拝コメントを寄せていました。
多忙と水木大先生は別枠だよねえ、なっちー。
その後MRIの機械に入って、「わあ、宇宙に飛び立つ瞬間ってこんな感じ?」と思ったのもつかの間、ヘッドフォンからヴィヴァルディの四季が流れてきました春。
わははー、ソロ大変そうー、これヴァイオリンの人具合悪くなったりしないの〜?
大層良い子な患者だったらしく、一番短くて20分の検査、20分ちょうどでした。
まあ、微動だにしなかったから同然だろうて。
でも、自分の断面図が今日見られなくてとても残念でした。
すっげ見たかったのに、断面図。
どうせなら全身断面図が見たい! 特に頭!(←マニア)


磁気に弱いので帰りにちょっとチャペルに寄って一休み。
ふと気が付くと、どうもチャペルのオルガニストが素人なのか、しばしば弾き直しをしているように感じられるのですが、あれは自動演奏が壊れたのかね、それとも誰か患者さんが気分良く弾いているのかね。まあ深くは詮索しないでおこう。
チャペルとかお寺とか神社、無信心な人間にとって、誰かの信仰の場所で一人ぼけっとしているのはけっこう気分が良いです。古くさい感じのチャペルだったので、一層雰囲気が濃くて、異国に旅した気分でした……でも一瞬イタリア片田舎のミイラが置いてあるような小さな教会に行きたいと瞬間的に思ってしまったが病院内チャペルにそれは無いよな、ミイラ。
至極気分が落ち着いた、と思いきや、喫煙所に入る。
ええと、お医者様が休憩タイムに入ってやってこないかなー、白衣。
白衣を狙ったのですが、看護婦さんご一行休憩タイムだったらしく、ナースがたくさん一服中。
裏話を平気でするので、ちょっと多めに吸ってしまいました。
だって……だって……やっぱ病院内裏話程、患者として聞きたいもんは無いじゃないですか。
日頃ピュアな仮面を被った白衣の天使達がスッパーと濃い(私の煙草の10倍くらいのニコ量の)煙草を吸いながら愚痴言いまくってるんだもん、楽っしーい。
ナースにも派閥とか偉い人順番があるらしく、新人ナースは喫煙所の外で吸って、吸い殻だけ捨てに入って、中堅から上が椅子でゆっくり一服出来るという。
上下関係厳しい、ナースの世界をかいま見ました。
そして私が明らかにナースでは無いので、医者には敬語使わず、患者には「さん」が付くんだなあ、とか、さりげなくナース服のポケットの中に煙草とライター潜ませてっつーか携帯電話もかよ! とか色々楽しかったです。
嗚呼、でも白衣の格好いいドクターは一人もやってこなかった……しょぼりん。


帰宅して練習しながら眠いと騒いでみたりピロは寝ちゃったりしていたら、やっとこお仕事を終えた柚さんが、家の最寄り駅まで来て下さる(ホロリ)。
みんな、めんどくさがりの私によく付き合ってくれる。
「ああ、普通の御飯が食べたい!」
裏通りの方のレストランがある方面に歩いてみました。
今日も、8席しか無いお店は満席ぽかったので、道路を無理矢理横断して、カルミネおじさんのお店に飛び込む。
ここも混んではいたのだが、お店の人が「もう少し待ってくだされば、空きます」というので、幻水の新しいのはどうでっか? やっぱ2が一番好きですよなー、でも4にはテッド君が出るとな!? など濃ゆい話題をしながら「ここカルミネおじさんのお店なのー」と言っていたら、噂をすればカルミネおじさんがやってくる。
ぼなせーら、と挨拶してもカルミネおじさんは日本語ネー。
後から店員さんに
「随分寄って話してくるんで危険ですよね、大丈夫でしたか?」
と訊ねられましたが、柚さんと二人で
「イタリア人には慣れてるんで!」
と笑って答えました。
私が知ってるイタリア人の中で2番目か3番目に紳士だ。そして一番にお父さんっぽい。
カルミネおじさんは立派に日本慣れしたちゃんとしたイタリア人です。
なんせ、凄いちゃんと仕事してるもの。

席が空いたは良いけれど、随分混んだ席、そして頼んだ料理も遅めに届く。
けれども声を潜めつつも幻水やら何やらかんやら色々と花咲く私達。
いやあ、勿論お仕事のお話などもしますよ、アッハッハ。
私は現在夏休み中ですが。
カルミネおじさんのお店は、イタリアを彷彿とさせるお店なのです。
まずガス入りの水を頼んで、テンションアップ。
お店のガヤガヤ感も、何故かカルミネおじさんがウロウロしている支配人も楽しげなところもイタリアを彷彿とさせ、寒暖差激しいこの小秋日和にもちょうど良い気温設定。
酔っぱらいがどこかでアヤシイ動きをしていても気にしない、料理に口うるさい人がいてもきちんと対応。
なによりも。
料理が本当にイタリアっぽい。
イタリアの料理は素材の味そのまんまで変に味を誤魔化したりしないところが最大の魅力だと思うのですが。
前半ガッツいて食べ過ぎましたが、最後のデザートバナナのアイス。
素晴らしいバランスで、「バナナの味」がしてくるのです。これ以上バナナっぽかったらしつこく、かといってバナナの味がしないと寂しいだろう、そのちょうど真ん中ストレート、バナナの味がして美味しいところをぴったりと。
今日も美味しかった。



帰宅したらちょうどセカチュウが終わっていて安堵。
セカチュウにツッコミ入れたらものっそ怒られるんです。
理由:主人公の女の子が可愛いから可哀想。
あー。気持ちは分かるけどさー。
実家で親が観てた時に
「あたしだって普通の青春送りたかった!」
とか言いながら海に入っていく主人公の可愛い女の子を観て
「普通の青春送れなかったのはてめえだけじゃねえんだよ!」
と叫びそうになって部屋を飛び出しました。
美少女っていいな……。
普通の青春送れないだけで海入れるんだよ(いや、白血病で死ぬからなんだけどさ)。
原因不明の病気をいつまでもいつまでも抱えてて、今月検査費だけで10000円超すような日々送ってまだ原因不明でいるけど、いわゆる青春ど真ん中の時期に戻りたいとは思わない。
どーせ普通の青春がどんなもんか知らないしっさー(家で言えない愚痴)
検査して悪性だったらアハハンハンだよケッ←イジケ。
高いんだよ検査費。
悪性腫瘍だったら思い切り「普通のOLになりたかったの!」とか大嘘ぶっここう。
あ、でも美少女じゃないからダメだ……うう、壁が厚い。


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