| 2001年09月14日(金) |
「八州狩り」「夜はわが友」「林竹二 天の仕事」など拾い読み。 |
「八州狩り」「夜はわが友」「林竹二 天の仕事」など拾い読み。 佐伯泰英の別のシリーズを発見。夏目影二郎赦免旅「八州狩り」(日文文庫)である。主人公の無宿人影二郎は遠島刑を言い渡されるが、その時勘定奉行に地位に就いたばかりの実父が現れ、腐敗した八州廻りたちの処分を依頼する。これは警視総監が極道の息子に地位を悪用する警官の始末を依頼するようなものか。20ページまで読み、納得。なんとこの本も書き下ろしである。恐るべし。こういう物凄さでもかつての笹沢佐保にはかなわないのだろうか。 創元推理文庫はカバーのセンスというか色合いが魅力的で中身に関係なく手に入れたくなる。そこで、エドワード・D・ホックの短編集「夜はわが友」も購入。全21編のお買い得短編集の装いである。とりあえず、冒頭の「黄昏の雷鳴」を読む。平和で穏やかな生活や大切な家族を守るために人は脅かす者に対して殺意を抱くこともあり、それを実行に移そうとすることもあるが、実行できる者ばかりでなく実行できない者もいる。小説では実行できる者を描くことが多い。また、脅かす当人の事情も少しは考えてみてもいいように思う。うろたえあわてる主人公はホックの人物の一人にちがいない雰囲気を持ち、あるべき行動をとることはとる。 そして「天の仕事」である。放り投げないで少しずつ読んでいるが、後半はいろいろなところに発表したものを集めた文集でやはり具体的なエピソードを語っているのでわかりやすく読みやすいので、その点はいいが全体的には統一性に欠ける。 逆につまらない気がして飛ばした「その学問、その思想ー核としてのキリスト教を中心に」が気になってくるのが不思議。読みようによっては面白く読めるかもしれない。気長に読んでいこうと思う。 昨日購入した本。 「永遠に去りぬ」ロバート・ゴダード(創元推理文庫)「アーバン・ヘラクレス」久保田弥代(ソノラマ文庫)「歴史の零れもの」司馬遼太郎他(文春文庫)
| 2001年09月12日(水) |
それでも「林竹二 天の仕事」(日向康)を読む。 |
それでも「林竹二 天の仕事」(日向康)を読む。 「その学問、その思想ー核としてのキリスト教を中心に」の章は178ページまで続く。どうも回り道ばかりで核心に触れていない(いや、実はこの部分が核心なのかもしれないが)気がして、この賞はリタイアすることにした。次の章「教育観の根底にあったもの」へスキップした。まず「その哲学的凝縮ー”授業”を続けるなかで」(180ページから)を挑戦する気分で読み始める。話題が林竹二が行った授業のことなので具体的にわかり面白い。そのことを書いている筆者が当時あまり面白いとは思っていなかったのがさらに面白かった。 次に『教育・訓練・調教ー「その哲学的凝縮」補言』がもっと面白い。それは斉藤喜博との違いを示し、同時に林竹二の教育に対する考え方がはっきりしてゆく過程がうまく語られるからである。 「授業が子どもの中に何事もつくり出すことがないならば、どんなにうまい授業であっても、それは無意味だといふうに思います。」 「授業以前の問題、生命への畏敬の欠けたところに教育はない」 既にその分野では有名な言葉なのだろうが、やはり印象的なので引いてみた。 その立場からの「授業研究」としての「授業」がついには自身の思想・生き方そのものと結びついたところにこの林竹二の凄さがあることがわかった。 この部分がもしかしたらこの本のへそでないだろうか。核心はここに、と思った。まだ半分くらい残っているが、あとはこの部分の再生産・繰り返しかもしれない。となると、やはり面白いとは感じなかった前の部分が、今度は気になってくるから不思議だ。 何を言ってるのやら。
「駅 JR全線全駅 (下)」(文春文庫)をちらっと見てびっくり。日本の各駅紹介が手短に書かれているのだが、その駅が登場する文学作品のその部分の引用があることに気づいて俄然興味を持った。西村京太郎が多そうな気もするが。この巻のトップは城山三郎で、次に志賀直哉、北杜夫と続いている。ちらちらと気長に読んでみよう。
| 2001年09月11日(火) |
まだ「林竹二 天の仕事」を読んでいる。 |
まだ「林竹二 天の仕事」を読んでいる。 最初の章「ソクラテス的生の選択ー林竹二先生素描」(67ページまで)を読み、次の章「その学問、その思想ー核としてのキリスト教を中心に」に進んで82ページまで来たが、頭の中は霞に覆われているようでなんともはっきりしない。 地味な本で面白みに乏しいのは予想していたが今のところ林竹二さんの生き方や魅力が伝わって来ない。 こちらの実力不足も相当ありそうだが。
知り合いが伊藤整賞を受賞した増田みず子の作品が面白い、良いと教えてくれた。
今日もまた読めず。考えることも少なく日記も書けなくなってきた。
| 2001年09月10日(月) |
なぜか「林竹二 天の仕事」とちくま文庫の幸田文の巻を読み始める。 |
なぜか「林竹二 天の仕事」とちくま文庫の幸田文の巻を読み始める。 「林竹二 天の仕事」は社会思想社の現代教養文庫版。筆者は、日向康。 ほんとうに気まぐれ読書でこの本を読もうなんて全く思っていなかったのに、はじめの方を読んで興味を持ち始めている。どこに?と聞かれても満足に答えられない。あえて言うと、林竹二氏に対する筆者の熱意の強さに引かれたというところである。 もっともまだ17ページしか読んでいない。 もう一つは文庫版のちくま日本文学全集51巻「幸田文」で、こちらも最初の「勲章」に目を通しただけ。おだやかで厳かな雰囲気の随筆を予想していたが、だいぶ違っていた。歯ごたえのある強い文章というべきか。 今日は読めない一日だった。
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