気まぐれ日記
DiaryINDEX|past|will
やっと届くよう……。(CDと本)良かった良かった。
「雪女ってなんだ」 「ああ、旅人さんにはしらねえか。雪女は雪のように冷たい女の妖怪だ」 「妖怪?」 あまり聞かない言葉だった。ブロードは知識からその言葉を引き出そうとする。妖精の一種なのだが、詳しいことは忘れた。 「で、その雪女、どうやって人間を食うんだ?」 「ワルトを見てくるといい」 二人の村人に案内され、ブロードは役場の前の広場に固まっている野次馬をかき分けて前に出た。 そこには、全身真っ白な霜が降りた男が転がっていた。せめてもの救いなのは男の表情は穏やかだった。 「ひでえなあ」 「ブロード。来たの?」 フェザが近寄ってきた。その目は真っ赤だった。 「ブロード、早くこの村から出て行ったほうがいいよ。あなたもこうならないように……」 「そうだな」 しかしここには、例の魔力がたくさん漂っている。すでに彼の体はそれを取り込んでいる。 「先に帰っていて。私はワルトの葬儀の時間聞かなきゃいけないし、村の人と相談もあるから」 「ああ」 村長と村人の家庭から一人づつが村長の家に集まった。 「フェザ、悪いことはいわねえ。今日来たあの若者を差し出すんだ」 「そうだよ、生贄としてね」 「これ以上、若いモンを無差別にやられちゃ困る」 「でも、明日にも帰ると思うよ。だって、こんな危険な村にとどまることなんてないわよ」 「それを、なんとか引きとめろ。いいね、フェザ」
ブロードがフェザの家に戻るとアコラが店番をしていた。 「偉いな、姉ちゃんがいない時はちゃんと店番するんだな」 「ふん、早く出て行かないと雪女に食われるよ」 アコラはぷいっと二階に上がっていく。ブロードは苦笑した。仕方ないので自分が店番をやる。誰も客は来なかった。いや、一人、中年の女が小麦粉を買って行った。衣類の他にもいろいろ売っているらしい。 ブロードはメモ用紙に、『小麦粉一袋、銅貨二枚』と書いた。 「ただいま。ブロード、店番やっていてくれたの?」 「ああ、お帰り、フェザ」 「ありがと。お客さんなのに」 「いや、俺もとめてもらうんだし」 「そう。それもそうね。食事作るわ」 店じまいをして、フェザは彼を二階へ案内した。
|