ヤグネットの毎日
DiaryINDEXpastwill


2002年04月10日(水) 「リトルターン」を読む

 少し気持ちと時間に余裕がでたので、どうしても読みたかった本を読む。
 ブルック・ニューマン作 五木寛之訳の「リトルターン」だ。

 感想の一端を箇条書きにしておきたい。

●あとがきで、訳者はこう書いている。
 「これは必ずしも多くの普通の人たちに読まれる本ではないのではないか。飛べないことで悩んでいる人、急に飛べなくなって困っている友に、この一冊をそっと手渡したい」

 しかし、僕自身がいろんな書店に足を運んでも「品切れで取り寄せ中」と言われたことに象徴されるように、訳者の言葉に反して「飛べないことで悩み」「急に飛べなくなった」人がいかに多く、またそれらの人にいかに共感を持って受け止められたかを示している。多くの人が共感するすばらしい作品だ。

●いま僕たちの目の前には、出口のみなえない経済不況、腐敗した政治、子どもたちの荒れ、あまりに軽んじられる生命などなど、「生きづらい」状況が横たわっている。
 僕たちが大学を卒業したころは、「24時間たたかえますか?」という栄養ドリンクのCMがカラオケでも盛んに歌われた。
 しかし21世紀に入ったいま、人間が生きるとはどういうことなのか?人間に、自然に、環境にやさしいシステムとはどういうものなのか?を社会全体が模索する時代に入ったのではないか?

●僕自身のこれまでを振り返っても、つねに挫折のくり返しがあった。
 (もちろん、他を見渡せば僕の「挫折」など小さなものかもしれない)
 過去を振り返るときはいつも、「あの嫌な思いをしないように」「挫折を味わいたくない」という後ろ向きの思いから奮起をしてきたように思う。
 
 でも、とこの本を読んで思う。

 主人公の「リトルターン」が飛べなくなって地上を歩いた時、自分の影に気づいたように、僕もいっさいの自分の過去をありのままに受け止めて、いまの自分を認めてあげたい。

 僕にとっていま大切なのは、いまの自分と自分をとりまくあらゆるものを、感性を研ぎすませてとらえ、その中に自分という存在を置いて、自分が何をなすべきかをじっくり考えることだ。
 そうすることによって、これからの人生をより豊かに生きることができるのではないか、と思った。


●挿し絵がとてもきれいだ。何度でも読みたくなる。今度は、声を出して朗読をしたい。BGMはどんな音楽いいか、などを考えて読むのもまた楽しいものである。
 

 


ヤグネット |MAILHomePage

My追加