読書日記

2001年09月05日(水) 後悔先に立たず。「古着屋総兵衛影始末」の3・4一気読みしてしまう。

後悔先に立たず。「古着屋総兵衛影始末」の3・4一気読みしてしまう。
 9月4日と今日の分。
結局「古着屋総兵衛影始末3 抹殺!」(徳間書店文庫2001.4)と「古着屋総兵衛影始末4 停止!」(徳間書店文庫2001.7)を続けて読んでしまった。よく考えると続編が出るのはおそらく12月。あと4カ月も総兵衛たちの物語を読めない。もっとゆっくりと読み進むのが最適だった。なんとなく4で完結と思っていたのが大きな間違い。
 こんなに面白いとは、こんなに夢中になるとは思わなかった。
 これで、火坂雅志の四冊まで順調に出て作者本人があとがきでしっかり予告までして結局出なかったあの伝奇小説「異神伝」と同じような目にあったら、というようなことまで考えるほどはまってしまった。
 4作目は初代団十郎の死ではじまるが、この題材は10年以上前に南原幹雄が「初代団十郎暗殺事件」という短編を書いている。この解釈は新しいものなのだろうか定説なのだろうか。もちろん南原幹雄とは全然ちがう。
 久しぶりに、といっても時代小説自体最近では宮部みゆきの「ぼんくら」以来だが、読みごたえのある時代小説を読んだと実感した。

 三雲岳斗「レベリオン(放課後の殺戮者)」と上遠野浩平「紫骸城事件」をちょっと読んでみた。どちらも魅力的な始まり方をしているが、軽い印象を受けた。登場人物たちは真剣だが、軽い読み物漫画を読んでいるようで、重厚な描写がないのが共通している。
 とはいっても、両方とも読み切るつもりである。やはり結末が気になる。



2001年09月03日(月) 新潮社の「波」9月号届く。拾い読みした。

新潮社の「波」9月号届く。拾い読みした。
 今日は何も読めず。「古着屋総兵衛影始末3 抹殺!」を購入したが、まだ読めない。どんなに面白い本も心理的な手続きもしくはタイミングの取り方が重要だ。読みたくて買った本なのに1ページを開いても読もうとしない自分がいるのだ。この変な癖のせいで積ん読本がいかに増えることか。時期を失って出たての魅力が褪せた本が周囲にいっぱいある。
 今日は「波」9月号が届いた。今日は拾い読みがちょうどいい気分の日だ。一押しは、瀬古利彦の「内面のドラマ」ー黒井克行『駆け引きー高橋尚子とリディア・シモン』この本の紹介であり推薦だが、読んでみたくなった。他には取り立ててこれというものはなかった。
 他に、今評判のデイヴィッド・ピースの「1974ジョーカー」(早川書房文庫)を購う。もちろんまだ読んでいない。




2001年09月02日(日) 「古着屋総兵衛影始末2 異心!」読了。 

「古着屋総兵衛影始末2 異心!」読了。 一作目と同様、最後の最後に決着をつける死闘が展開。終わるまで油断できない構成。(昼間の今はここまで)

改めて(夜のいま)書きつける。
 佐伯泰英「古着屋総兵衛影始末2 異心!」(徳間書店文庫2000.12)をやっと読み終える。
 元禄14年の赤穂浪士の討ち入りを物語の肝に据えて大黒屋総兵衛と柳沢吉保の対決第2章を迫力満点に描ききった。集団同士の戦闘、1対1の決闘など飽きることがない。
 風格があるので鬼平や雲霧のイメージをだぶらせて読んでいるが、総兵衛は三十歳前後の若さである。鬼平以上の立ち回りを期待しても裏切られないだろう。
 次のシリーズ3作目はまだ買っていない。最初の直感通り、ある分全部買っておけば、と後悔。
 
 仕方がないので、同じ著者の現代劇(?)「ゲルニカに死す」(角川春樹事務所文庫)をちょっと読んでみた。
 1937年4月のスペイン・ゲルニカ駅に最終列車が到着した場面からはじまる。画家らしき若者菊池信介が主人公のようだ。尼僧のミレイアとの出会いが描かれる。が、16ページまで読んで中断。
 1冊に集中できず、次に関川夏央の「戦中派天才老人山田風太郎」(筑摩書房文庫)に手をだす。親本は1995年のマガジンハウスの単行本。その時に目を通しているが、ほとんど内容の記憶はない。18ページまで。
  



2001年09月01日(土) まだ「古着屋総兵衛影始末 異心!」、FM Air−Gに目黒考二が登場。

まだ「古着屋総兵衛影始末 異心!」、FM Air−Gに目黒考二が登場。
 佐伯泰英の「古着屋総兵衛影始末 異心!」は224ページまで進むのが精一杯。野暮用が多過ぎる。
 「鬼平」と似ているところを一つ考えついた。人と人との固い絆が総兵衛一族にもあり、それを省略せずきちっと描いているのだ。例えば、大黒屋の小僧駒吉の元服場面を丁寧にかつその場の雰囲気が伝わるようにしっかり描いている。いわばファミリーの中の結びつきをどう感動的に扱えるかが「鬼平」的かどうかの分かれ目なのである。と、書いてきて、独創的な考えではないなとは思う。
 それにしても「古着屋総兵衛影始末 異心!」は面白い。面白過ぎて時々気分が虚構を受け付けなくなるという症状が現れるほどだ。ぴたっとはまる気分の時に読まないと意味がないのが娯楽小説の一つの特徴である。

 車の運転中にラジオを聞いていたら本が話題である。聞き耳をたててみた。「トラベリングブックス」「旅する本屋」その次のゲストは目黒考二・・・。その次が徳間書店の・・・・。目黒考二氏は新古書店や図書館と出版の現状について述べていた。やはり出版社は目先の利益しか求めていないのか、なるほどと聞いていて思った。
 声がはきはきしていて聞き取りやすかったので、あれっと思った。もう少しゆっくりしゃべる人ではなかったかと意外の感。


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