2002年01月21日(月)  18日の続き〜刑事だってバレちゃう編〜


別に彼と連絡を取り合ってなかったわけじゃない。

クリスマス・イブだってちゃんと約束をしていたのだ。なのにうちの管轄区域に強盗が入って、結局予定はキャンセル。
イブに犯人と乱闘・・・。
・・・何やってんだろ、あたし・・・。
背後で喚く窃盗犯と、それを怒鳴りつける刑事の声が、あたしの惨めさに拍車をかけた。
それでも感傷に浸る時間などというのは、ここにはないのだ。

「スミレさーん」
「ああもう!今度は何よっ!?」
あまりの忙しさに殺気だっていたあたしには、のんびりした真下くんの声は苛立たちを助長させるものでしかない。睨みをきかせて振り返って、そしてあたしは固まった。
「なんで・・・?」
真下くんの隣にいるのは、スキーウェアを着た、いるはずのない人。さっき『急にフライトが入っちゃってぇー』とか何とか言って、電話口で謝ったばかりなのに・・・。
あたしは慌てて彼のもとに駆け寄ると、そのまま入り口の外まで無理矢理押し出しす。

「あ、相原さん・・・どうしてここに・・・」
あたしの問いに、一呼吸置いてから彼は静かに口を開いた。
「スチュワーデス・・・じゃなかったの?」
「・・・・・・・・・ごめん」
素直に謝ると、彼は苦笑気味の笑顔を見せる。だって、言い訳できるような状況じゃないもの。タートルにパンツスーツというあたしの格好は、どう見てもスッチーではないし、何よりここは湾岸署・・・警察なんだから。
「おかしいと思って、紹介してくれた子を問い詰めたんだ」
友子のやつ・・・あれほど言うなって言ったのに。
あたしは心の中で溜息をついた。
あーあ、いい人だったのに。
「・・・スキーには行けない。取調べで、終わるの夜になるから」
もう可愛さを演出する必要もないから、ひどく素っ気無い声が出た。あたしが刑事だと知った時の相手の反応は嫌というほど知ってる。
仕方ない、か・・・。
くるりと背を向けて歩き出した。
あたしの正体に困惑してるのか、彼はなかなか立ち去ろうとする気配がない。
言われる前に自分で言った方がいいと思って、アタシはわざと明るく声を掛けた。

「いいのよ?・・・逮捕するのとフられるの、慣れてるから」



・・・って言ったのに。


あたしは今、彼と床に伏せている。しかも。

「クスリと車を用意しろってんだよっ!!」

課長にライフル銃を突きつけた男が、デスクの上から叫んでいる。








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なんだよこれ・・・続いてたのかよ!(万人の心を代弁)ええ続いてたのです。というよりネタがなかったのでアップしたのです。かと言ってまだ続くかというとそれは怪しいのです(オイオイ)。


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cerri ■