|
気まぐれ日記 DiaryINDEX|past|will
いや、もうすっかり苺の事しか考えてなかったよ。 再び棺の中だった。 イリンダが言っていたのは聞いた。だからそれがどんなことであるかを言わなければならないと冷静に思う。 「さあ、ここから出たかったら教えてくれ。どうすればあなたのようになれるのか?」 棺を見下ろすイリンダが言った。 「その前に、アニムは?」 「埋めた」 「......」 これが人にものを頼む態度だろうか? それほどの付き合いは無いとはいえ、長い付き合いのある者を埋めたなどと。それだけ彼女は本気なんだろう。 「じゃあ、言う。俺が魔族に成り下がったのは、俺が自ら仮死魔法を掛けたからだ。それが強力過ぎて解けなくなった。弟は俺を目覚めさせる為にいろいろ手を尽くしたらしい。結局妖精の力を借りて目を覚ましたうえに仮死魔法が変な作用を起こし、更には俺が魔力を吸う特殊な体質だったのと、複雑な条件が調った結果なんだ。俺には正直どうしてそうなったのかわからない」 「なら、同じ事をしてもらう」 「それは出来ない。誰があんたに妖精を入れる? あんたは魔力を吸う体質か? あんたにはあんたを起こすために手を尽くしてくれる兄弟や姉妹がいるのか?」 ブロードは息苦しく感じた。狭い棺の中にいるからだろうか? 「なあ、やめとけ。人間の感情から言わせてもらえば、不老不死なんていうものは絶対後悔する」 「それでも、わたしは不死を求める」 ガッと鋭い音がした。彼女が棺の蓋を殴った。割れはしなかったが力がこもっていた。 「さあ、やれ」 ブロードは諦めた。
|