気まぐれ日記
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一日一話でやっていきます。 まあ、これは最初の方でやってたんですけど、またちょっとやりたくなったので、やります。(キャラ日記ね。あれは本当に日記形式?だったので)
彼は、朝が苦手だった。 もさあ、とした顔でベッドから起き上がった。豹のような魔獣はいつものように呆れたような顔で彼を待っていた。つい先ほどまでは起こしていた、のだが。 「おはようございます。魔王」 「おはよう……」 目覚めきっていない彼は、あさっての方向に挨拶した。 「あなたが眠って三日。世の中は動いてません。珍しいこともあるものですね」 「ふうん……」 きっと彼はどうして自分が起きたのか、寝ぼけていて思い出せないのだろうと、魔獣は思った。 「わたしはそろそろ、こどもたちに乳を与えなければなりません。ちょっと失礼します」 「そう……」 魔獣は器用にドアを開けて寝室から出て行った。 魔王はしばらく、ぼうっとしていた。しかし、魔獣は帰ってこない。仕方がなく、立ち上がり、顔を洗って着替えて身だしなみを整えた。
しばらくして、魔獣は戻ってきた。 「おかえり」 「お目覚めになられたんですね」 「うん。そこに朝ごはん置いてるから」 魔獣のいつも使っている皿に、米を炊いたものがよそわれていて上に削り節がたっぷりのっている。なぜか魔獣の大好物なのだが、この世界では削り節は手に入らないので彼がどこからか調達している。 「なんですか、このゴージャスなごはんは?」 「ティトの好きなものでしょ」 「そうですが……。何かたくらんでませんか?」 「いいえ、別に」 魔王はとぼけて、庭に出た。庭では魔獣の子供たちがじゃれ合って遊んでいる。花壇には赤い花が咲いていた。彼はそれを二、三本切ると、魔獣のもとに戻った。 「なんですか、その花?」 「カーネーションっていう花です。この世界では知りませんけど、母親に感謝する日があって、この花を贈るという風習が、とある世界の人間にあるそうです」 「わたしはあなたの母親ではありません」 「そんなの当たり前です。でも、いつも母親みたいなことをしてくれますからね」 「そんなものいりませんから……」 魔獣は、皿を彼に差し出した。 「おかわり、お願いします」
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