白月亭通信別記
老い先短い残照の日々、
おりふしの所懐を、
とりとめもなく書き留めて…

2002年02月06日(水) 養生訓

 年老いては、わが心の楽の外、万端、心にさしはさむべからず。時にしたがひ、自楽しむべし。自楽しむは、世俗の楽しみに非ず。只、心にもとよりある楽を楽しみ、胸中に一物,一事のわづらひなく楽しむべし。(「養生訓」)

 しかし、益軒の隠居は世俗的な隠居ではなく、益軒の楽しみは世間並みの楽しみではなかった。御城勤めの奉公からようやく解放された益軒は、およそ四十年にわたる学問研究の蓄積を,寸暇を惜しんで整理し、あふれるように書き顕していった。(角川文庫「日本史探訪」16巻)

 ああそれなのに、私は老後を無為に過ごしている。(愚生所感)


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