夏になると何故か再読したくなる本が増える。 その中でも特にコレ。
本日の1冊: ・『姑獲鳥の夏』(京極夏彦/講談社文庫)
やっぱり数ある京極作品の中でも、 この作品のインパクトを抜くものにはお目にかかっていない。 それぐらい衝撃的な1冊であった。 戦争の惨禍を乗り越え、慌しくも日々前進する本土において、 長い長い坂道の先、一軒の古本屋が涼しい顔でそこにある。 そこだけがばっさりと切り取られた非現実的空間のようであって、 私をあっという間に物語世界へ誘ってくれるのである。
しかし、『姑獲鳥の夏』の凄まじさはこのグロテスクさ。 最後の最後まで裏切ることなく攻め込む作者の姿勢には敬服する。 世の中で最も恐ろしいものは生身の人間であることは疑いない。 それに加えて、最後にそこはかとなく漂う一抹の切なさ。 暑い夏に起こった悪夢のような(そうとしか言い様がない)事件は、 憐れな美少女が自らの不幸を精算するために起こるべくして起こった。 誰が悪いというわけではなく、皆、気の毒なのである。
今日はいつになく夕飯までに帰宅した。 久々に寛いだ気分で今の時間を迎える・・・幸せである。
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