2004年02月07日(土) 「アイシールド21」はこれ以上プッシュしてもたぶん売れない
だって肝心の内容が今アレなんだもの。井ノ本です。
ジャンプの中吊りを見てるとよく「アイシールド21」が出ています。 アニメ化もゲーム化もされてないし単行本売り上げもそんなによいわけではないのにプッシュされています。 ジャンプ編集部はアンケート至上主義といいつつ見どころありそげな漫画はしばらくプッシュしたりすることがあります。 「アイシールド21」もそのひとつなのだと思います。
しかしプッシュすればいいというものではなく。 実際問題「アイシールド21」自体の知名度はいっこうにあがりません。 なんでかはわかります。 これストーリーがヤバいんですよね。 ヤバいっていうか、はっきりいうとつまんないの。 最初はおもしろかったんですよ。単行本でいうと3巻目くらいまでかな? それまでは少年漫画のセオリー通りにはじめは弱かった主人公があるきっかけによって変わっていく話です。 アメフト漫画です、ちなみに。 ちびでいじめられっこのセナ君(主人公)が高校に入り、パシリで鍛えた俊足をひょんなことからアメフト部のヒル魔先輩に見込まれて入部。 しかしセナ君には幼馴染のまもり姉ちゃんというひとが同じ高校に通っていて、過保護なまもり姉ちゃんの手前もあって試合に出るときはこそっと席をはずし、 「アイシールド21」を名乗って登場する、という話です。 このアメフト部は部員が最初ヒル魔と栗田(少年漫画にありがちな気のいいキレンジャー系)しかいなかったのが、 アイシールドの活躍とヒル魔のプロデュースにより徐々に仲間を増やし試合をし・・・という展開。 こういう漫画のキモはこの「徐々に仲間を増やし試合をし…」という部分だと思います。 オーソドックスな話だからこそここをしっかり作ったほうがいいと思う。 キャラクターの設定というのはストーリーが転がる中で固まってくるものだし。 たとえば、強いというキャラ設定なのにどう強いのか、とかどこがどう強いのか、というエピソードや場面がなきゃ説得力がないですよね。 ましてや最初弱かったチームが選手がどう成長していくかという話なのですから。 「スラムダンク」で花道がシュート2万本を地道に練習するくだりなんかはいい例だと思います。 「アイシールド」がいかんのはこういうシーンがほとんどないままにスペックだけあがっていってしまうところ。 なんかね、簡単に勝っちゃうの。 簡単に勝ってもいいんだけど、説得力がないの。 とってつけたようなエピソードがあって終わり。 それで強くなっていると言われてもナー。と。 エピソードの積み重ねがないからキャラもたたない。 設定資料集を棒読みしてるみたいな感じ。 コミックスに設定資料がこまごま描かれているのをみるとたぶん原作者は設定作るの好きなんだろうなあとは思いますが、 設定しかないんじゃあねえ。 肝心のストーリーをつくらないと。 シャアだって設定しかなかったらただのヘンなマスクのひとでしかないしね…
あとなんだかなーと思うのが作者本人がキャラもえっていうんですか?ヘンな思い入れがあるみたいで。 まもり姉ちゃんがだんだんおかしくなってきている。 無駄に水着になったりヒル魔といちゃついたり。 いいんですけど自分でつくったキャラにときめかれてもなあ… しかもときめけるようなポイントがないんだもんなあ… 勝手に矢印つけて「ここがチャームポイント☆」って自己申告されてるような気分。 知らねっつの。
とまあ、最初の試合が終わったあとどんどんつまらなくなっていく「アイシールド」にあきらめ気分だったんですが、 こないだひさびさにジャンプを読んだらなんかすごいことになってて驚きですよ。 いきなりアメリカのチームと対戦してた。 でもって善戦してた。 おまけになぜかアメリカに渡ってた。 トトトトンデモ漫画っすか!? なんだよそっちかよ! もう却って腰が砕けます。 ストーリーうまくつなげないんだったら編集とかブレーンとかに協力してもらえよな… 最初がおもしろかった分落胆もでかいです。 テニスの王子様とかは最初から笑って読めますがね!
ジャンプ編集部が新しいヒット作を作りたいってのはわかるんですけどこの状態で無理やり売られてもなあ。 売れないっしょ。 実際そんな売れてないし。 だったら新しい連載を始めるかすればいいのに。 しかし現在のジャンプはネオ暗黒期で始まる漫画始まる漫画ぶった斬りの打ち切り。 どれもこれもつまらない。 だから今ある漫画を売ろうということなんでしょうけど、 だったらもっとちゃんとてこ入れしろよな!と思います。 できてないのを無理くり売られても不愉快なだけだっつの。
井ノ本は正直今のジャンプ編集長はちょっとあれなんじゃないかと思っています。 |
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