カウントシープ
index|past|will
『増殖する悪意』という言葉を、[多重人格探偵サイコ]の帯で見た。
多くの人間には、共感するという能力がある。(多くの、と限定するのは、先天的に共感する力に欠けていたり不足している人達も存在しているから)楽しいことや悲しいこと、わくわくすることや不安に思うこと、幾つもの感情が、言葉やジェスチャーというコミュニケーションを介して伝わり共有されていく。
映画のように人間が創り出したものには、ある程度共感に偏りがあるだろうが、一定の感情的高まりを提供するだろう。 コンサート会場に集まったファン達の胸にこみ上げる高揚感は、会場全体に地響きを起こすほどだ。
津波や地震で何もかも崩れ去った光景は、より普遍的な恐怖や悲しみを胸に呼んでくるし、生まれたての赤ん坊(それは人間に限らない)に対する保護欲なども、生き物の心に備わっている普遍的無意識的な感情だろう。
怒りもまた、共感され伝わっていくことがある。凄惨な事件を前に、不誠実な発言を前に。目の前の、あるいは目の前にいない存在に対して怒りを抱くことがある。
悪意はどうだろうか?悪意に近い感情が胸の奥に湧き出てきたとしても、それはおいそれと晒されていようなものではなく、己の中心にすえておくには少し耐え難い、保ち続けるには苦しい感情に思う。
胸の奥に秘められた悪意は底辺で漂い、意識下に潜んでいる。それが、あるきっかけによって複数から浮上してくるとしたら?何が先導するのかはちょっと今想像つかないけれど、対象を見失った悪意が周囲と共有されることがあったとしたら。対象なき悪意の集団が、互いにそれを向け合い傷つけあうような光景が起こるのだろうか。 それを止めるものが存在しないくらい、集団を先導する悪意なるものが存在するとしたら、それは個々の中に内包されていたものに他ならず、それはすでにボク等の意識下に潜んでいるのだ。
salvage:�ヽて餤濬���沈没船などの引上げ作業
魂と呼べる代物が存在するとして、それが肉体から放たれた時、一体何処に往くのかは、今魂を繋いでいるものには確かめる術がない。 臨死体験においては、溢れる光をみたり、川の流れのようなイメージを見てくることがあるそうだが、話し手は帰還者なので、向こう側に往ってしまった者の体験談は聴くことが出来ない。
魂が向かう場所として最も普遍的なイメージは、やはり天上であろうか。太陽に近い場所、闇のない場所、大地の制約を受けない場所として、空高いところに魂は昇るとイメージされている。
そして、魂が沈んでいる場所としてイメージされるもうひとつの場所に、水の底あるいは水に漂うもの、がある。其処は冷たく暗い。ボクの中ではツインピークスのビニール死体のイメージが強烈な為か、それは保存され生前の姿を保ち続けている。(実際の水死体とはかけ離れているのに、水死体に対する特別なイメージが確かに存在しているように思う)
それは、いまだ天上に向かうことの出来ない、未処理の存在であり、いつか救出されることを待っている、あるいは其処から出て行くことを前提とする状態なのだと思う。
もうひとつ、水に浮かび出て行く存在としては胎児を連想する。羊水の中のみ、人間は肺から呼吸をしなくても液体の中に浸されて存在できる。胎児はやがて誕生するが、それは水から引き上げる作業とは少しニュアンスが違うか。
もともと3つのサイトを運営していたけれど、突然のHDクラッシュによって儚くも散った。1ヶ月かけてイラストサイトだけ復活したけれど、今もてるエネルギーでは残り2つまでは手が伸びそうにない。 ので、思い切って他のサイトを閉鎖することにした。 このエンピツ日記もイラストサイトにサルベージするので、過去のログは全部消去。 今まで3年近く日記を書いてきたのだけれど、それまでずっと日記を書く習慣なんてなかったから何だか新鮮だった。読み返すと恥ずかしいけれど、結構真面目に考えてたんだ俺!みたいな。
過去の記憶って、みんな雑多にメモリーに放り込まれていて、時系列に並んでいるわけでもなく、表題がついているわけでもなく、それは記憶の断片の無秩序集合体でしかない。ふとした瞬間に蘇ってくるけれど、自分から拾い集めることが出来るとも限らない。手の届きそうで届かないような、見えそうで見えないようなモドカしい代物なのだ。
思い出せない夢にも似ているけれど、夢は時間の経過とともに完全にロストしていくのに対して、経験したことはいつかまた鮮明に蘇ってくるような印象がある。時間を失っていく悲しみを少しでも埋め合わせたくて、こうしてまたデータを残すのだ。
ロビン
|