| 2005年08月10日(水) |
生涯青春の会 会報第4号 |
(コミュニケーション特集) コミュニケーションは人として生きてために、最も難しいテーマであると思います。以下の資料が青春の会のスピーチの話題になれば幸いです。 資料 1. わかれのメカニズム (1998年4月5日の日々の映像から) 2. 昨年の離婚26万2000組 (2001年1月10日の日々の映像から) 3. 妻からの三行半 (2001年2月16日の日々の映像から) 4. 老いぼれない方程式 (2003年11月18日の癒しの森から・以下同) 5. なぜコミュニケーションが保てない(1)(2003年12月4日) 6. なぜコミュニケーションが保てない(2)(2003年12月5日) 7. 社会の中で孤立しない (2004年9月18日) 8. 林文子さんの人間像 (1) (2005年3月2日) 9. 林文子さんの人間像 (2) (2005年3月3日) 10. 深刻なニート(若者無業者)の増加(2005年3月23日の日々の映像から) 11. 森夫妻:おしどり公演中止離婚決定的 (2005年4月3日の癒しの森から) 12、セックスレスの定義とは (2005年5月18日の癒しの森から) 13、コミュニケーションは人間文化の基本 (2005年6月2日の癒しの森から)
1、わかれのメカニズム (1998年4月5日の日々の映像から) 今日は晴天であった。桜の満開の時を迎えて、花見を楽しむ家族ずれが多く繰り出していることだろう。春の陽光を浴びて山野の木々は芽吹き、春真っ盛りの今日この頃である。一見平和な社会の片隅で、今日も何万もの夫婦が血走った目と目で睨み合い罵倒し合っているのだろう。 アメリカと比較すれば少ないと言いながらも、昨年は22万5000世帯の夫婦がコミュニケーションの破壊で離婚しているのである。これも2月3日に記述した自殺者と同じ統計的な背景がある。自殺を実行して目的を果たした人が2万2000人で、自殺を試みて失敗した人たちが10万人(約5倍)もいるというから大変なものである。 離婚も自殺と同じ統計的な背景があるだろう。離婚に成功した人が22万5000組で、離婚を試みたが周囲の説得あるいは子供のために離婚を踏み止まった人達がどれだけいるのだろう。離婚したカップルの2倍(44万組)だろうか、3倍(66万組)だろうか、いやもっと多いと思う人もいるかもしれない。離婚したいと言わないが、散在的に出来るものなら離婚したいと思っている人がどれだけいるだろう。 半年前のことである。お世話になっている会社の50代の事務の方と懇談する機会があった。事務員Aさんのご主人は今年で定年退職になるという。Aさんの次の言葉に驚いた。「これから毎日主人が家にいると思うとゾッとする」と語気鋭く言い放ったのである。これは定年離婚の予備軍であると思った。このA子さんも笑顔溢れる結婚式を挙げ、子供の誕生で喜びあった日々もあったはずである。時は流れて、今では一緒にいること自体がゾッとするというのである。悲しいほどのコミュニケーションの破壊である。 3月8日、夫の暴力に関連して「何故コミュニケーションが保てない」と題して記述した。自分の持つ常識で相手を評価する習性も離婚を誘発させる一つの原因だ。しかし、この感覚的な原因のみで、人と人との破局があるとは思えない。もっと深い次元何かがあるように思えてならない。 イタリアの著名な社会学者であるアルべローニさんの書いた「平気でウソを言う人」が少々のベストセラーになっている。この本の227ページに「ある有名な金言によれば『人間は悪を与えられれば、それは大理石に刻むが、善(好ましいこと、愛されることなど)を与えられれば埃に刻む』という」とあった。この意味は書くまでもないが、いやな思い出は大理石に刻むが、好ましいことや自分が愛されたことなどは、机の上の埃(ほこり)に刻むというから、すべて忘れてしまうと言っているのだ。コミュニケーションの破壊そして離婚が成立する背景には人間の習性的なものが潜んでいるのである。 アルべロー二さんの著書からもう少し引用しよう。 「我々は長年続いた深い友情や愛情にかかわる場合でも同じように対応する。しばしば、ちょっとした目付きや、無理解、あるいは夫が妻の機転のきかなさがきっかけで、軋轢を生じ、収拾のつかない事態に立ちいたることがある。そして(楽しかった)過去は帳消しになり、惨憺たる結果になったりもする。離婚の場合には、相手から与えられた幸せ、分かち合った喜びもすべて雲のように消えうせる。・・・・・・我々はこういう記憶の抗し難い力(意識ことのみを記憶する)心の邪悪なメカニズムをなんと呼ぶべきか自問する」(カッコ内は加筆)とあった。 悪しきことは心に明確に刻むが、善き思いでは煙のように消えてしまうというこころの邪悪なメカニズムが離婚を生み出すのである。しかし、邪悪なメカニズムは個人差が相当あるように思えてならない。松本清張の小説に「黒い霧」がある。政界を覆う黒い霧、すなわち悪を題材としている。どうも人の心にもこの黒い霧があるようにも思える。黒い霧に深く覆われている人は、悪しきことのみを記憶して、善き思いでは記憶の中に残らないのだろう。 心に黒い霧がなく晴天のような心の持ち主であれば、善き思いでも忘れることなく、心に明確に残るように思う。離婚という人生のドラマはその人の心のスクリーンに映し出されてものに左右されるのではないか。これらは人が生きる上での根幹をなす事柄で実に難しいテーマである。これ以上のことは友人との議論のテーマにしょう。 これで3回目の引用となるが、アインシュタイン「真実は単純であり美しい」という言葉が好きである。一見複雑に見える人の心も、単純な法則があるように思う。邪悪な心を益々燃え上がらせるような本が多くある。これらは良書に対しては悪書になる。すなわち、悪書に接すれば心の霧・邪悪の心が抑えようもないほど噴出するのではないだろうか。反面、良書に接すれば心が清く逞しい方向に進むのではないか。 100人のコミュニケーションの破壊・離婚にはそれぞれの理由あるにせよ、離婚の背景に前記したような人の心の邪悪なメカニズムがあることは確かである。
2、昨年の離婚26万2000組 (2001年1月10日) 昨日に引き続き統計的なことを記述したい。1月1日に書いたように、日本の世帯は4703万世帯である。この中の1人暮らしの独身者・1人暮らし老人世帯が1000万世帯もある。この1人暮らしの世帯が増加の一途を辿っていることは、決して良いことではない。 日本の離婚件数が毎年のように増え続けている。すなわち、夫婦のコミュニケーションが破壊されている世帯が激増している。日々の映像を書き始めた1997年の離婚は22万世帯であった。どうしてこんなにコミュニケーションが破壊される夫婦が出るのだろう。この根本的な疑問と私なりの見解を添えて「別れのメカニズム」を記述した。ともかく人と人が一緒の暮らす上でコミュニケーションが破壊されてはどうにもならないのだ。 今年度の離婚に目を通してみよう。「離婚件数は91年から10年間連続で増加傾向が止まらず、前年より1万1000組増えて26万2000組に達し、過去最高を更新しそうだ」(1月1日毎日・人口動態研究所の年間推定から)というから、あと3〜4年で年間の離婚件数は30万件台に乗るのだろうか。 2000年の結婚件数は増加したとはいえ「78万8000組」でしかない。この数字を踏まえると26万8000組の離婚が如何に多いかが理解できる。どうしてこんなに夫婦のコミュニケーションが破壊されるのだろう。紙面の関係で短絡的なことしか書けないが、現代人は「読書を通して人間を学ぶ」という基本的な心の鍛錬が少ないように思う。良書に親しむことによって生まれる文化的な教養がなければ、思いやり、優しさ、温もりなどという心は育たないと思う。
3、妻からの三行半 (2001年2月16日日々の映像から) 世の中には惨めな男がいる。そこ最たるものが定年になって突然妻から「三行半」を突きつけられる男たちだ。俗にいう定年離婚である。1月のプレジデントは、家庭と題する特集で、大半は離婚に関するテーマであった。作家の藤原智美さんの一文を引用すると「妻から離婚届を突きつけられ、晴天の霹靂と慌てる。・・・妻という最も身近にいる人間の心の変化を読み取れなかったと言うことは、鈍感のそしりを免れない。人を見る目も、先を読む力も乏しいと思われる。仕事だって出来ないに違いない。そんな男が妻から離婚を切り出された時は、もはや相手を説得する力もなければ、その離婚届けを撤回させる力もないだろう」と惨めな初老の男性像を表現していた。 女性の側から見ると「こんな男とこれからも一緒に暮らすのだろうか」と思うとゾォーとすると言うからどうにもならない。男性の方は「俺は、仕事一筋の会社人間だった。家族のために働いてきた」等と言い訳しても、三行半を突きつけられた時は、もはや終わりのようだ。藤原智美さんは「女性が離婚を決断するということは、そう容易なことではない。今後どうやって食べていくかと言う経済的な問題、これから先をどう歩んでいくかという人生設計を含め、かなり周到な準備をしてからでないと難しい。つまり、敵(妻)は着々と戦略を練り上げ、虎視眈々とチャンスを狙っているのである」このチャンス到来は、夫が退職金をもらった時、すなわち定年離婚なのである。 経済アナリストの森永卓郎氏は「離婚したあとの夫婦を見ていると、一番多いパターンは、妻が元気になったのに夫は居場所を失ってふさぎ込んでしまって、精神科医のところに駆け込んで行くというケースである」と指摘している。すなわち、ボケ老人のコースに乗ってしまうのだ。どうしてこんな惨めな結果になってしまうのだろう。 もう少し森永卓郎氏の説明を引用したい「夫が自立して生きてこなかったからである。…会社だけが居場所だった人間は、定年で居場所を失ったとたん、どこにも居場所がなくなる。『濡れ落ち葉』などと揶揄されても妻にしがみつくことになる。妻の方が別れたくなるのも当然だ」1月11日に書いたように、退職して一人の人間になる…すなわち虚飾を剥ぎ取った時に、その人に何が残っているかが一番問題なのだろう。何も残っていない空っぽの人間では妻から三行半を突きつけられても止むを得ないといわねばならない。人間としてのコミュニケーション能力がないのである。 20年以上の同居期間のある離婚は、統計によると16.9%である。昨年の離婚を基準にすると約4万人が妻から三行半を突きつけられている。
・濡れ落ち葉 妻に嫌われ 落胆し 医者に駆け込み 其れから何処へ 4、老いぼれない方程式 (2003年11月18日の癒しの森から) 一昨日の養老さんのアドバイスを引用したい「人間ってのはいつも頭を使い、手を動かさなきゃいけないの。脳で考えたことを出力できるのは筋肉だけなんですよ。だから僕はいつも言うの、『頭だけで考えるな、身体を使え』って。たとえば頭で考えたことを、声を出したり文章を書くことで相手に伝わり、そこからコミュニケーションが生まれ・・・・脳ミソと身体を絶えず使っていたら、老いぼれる暇なんかなくなりますよ」とのこと。老いぼれないポイントは、手を動かす、口を動かす(会話)ことなのである。 1998年12月31日の日々の映像で「手の不思議」と題して、日々の映像を900枚書いての感想を記述した。その中の一部を引用したい。「手を動かすとは、肉体の一部を使うことである。どうもわれわれの脳は、身体の一部を使わないと記憶を預かる脳が作動しないようである。・・・情報・知識に触れても、手を動かす(書く)か、口を動かす(話す)行動がないとほとんど脳の記憶に残らない」(要旨)と書いた。 「手は第2の頭脳である」という言葉があるが、西洋では「手は脳から飛び出した頭脳である」と表現する。手を使うことがいかに重要であるかを示唆している。 ・手と口を 動かすことで 生き生きと 脳がまわって 老いぼれ知らず
5、なぜコミュニケーションが保てない(1)(2003年12月4日の癒しの森から) 交流のあるヘーゲル国際大学大学院の飯田教授が記述した以下の論文が11月20日に送られてきた。 ・自殺の原因とその予防 ・情緒の発達に関する一考察 ・交流分析(心理療法)からみるウェルビーイング 単純な思考構造しかない私には。なかなか難しい論文である。何かの機会にここで紹介したいと思っている。 飯田教授からの手紙で1998年3月同教授のアドバイスで「なぜコミュニケーションが保てない」と題するエッセイ(日々の映像)を書いたことを思い出した。この日の記述を一部ここで引用したい。 ・・飯田国彦氏より『やる気を引き出すマネジメント』という講演を記述したレポートが送られてきた。この内容が実に深い。このレポートの一節を引用したい。『コミュニケーションにおける最大の障害は、性格や思想の違いでなく、人の持つ評価傾向にある』というものである。 私なりに補足すると、妻が自分に身につけている常識で夫を評価し、夫も同じく自分の人生観や常識で妻を評価的態度で接する・・このようにお互いに評価する傾向が強いとコミュニケーションが破壊されていくのである。・・・(1998年3月8日の日々の映像から) 11月16日アインシュタインの言葉「常識とは、18歳以前の心につもりにつもった偏見以上の何物でもない。それから後に出会うどんな新しい考えも、この『常識』の概念と闘わねばならない」を引用して、自分の常識にこだわっている人が余りに多いと書いた。コミュニケーションの破壊は自分の持つ常識で相手を評価する傾向なのだ。この常識が妥当なものかどうかを振り返る心の余裕が必要だと思う。 ・身につけた わが常識に こだわって 評価で接する 人の性(さが)かな
6、なぜコミュニケーションが保てない(2) (2003年12月5日癒しの森から) ここで書くのは適切でないかもしれないが、コミュニケーションが破壊された後に起こるのは暴力である。東京都の調査によると次の通りだ。 ・夫や恋人による身体的な暴力があった 15% 都の推定人数 30万人 ・立ち上がれなくなるまで暴力を受けた 1% 都の推定人数 2.3万人 上記を全国に当てはめると、暴力を受けている女性の推定が約300万人、立ち上がれなくなるまでの暴力を受けた女性が推定で23万人になる。暴力を振るう夫が悪いのか、そのような状態を作り出す妻が悪いのか、そのベースは2人の間のコミュニケーションが保たれていないことに起因している。 なぜコミュニケーションが保たれないのか、その原因は昨日書いたとおり自分の常識で相手を評価する傾向にあると思う。国家と国家のコミュニケーションが保たれないと、過去の歴史が証明している通り戦争になる。最低限個人も国家も差異を認め合うことが必要である。 ・暴力が なにゆえ生まれる その因は 差異を認めぬ おかしな常識 7、社会の中で孤立しない (2004年9月18日の癒しの森から) 社会の中で交流の範囲を常に広げる心がけが必要だと思う。現実は限られた人間関係と僅かな空間に生きている人が多いと思う。高齢者福祉協会の人たちの話によれば、つりに行く以外行き場がないというような人が実に多いのだ。このような人たちは、心が閉鎖されているように思う。具体的に言えば、新しい生活情報などをほとんど受け入れないなどである。これでは話しかける人は誰もいないだろう。 知人で乳がんの人が2人いる。乳がんと戦うために積極的に情報を集めるために活動する人は病気に勝つように思う。ジャーナリストの田原総一朗さんらが8月16日、女性に最も多いがんで毎年約1万人が死亡する乳がん(乳がんを発症する人3万人)を克服するため、治療水準の向上を目指す特定非営利活動法人(NPO法人)「日本乳がん治療ネットワーク」(仮称)を発足させると発表した。8月に乳がんのため67歳で亡くなった田原さんの妻節子さんも設立を目指していた。田原さんは東京・霞が関の厚生労働省内で「日本はがん情報が少なく、患者はどこでどんな治療を受ければいいか迷路に入ってしまう。このネットの発起人参加を“承知しました”というのが女房の最期の言葉だった。思いを受け継ぎたい」(スポニチから)と話している。 乳がんの人はこのような「治療ネットワーク」に加入して積極的の人に会い、情報を入手すべきだと思う。1日5人以上の人と会い話をする人は、痴呆にならないという。この原理は、あらゆる病気に当てはまると思う。要は社会の中で孤立しないことである。
・会話する 人の多さが その人の 生きる力と 変わり行くかな
8、林文子さんの人間像 (1) (2005年3月2日の癒しの森から) 2004年7月24日、国際女性ビジネス会議2004での林文子さんの講演から語録の一部を引用してこの人の人間像の一端を紹介したい。販売店社長の心のこもった研修を受けた後、飛び込みでのセールスを開始、「話を聞いてくれたこの人の役に立ちたい」というおもてなしの気持ちでお客さまと積極的に関わったことで、自然に車が売れていったという。 「部下を育てるのは、今すぐ結果を求めず、子供を育てると思って、心を傾けてあげてください。まず、心のベースを作ってから仕事のスキルをUPさせてあげてください。」心のベースを作ってやれるだけの経営者がどれだけいるだろう。「心を大切にね、心を大切にしてあげてこそ、その人は本当にモチベートされるのです」具体的には心を理解してやることのように思う。「人と真正面に向き合うこと。それが何よりも人を感動させ、人を動かすのです」。 モットーの「ホウレンソウ(報告・連絡・相談)は上司から」については、権威関係が障害になり、部下が上司に心を開いて接するのはとても難しい。だから「上司が心を開いて、部下と真正面に向き合う」ことが重要と指摘していた。
・ダイエーは 女性の時代の 先導に リーダー決って 旋風起るか
9、林文子さんの人間像 (2) (2005年3月3日) 10、深刻なニート(若者無業者)の増加 (2005年3月23日) 11、森夫妻:おしどり公演中止離婚決定的 (2005年4月3日の癒しの森から) 12、セックスレスの定義とは (2005年5月18日の癒しの森から) 13、コミュニケーションは人間文化の基本 (2005年6月2日の癒しの森から)9〜13は省略
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