|
気まぐれ日記 DiaryINDEX|past|will
やっと、明日休みだわ。 「で、ここは何時で何処で、私は誰なの?」 彼女は尋ねる。 『ここは約二十年前の日本、君は学生だ』 尋ねたことは直接彼女の頭の中に響いてくる。 「いつものことだけど、本当に曖昧なんだから」 彼女にしてみれば、ここが日本の何処なのか、自分は何歳なのかまで知りたい。しかし、相手はそこまで答えてくれない。 「それで、私は何をすればいいの?」 『今から五分後に会う少年にぶつかるんだ。そして適当に仲良くなってくれ』 「それって、よくあるアレ? 残念、トーストをくわえてくるべきだった?」 『トースト? 出せない事はないが』 「いらない。冗談よ」 彼女は腕時計を見る。革製のベルトで文字盤はアラビア数字。八時二十五分を指している。 『これから会う少年、ターゲットが自殺しないようにするんだ』 「わかったわ。彼の死がアレの引き金になっているのね」 『そうだ。健闘を祈る』 「了解」 もう一度腕時計を見る。八時二十六分。 未来から来た彼女の世界は崩壊し始めていた。そのために家族や友人を亡くしていた。それを思い出すとじわりと目が潤んだ。 「さてと、世界の崩壊でも止めてみるか」 パンパンと手を叩き、彼女は駆け出した。
|