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気まぐれ日記 DiaryINDEX|past|will
この間、某女史が遊びに来てくださったとき、「アレ(掃除人の話)面白いよね」とか言われたんですが、自分には「どこが?」という思いで、読んでくださっているのに、ほんに申し訳ない気持ちでいっぱいになります。 「掃除人VSお掃除レディス その4」 結果は同じだった。 それは、道具も洗剤も同じ技術的にも大差がない。 「両者、一歩も譲りません。これは引き分けか!?」 しかし、綺麗に掃除したところへ、親子連れがトイレに入って来た。父親らしい男性は男の子を連れて、母親らしい女性は女の子を連れて。 「すみません、掃除中に。どうしても我慢できないって」 男性は言った。 「ええ、どうぞ」 と、高橋。 「ごめんなさいね、掃除したばっかりなのに」 「いいえ、気持ちよく使っていただくために掃除をするんですよ」 「この子、下手だから汚しちゃうかもしれないわ」 「また、お掃除すればいいことです」 と、青木は言った。 高橋はその一部始終を見て、女性アナウンサーに告げた。 「勝者! 青木掃除人!」 アナウンサーは青木の腕を高らかに上げる。青木は何がなんだかわからず呆然とする。 「あの、何故?」 「あなたは、お子さん連れの客が入っても嫌な顔せず対応した。その笑顔に僕は負けた」 「そんな、掃除に関しては大差はないはず」 「あなたの笑顔で十分差をつけられました。僕はあなたに忘れかけた初心を思い出されました」 「そ、そう」 こうして、第二ラウンドは終了した。 「まあ、どちらにしろ両者のアピールにはなった。良しとしよう」 社長、宮島は結果には満足しなかったものの、機嫌は良かった。 「しかし、お前がフェミニストだったとはな」 「別にフェミじゃないですよ。僕は僕の主義に正直なだけです」 「まあ、それはそれでいい。お陰で今日は新たに契約が取れた」 「そうですか。じゃあ、今日はこれで」 「待て。新たに契約したうちの二件、早速清掃の依頼が入っている」 「......分かりました」 それでも高橋は苦い顔を作らなかった。先ほど教わったばかりなのだ。どんな状況であれ、お客は神様であることを。
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