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気まぐれ日記 DiaryINDEX|past|will
まずは文章から。 魔力を立ち起こす。その魔力に願うように力を込める。それは単純な炎だったり複雑な移動だったりその時の魔法による。魔法をその場で作りだすのは人間の頃からやっていた。それが出来てそれが得意だったからだ。それを出来るのが人間外の者ものだけだとは知らずに。今はエルフですら困難と言われるものだというのに。 「さあ、これがアンタを魔族にする魔法だ。受け取りな」 両手に小さく丸く淡く光る魔法の塊をイリンダに向ける。 「きれい」 純粋にそう思いイリンダはそれを両手で受け取った。光が彼女の胸の中に吸い込まれて行く。 「ううっ、あああああっ!」 彼女が胸を押さえる。苦渋の表情でブロードを見る。 「魔族になるには魔族に見合う魔力が必要なんだ。知ってた?」 冷たく言い放つブロードに彼女は絶叫した。 「ま、しばらく苦しいけど楽になる頃に不老不死になっていたらいいね」 彼女はその言葉を聞けなかった。 アニムとブロードはまだもがき苦しんでいる彼女を一瞥して学校寮を去った。 「あれ、本当に不老不死の魔法か?」 しばらく歩いたところでアニムが尋ねた。アニムがブロードはちょっと笑ってから答える。 「ん? ああ、もちろんウソ。もう少ししたら気絶して目覚めた頃には不老不死のことなんて忘れてるさ」 「そうか。気づいていたか? ブロード。あの娘は病を抱えていたのだ」 「ふうん。知らない。だから不老不死になりたかったのか?」 「さあ。人間の考えている事なぞ知らん」 「お前はほとんど人間だろうが」 幼い頃に人間に育てられたアニムには人間の習慣が身に付いている。だから彼は受け流した。 「ところで、不老不死の魔法って本当のところどうなんだ? 作れるものなのか?」 「いいや。すげーめんどくせーからやめた」 「これからどうする? 俺は寒くなるから温かいところへ行こうと思っているが、しばらく起きているのだろ? 付き合うか?」 「ああ、俺、誰にも邪魔されないところで寝る」 「そうか、じゃあ、またな」 「ああ、生きてたらまた会おうな」 アニムは目的地へ向かった。ブロードは遠くに見える学校寮をしばらくぼんやり眺めてから、移動魔法を使った。
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