井ノ本的
 written by 井ノ本R
 
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2005年03月06日(日) 変わるということ

超しょんぼりな井ノ本がやってきました。
こんにちは。

ひさしぶりにライブを見にいってきました。
好きで好きでものすごく好きなバンド。
ギターとベースとドラムのスリーピース。
自分で楽器を弾くわけではないのであまり詳しくはありませんがすごい音のバンドでした。
超きもちいい。
轟音なのにきもちいい。
気持ちよすぎて眠くなるくらいきもちいい。
こんな音はこのひとたちにしか出せないだろうなあと思う音でした。
ライブハウスにも通いつめてました。
ました。
そう過去形なんです。

全然違う音になっていました。

きもちのよい轟音が新しいギターの音によってなんかこう違ってしまっているのです。
新しいギターというのは新品というのではなく新規加入した女性ギタリストのことなのですが。
きゅいんきゅいんした鋭角な音なので轟音がかきけされてしまうー
違う音になってしまうー
違うバンドになっているー

しばらく見ぬ間にバンドには新しい女性メンバーが加入し
その女性とバンドリーダーが結婚し子供が生まれ
とまあいろいろなことが起こっていたようです
だからなのかなんなのかわかりませんが明らかに音は変わったわけです
同じ曲でも違う音
ぜんぶ歌えるくらい何度も聞いた曲も違う音
新しい曲はいままでと違う曲
いままでの殺伐さとかと無縁なフォークジャンボリーみたいななんだかしらんが妙に気恥ずかしくなるような前向き風味な曲

なんだかものすごくものすごい寂寞感つうか。

同じままということはなにについても誰についてもいえないと思います。
わたしも変わるしひとも変わるし世の中も変わる。
でもなんていうのかなあ、
根幹みたいなとこまで変わってしまっているのを見るのはなんだかつらいなあ、と。
観客の勝手な注文なんですが、
バンドはやっぱヘンにアットホームっていうか生活を匂わせちゃだめだと思う。
生活観を匂わせて許されるのは原由子だけだと思う。
ていうか原由子だってそんなんじゃないよなああのひとはあのひとで確固として原由子だもんな
なんていうのかなあ
わたしの大好きななにより好きだったあの音はもうわたしの頭の中でしか鳴らないんだな
っていうのがなんとなくさみしかったのです
もう現在形じゃないんだなあと
頭の中で反芻してるうちにきっとそれもまた違う音になっていってしまうんだろうなあと

わたしがライブ好きでライブ盤が好きなのはきっとそういう理由だからなんだと思います
そのときその場所そこにしかないんですよねすべて
そのつど変わっていくっていうか

そう思うと「モノより思い出」ってコピーはすごいですね
今日もオチがないのでとってつけたようにして終わってみる井ノ本R気難しいお年頃の春

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