天下無敵な過ごし方
ああ、今日も今日だねぇ。
ここんとこの円高のおかげで薔薇が安いのはありがたい
2005年04月23日(土) 京都旅行 食べ物編

今回の京都旅行も大変に美味しいものを食べてきた。
今度はいつ口に出来るかなんて高価なものからこれからの京都旅行では毎回に!なんて思うリーズナブル(だと思う)なものも。口にしたものを覚えているり限り片っ端から書き記す。

土曜日 昼
・いもぼう平野屋本家(東山円山公園内。隣に平野屋本店という同じ料理の店がある)
創業三百年を誇る老舗。名物はその名の通り海老いも(里芋に味が似た芋で、海老の様な縞模様とやや曲がり気味な形からきた名前らしい)と棒鱈(かちんかちんに干した鱈の干物)を炊きあわせたもの。去年からどこぞで知ったのか、この料理をたけぞ氏が随分とご執心で、「いもぼう」「いもぼう」と念仏のように唱えていたので、この機会に予約を入れて行ってきた。

食べたのは、花御膳 というセットもの。
いもぼう、祇園豆腐、とろろ海苔巻 がどれも味わえる。
いもぼうは、前出の通りの材料を一子相伝の味で炊きあわせた早い話が煮物。手間と時間を十二分にかけているだけあって、出汁の味がそれぞれに染み渡っていて、懐かしい様なほっとする味わい。木の芽が味のアクセントになっていて、個人的には好み。
祇園豆腐というのは、豆腐に吉野葛のあんかけがたっぷりとかかっており、和辛子がほどよく利いている。障子で締切った小座敷に通されたことをイイコトに、行儀が悪かったけどこのあんをご飯にもかけて食べた。
とろろ海苔巻きは、とろろ芋を海苔で包んだものが土佐酢にひたされている。箸で摘んでも、とろろがだら〜っと垂れず、面白いぐらいにつるんつるんと口の中。酸味がきつくなく、とろろの歯触り、海苔の香りが楽しめ、アタクシ的には一番好きな料理だった。
香の物の一切れもすべて綺麗に平らげて、お腹も心も満足満腹。


土曜日 お八つ
その1・ケーキ (先斗町のお姐さんのお持たせ故に店名知らず)
上げ浚い前の稽古で○八という御茶屋(お茶を売っている店ではない。京都独特のお客さんと芸妓・舞妓、料亭とを取り持つようなところってのか?もちろん一見さんお断り)ヘ行く。三味線が馴染む間、お姐さんお薦めのケーキを皆で食べる。

最初に選んだのは、桜のケーキ。ほんのり桜色の生クリームのスポンジケーキに塩漬けの桜がちょこりんとのったもの。当然この時期限定ものらしい。桜の味がする生クリームもくどくなく、瞬く間に平らげると「若いから2個食べなさい」と。夕飯が食べられなくなるのが嫌なので、一旦は断わると「それは大丈夫」と妙に自信たっぷりで云われるので、では・・・
と2個目に選んだのは、その店の名物と云うシュークリーム。パラフィン紙パリパリのシュー皮にラム酒が効いている大人味のカスタードクリームがたっぷりと詰まっている。これまた素早く皿から消えた。
久しぶりに2個もケーキを食べたのに、甘さに当られた様子もなかった。で、その小半刻あと、

その2・饅頭と抹茶 (祇園甲部歌舞練場)
都をどりの会場にて、舞を見る前に出されるもの。目の前で舞妓さんがお茶を立ててくれる(が、それは飲めない)。饅頭が載っていた小皿はお持ち帰り可。時間が迫っていたので、饅頭を楽しむ時間無し・・・。ただ、口の中があまあまだったので、お茶の苦味が大変に心地よかった。お代り出来ないのが残念。

土曜日 夕食
・八楽 (東山下河原通り近く)http://www.h7.dion.ne.jp/~hatiraku/index.html
カウンターだけのこじんまりとした中華料理の店。おっしょさんも京都に滞在の折には必ず1回は顔を出すと云う。

コース料理をいただく。ラードを使っていない。出汁は鶏ガラだけ。と、シンプルに徹すると、油脂に胸焼けすることなく、最後の最後まで中華料理を楽しめる。最後に出てくる焼飯だってすいすいと入るのだ。その焼飯も、目の前で作るもんだから音も仕草も目耳に楽しく、いやが上にも食欲をそそられる。京野菜、旬の野菜(この時期はもちろん筍!)が沢山使われていて、〆の柑橘系のデザートはさっぱりとちょっとだけしかないけど口の中の油を拭ってくれた。京都で中華も悪くない!と思わせる。店の御主人も女将さんもにこやかで雰囲気もとてもいい。お店の味とお二人の人柄で常連さんがついてるのよ と云われたら大きくうなずける。絶対また行くお店の一つになったのだ。

日曜日 朝昼食(所謂ブランチ)
・瓢亭 (南禅寺畔)
ホテルの朝粥を食べる予定にしていたら、先斗町のお姐さんの強い反対とお薦めと素早い予約で急きょアコガレの瓢亭の朝がゆを食べられることになった。去年、予約で一杯だと云われて食べられなかっただけに、嬉しさ倍増。本店は夏の間しか営業していないので、別館にて。座敷で囲まれた庭は、新緑が目に鮮やかで、午前中独特の清々しさ満喫。

言葉ははんなり動作はテキパキの仲居さんがお給仕してくれるのも雰囲気満点。まずは梅こぶ茶でのどを潤して、名物瓢亭玉子は、黄味が半熟でとろりとしていて、ひょうたんの形をした重ねの器には、ここでも旬の筍の胡麻和えや煮しめ等、箸を休める暇なく平らげる。朝がゆは、葛あんをかけて、縮緬山椒やしば漬けとともに。大した量ではない?と思いつつ、食べ終ると満腹満腹。

日曜日 お八つ?
・祇園小石のさくら飴
ちもとで準備をしている間、いただいたもの。飴歳事記によると四月はこの飴だそうで、綺麗な桜色の飴は舐めると水飴の甘さにほんのり桜の味がする。口の中でころがすと、からころと舞妓さんのぽっくりのようないい音がする。ちょっと口が寂しくなった時に丁度良かった。

日曜日 夕食
・料亭ちもと
もちろん、一見さんお断り。一見である限りはお金を積んでも入れない、別世界。川沿いにあるので、心地よい川の音を絶えず聞きながら、向こうの南座のライトアップも楽しむ。京都風情溢れるロケーション。

上げ浚いが無事に済んで、一旦準備の為に違うお座敷へ移動。お膳の準備が整って、それぞれ前へ座る。
始まりに女将さん仲居さんが勢ぞろいして御挨拶。すたっと、座敷の真ん中を進み、おっしょさん(正客)へ女将さんがビールを注いでから仲居さんが順々に上座から下座へビールを注いで回る。乾杯の音頭をおッしょさんが取って、宴が始まった。上げ浚いが終ったすぐ後なので、気持すっきり。おなかぺこぺこ。正直、料理が何がどう出ていたのかうっすらとしか覚えていない。綺麗で美味しくて、お酒もたんと飲んだ!ってぐらい・・・ウニのゼリー寄せ、お刺身、湯葉、まり鮨、ウニご飯etc.etc。好きな食材しか覚えてない・・・あぁ情けない!!白身の魚のすまし出汁の料理は、「出し汁も飲んでください」って云われた時に、「じゃあ器も食べちゃってもいいですか?」と云ったら、「お食べになったら今日のお食事代よりも高い御請求書が届きますよ」と返された。うっひょ〜!確かに、器もどれも素敵なもので、料理が一層楽しめる。夢心地ってのはこのことか・・・と楽しい時間は瞬く間。帰り際には。「お皿、欠けてませんでしたよ」と云われたので「怖くて齧れませんでした!」と答えると、にっこりと微笑まれた。

記念撮影をして、仲居さん総動員で大通りまで見送られて店を出る。
ここで楽しめたのは、おっしょさんや先斗町のお姐さんのお陰。そう、臆することなく楽しんじゃったのだ。お座敷にあがってしまったら、たとえ普段の客筋とは程遠い一般市民のアタクシでも窮屈を感じることなく楽しませてくれるサービスが女将さんから仲居頭、年若い仲居さんたち、下駄番のおじさんにまであった。来られないと思うけど、「また寄せてください」って心から女将さんに云ってしまったのだ。あはは


月曜日 昼 新幹線車中にて
・いづうの鯖姿寿司
・吉野柿の葉寿司
どっちも鯖の押し寿司。柿の葉寿司には、鱒のもあったけど。いづうの寿司を初めて食べたのだけど、お値段もなかなか素晴らしかったが、味も好み。昆布で巻いてある肉圧の鯖がなかなかのもの。昆布の香りが移っていてよい。普段だったら喜ぶ柿の葉のお押し寿司が物足りなかったぐらい。昆布をとってから食べるのだけど、その昆布を捨てるのも惜しいのでつまみ代わりに食べた。口が卑しい・・・。


お土産
・鍵善の京かの子
おっしょさんからの上げ浚い記念のお土産。小豆が一口で放り込むに丁度いい大きさで丸められて、葛砂糖(だと思うんだけど)でまわりをコーティングしてあるお菓子。小さな巨人的菓子なので1回に1個が限度。
ちなみに、ここで有名なのは くずきり。


以上。
グルメでも食通でもないので、ちゃんと覚えていなかったり、言い表わしたり出来ないのが残念だけど、ちもと以外は誰でも楽しめるかと。ちょいと値段が張ってても、朝食・昼食を合わせ技1食(例:瓢亭)にしてしまえば、それなり値段になると思うのだ。
にしても、今回は豪勢だった。

次回は 比叡山歌舞伎。はてさて 何を楽しめるか・・・。


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