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2006年03月05日(日) 「稜線の彼方へ」。

金曜、タテタカコさんのライブを観るため弘前に行った。
帰りの電車の時間の都合で(何しろ終電が22時前)、途中までしかいられなかったが、しかも先週からひいている風邪がぶり返し気味だったが、でも行ってよかった。

ピアノひとつというシンプルなステージ。
そこに小柄なひとがちょこんとすわり。
緊張なのか、儀式なのか、手を何回か握ったり広げたり動かして、静かにビアノを弾き、うたう。
すごい声だった。
そしてそれが放つ、憎しみのような祈りのような言葉。
何度も背筋がゾクッとした。
会場全体が、ただ静かに、その小さな体から放たれる祈りをみつめているようだった。

何曲目かに演奏された、映画「誰も知らない」に使われていた「宝石」。
それしか聴いたことがなかった私は、唯一知っている曲が目の前で演奏されているのを聴いて、
ああ、この曲だってこんなにいびつな世界観だったんじゃないか。
なぜ映画で聴いた時にこのひとの曲をもっと聴こうとしなかったんだろう。
と少し悔やんだ。

今回のライブはワンマンではなくイベントだったため、気付くと開演から3時間ほど経っていて。もうすぐ時間切れ。電車の時間が迫り来る。
もっと聴いていたかったが、慌てて会場を後にした。

次の日。やはりもっと聴きたく。近所の店でCDを買った。
しかし、生の声とは全然違い。
一曲目の「えのぐ」はライブでも最初の曲で、生の音が飛んできた時はとても衝撃だったんだけど、CDは、綺麗にまとまって聴きやすいが、あの迫力が、重さがないように感じた。
もちろん、ライブとCDのベストな作り方は違うんだろうし、そしてそれに対する考え方というのは作る人によって違うだろうから、どういうCDがいいなんて、簡単にはいえないんだろうけど。

ただ、また機会があるならばライブを観たいと思った。
その時こそはぜひ最後まで聴きたいと。

本当にすごくて。観たことのないひとにも勧めたいと思った。
ライブが近くであったなら一度観てみて、と。
きっとこころのどこかが動く、と。


そしてその後。
私の風邪はやはり悪化し、声が出にくくなってしまった。
何日か前に書いた調子が悪いというのも、この風邪のせいだったのかもしれない。
でも、会場にいる時は全く平気だったんだよなあ。
早く治したいものなんだけど。
でも観れてよかった。
素敵な世界をまたひとつ知れたなあ、と。
そう思いつつ、半日寝込んで、声は少しよくなったけれど。
体力は落ちているようだ。悲しいが、これは事実だ。そして、こんなに何回も体調を崩すということは、気合いでどうにかなる問題でもない気がする。
自分なりの毎日のうまい過ごし方を考えなければいけないのかもしれない。


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