ここんとこの円高のおかげで薔薇が安いのはありがたい
この間から、三味線の稽古の様子が変わった。 もうすぐある上げ浚いに併せてのこと。 今まではおっしょさんが唄を歌ったり調子をとるところで、1丁で一人で弾いた。 座り位置は、あたくしの右手側。やや向かい合う。 それが、二人並んで座って、それぞれに三味線。 とどのつまり、おっしょさんと併せて弾くってことなのだが、驚くくらいにうまく弾けて楽しい。 ついていくのも、速さを調節するのも一人で弾いているときより楽。 気になっていた がさつさ も おっしょさんの弾く三味の音に消されている感じ。 そんなことを感じたのは、アタクシだけかと思ったら、端で聞いていたゆーこさんもそう思ったらしいし、おっしょさんもだそうだ。
「音がからんでくれて安心した」と仰った。
上手下手にかかわらず、音がからむからまないというのがあるらしく、からまないと、お互いがどんなに素晴らしい弾き手でもいい演奏に聞こえないのだそうだ。 まぁ、音の相性の良し悪しってことか。 幸いにも、アタクシの音はおっしょさんとの音と相性がいいので、おっしょさんの音に引っ張り上げられて、上手く聞こえるってことなのだろう。
取りあえずは、上げ浚い、アタクシがよほどのポカをしない限りは大丈夫。 弾き損じようが間違えようが、手を止めたり弾きなおしはしてはだめ。 ま、そこら辺は昔っから本番にはやけに強いので、自分でも慢心だけはさけて・・・なんて心持ち。
「三味の音に限らず、何事もそうなのねぇ」
と、しみじみ納得の含蓄のある言葉。
おっしょさんは、稽古を通して、日本の文化や美意識、人の世のあれやこれやを柔らかく判りやすく伝えてくださる。 ・・・いや、ご本人には、そんな気もないのかもしれない。 それがアタクシの実になっているかどうかは定かではないのだけど、自分の中にある文化や求美心を育んで表現して生活しようという気にはさせれられる。 世の流行りに惑わされて、上澄みの無味にならないように。 難しいけど面白そ。
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