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気まぐれ日記 DiaryINDEX|past|will
には、うぐいす入ってない。 ブロードは頑張ってなんとか半分を食べた。 「もう、ダメ。ごちそう様」 「そう、おそまつさま」 アプリは素っ気なく食器を片づけていった。 「じゃあ、しばらく食休みしていてね。これを片づけたら出発しましょ」 早く行きたくてならない子供だ、とブロードは理解した。アプリはまだ十六、七歳ほどの少女だった。それは、他の世界を知りたくてならない年頃でもある。 旅慣れてしまったブロードにはよく分からないが、確かに彼にもそんな頃があった。 「アプリ!」 「あ、おはよう。兄さま」 食堂に駆けつけて来たのはナイロだった。少し息を切らせている。 「よかった。まだ出立していなくて」 「だってブロード君ったら起きていなかったから」 「当たり前だよ。メリー母娘がまだ朝食作っている時間なら。ブロード君だって妖精が憑いているとはいえ、川から流されて目が覚めたのは昨日なんだよ」 「......ごめんなさい」 「サンディアはそれほど遠くないし、馬車で行くのだからもっとゆっくりでいいんだよ」 「うん」 「すまないね、ブロード君。その朝食も無理して食べたのかい?」 「いいえ、半分残した」 「それで構わないよ。後で僕たちも食べるから」
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