今日はアパラチアン州立大学の先生がやってきて、 biopsy(バイオプシー、生検)のやり方を教えてくれま した。うちの先生の一人が筋ジストロフィーの研究をし ていて、彼もそれをやって実際の人間の筋肉のサンプルを 採りたかったから。普段動物を対象にした実験しかしたこと のない自分にとって、人間から筋肉のサンプルをとるという のはある意味刺激的で、勿論見学に行きました。
被験者には仰向けに寝てもらい、患部の毛をそった後、 アルコールで消毒。Vastus lateralisという脚の筋肉 の位置を確認後、まずは皮下に麻酔。ツベルクリンの 注射みたいに針を入れた後、皮を上に少し引っ張る感 じで針を上向きにし、麻酔を注入します。麻酔が入った 所は小さな水ぶくれみたいになります。これで皮膚の 感覚がなくなったのを確認した後、今度は深部へ注射 を打ちます。さっきは斜めに注射器を入れたけど、今度 は直角に近い角度で注射器をいれ(しかも針全部)、 奥から少しずつ手前に向かって麻酔を入れます。聞いて いると痛そうだけど痛みはなく、被験者は話せるし、 笑ってその様子を見ている人もいます。そうそうこの時 にベータダインで患部となる部分を何度も消毒します。
これが終わると今度はメスでサンプルを取る所を切り ます。だいたい2〜3センチぐらいですかね、傷は。こ の時血がそれなりに出るのでガーゼでその度に圧迫し ます。で最後に生検針を入れて筋肉のサンプルを取り ます。見た目結構深く入れますが(3〜4センチぐらい?) 患者は何かが当たっている、といった感覚ぐらいで 全く痛みはありません。でその採ったサンプルをアルミ ホイルに包んで液体窒素に入れて冷凍し保存するわけです。 患部はSteri-stripという、アスレティックトレーナー にはおなじみのバンドエイドみたいので閉じておしまい。 長く書いたけど、実際は15分から20分ぐらいの行程です。
結局4,5人のサンプルを採ったかな、今日は。自分の上司 もとってもらって、何故か明日ぼくが彼の筋肉を薄く切っ て染色して、彼の筋肉の状態の一部を報告します。
脂肪ばっかりだったして。
春学期が終わった、と書いたけど、自分の中では実は まだ終わってません。というのはまだ来週火曜日提出 のテイクホームの試験が残ってるからです。従って 残念ながら今も家に帰ってはその課題に取り組む毎日 です。今晩も例に漏れず。
今回の課題はウイルスです。「ウイルス」と普通に グーグルすると、最近はコンピュータウイルスが最初 に出てきてしまうんだけど、自分がやっているのはも ちろん人間や動物、植物に巣をくうウイルスのことで す。
皆さんも恐らくご存知の通り、ウイルスは自分でたん ぱく質を作る構造を持ってません。寄生してそのホス トにDNAやらRNAを注入してたんぱく質を作らせて、さ んざん働かせたあげく、そのホストを破壊しては他に 乗り移っていく悪い奴です。こういう人、社会でもい ますけど。
それでもその機能を吟味すると、よく出来てるなぁと 感心してしまいます。ウイルスや癌細胞が免疫機構を 欺いて生き残る様はまさに「生きる=生物」というこ とを実感させてくれます。
自分も小さな失敗でくよくよしてる場合じゃない、と ウイルスに励ましてもらっている感じがしてきて、妙 な気分になります。でもがんばろ。
よろしければクリックして投票下さい↓
 |