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気まぐれ日記 DiaryINDEX|past|will
まだ特に決まったわけじゃありません。 シェナは頭を抱えていた。 「芸人はいつ来るんだ?」と支配人に聞かれても返事が出来ない。時間外の食堂には彼女と支配人、そして取って付けたような簡易ステージ。その上に札が立てられている。『準備中』と『芸人募集*芸問わず』という文字。 宿屋『ピジョネ』は全国に展開する宿屋である。その土地を生かした特徴を売りに出しており、宿泊料金は格安、サービスは充実、食事は『ピジョネ』美食家オーナーが自ら認めたコックを配置している。そのため、さまざまな冒険家、旅行者、道楽貴族すらも利用している。 ここエルゾナ支店は海の幸山の幸が豊富だが寒さが厳しく来る客の足も遠のいており、宿泊客数最下位の支店だった。そのためシェナはオーナーに掛け合い、宿泊客以外の客の食堂利用の許可を取り、地元民にもオーナーが認めるコックの料理を振る舞った。そのため、食堂を利用する客はやや増えたが、やはり宿泊客は増えない。シェナが頭をひねらせて思いついたのは、 「イベントよ、何かやるのよ」 食堂にステージを置き、そこで何か芸を披露する。話題になれば遠方からの客も来るのではないか、と考えステージ設置の許可を取ったが、肝心の芸人のことは全く考えてなかった。 そもそも客があまり来ないのに芸人など都合良く来るはずはない。
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