★神永学。『心霊探偵八雲シリーズ』

ネタバレには気をつけていますが、読んでいない人は注意。


神永学さんの心霊探偵八雲シリーズ。

いやあ、久しぶりに

「続きをすぐ全部読みたい!」

という本に出会ったぞ、ふふふ。



本の存在は知っていたのだが、手つかず。
図書館で上記の第一巻を手にして、一気にはまる。
私より先に読んだ中学生が、

「今度、続き買ってきて!」

と言っていたしなあ……とか何とか理由を付けて、我慢できず次の日即本屋に行って、6巻まで一気に買ってしまった(汗)。
こーゆー「大人買い」は、コミックしかしていなかったのだけれど……。
いやあ、やられた。

怖いの苦手なので、トラブルメーカーである「晴香になりたい」とまでは思わないけれど、とにかく、

「八雲くんに萌えーーーーー!」(爆)

八雲の背負ったものはあまりにも重たいのだけれど、シリーズの中で、登場人物たちのキャラクターがどんどん立って、変化していくのを最後まで見届けたい。

八雲の皮肉、冴えすぎ(爆)
でも、晴香とのビミョーな距離感がたまんない、というか。
6月1日には、外伝をまとめたのが出るので、ゲット予定。

ちなみに、ドラマやっていたらしいけど……もっと早く気づいていればよかった!
某別冊花とゆめでは連載もしているらしい。
どちらかというと、ドラマは怖いからコミックのほうがいいかな;^^

2007年05月21日(月)
★松尾由美。『雨恋』

ネタバレには気をつけていますが、読んでいない人は注意。


松尾由美さんの『雨恋』を読む。

お友達のサイトで見てから、気になる本だった。
うん、タイトルがいいね。

そのタイトルには意味があった。
図書館で借りたので、某amazonの画像を見て、なるほどと思う。
そう、図書館本は「帯」がついていないからね。
本屋で本を探すとき、帯の役割は大きい。
それが当たっていたら「うんうん!」と思うけれど、自分の感性と違うこともままある。
今回は……前者に近い、と思う。

ただ、「ラスト2ページの感動」。
確かに感動なんだけれども、私にとっては爽やかさやあたたかさよりも、
もっともっと切なさのほうが募った。
そう、切なすぎて苦しい。
「スパイク」で感じたのと同じ。
まさに、ありえない恋なのだ……。

どちらかと言ったら、千波さんよりも渉くんのほうに感情移入しちゃったかなあ。
ちょっと、生々しい?ところもあったけどね(笑)。
苦手な恋愛小説だけど、ミステリの要素も大きく、またファンタジー色が強いのでさらりと読めた。

ちょっと前に「銀杏坂」(連作集)「いつもの道、ちがう角」(短編集)を読んだのだけれど、断然この「雨恋」が好き。
でも……お話としては「スパイク」のほうが好きかな。

2007年05月16日(水)
★北村薫。『玻璃の天』

ネタバレには気をつけていますが、読んでいない人は注意です。


『玻璃の天』、北村薫さんのベッキーさんシリーズ第二弾。

「街の灯」に続く二冊目。
昭和初期を舞台にした、お嬢さま「英子」と女性運転手ベッキーさんが遭遇する、3つの物語。
ちょっと難しいところもあったけど、それは勉強不足かな;^^

今回、最後にベッキーさんの正体が明かされる、ということは知っていた。


昭和初期という時代を考えても、あまり明るく爽やかな内容ではなさそうだなとは思っていたが、ベッキーさんは苦しみを背負っていたことを突きつけられる。

「日常の謎」に代表されるような、おだやかで、透明な雰囲気をまとっている……そんなイメージを私は勝手に作り上げていたのだけれど、時の三部作の最後の一作「リセット」のあたりから感じていた、この時代への想いがここにも流れている。

本の帯にあった一節が、それを象徴している。


   「人間のごく当たり前の思いを、

    率直に語れる世であってほしい。

    だが、そのことが愛する人たちを

    苦しめる世だとしたら、

    どうすればよいのか。」


今の私たちは、時代がこれからどこに向かい、彼らがどうなっていくのか知っている。
切ないよね。本当に切ない。
そんな中でも、凜としたふたりの女性が、どこまでも愛おしい。
2007年05月09日(水)
★三崎亜記。『となり町戦争』

非常に不思議な雰囲気と透明感で満たされている。
淡々と「戦争」は進むのだ。

最初の「貼り紙」を見て、勝手に「こういう展開じゃないの」と考えていたのを、
見事に裏返された。
まったく違う次元といえばいいだろうか。
あちこちであらすじを見て、もしかして「バカバカし系」なのだろうかと
思い込んでいたのだ!(恥
ミステリでもエンタメでもなく、純文学である…
そんな高いところにあったのである。ああ。
(純文学苦手)

もし、もっと静かに落ち着いた環境で読むことができたなら、
戦争の音も、光も、気配も、もっとワタシの中に入り込んで来ただろう。
それほどまでに感覚的なストーリーゆえに、たぶんこの作品は賛否が分かれ、
読み手の考え方、価値観などによって感想のギャップが激しいのでは、
と思った。

結局何がいいたいの?と言う人も多いだろう。
「戦争」という非日常が日常にならなければ、気づかないのかもしれない。
それほどまでに、戦争は遠い世界で起きている。
登場人物たちは、どこかコミカルにも思えるが、やはり本物の「戦争」
なのだから、どこまでも生と死とが隣り合わせなのである。

「戦争は善か悪か」「賛成か反対か」というレベルを超えたところで、
本当の戦争は行われているのだ…などなど、いつになく真面目に
考えさせられた本だった。

ミステリ好き(解決とか結論がないと嫌な人)にはオススメしない。
2006年01月13日(金)
★森絵都。『アーモンド入りチョコレートのワルツ』

森絵都さんの短編集。
「子どもは眠る」「彼女のアリア」「アーモンド入りチョコレートのワルツ」の3編が、それぞれシューマンの「子どもの情景」、バッハの「ゴルドベルグ変奏曲」、エリック・サティの「童話音楽の献立表」にのせて送られる。
主人公は、みな中学生。

誰もが経験した、「あの頃」を淡々と綴っている。
ただ懐かしいだけでは切り取ることのできない、不可解さを含んだ、「あの頃」。
シチュエーションは違えど、きっとオトナはみんな、あの切なさを知っている。
知っているのに、あまりにも遠いその記憶をたぐり寄せられない、もどかしさ。
この本を読んで、自分はいったい中学生のときどうだったのか?と目を閉じてじっくりと思い出したくなった。
私もきっと、知っているはずだ!
あの年代の記憶はどこに? もどかしい。

個人的に好きなのは、「子どもは眠る」。
子どもたちの力関係は、こんな些細な、しかも訳のわからないことの連続で、しかもそれはある日さっくりと裏返る。

どれもピアノ曲だ。ピアノをやっていたというのに、知っているのは「子どもの情景」のトロイメライだけだなんて、ちょっと情けないかも;^^
2006年01月02日(月)
★恩田陸。『蒲公英草紙〜常野物語』

恩田作品自分としてはイチオシ「光の帝国―常野物語」の続編なので、ハードを買った。

懐かしく、キラキラしたいとおしい日々の物語。鮮やかな人物描写が素晴らしい。
人間の記憶とはきっとこういうもので、ずっとずっとあとになってから光るものを取り出して、そっと眺めるものなんだろう。

物語そのものは、あまりにも切なく、さらに一転したラストは、希望の光があまりにも薄い時代のせいで、胸に重くのしかかる。

それでもやはり人は生き続けるのだ。
2006年01月01日(日)
最近読んだ本のタイトルだけ。

最近、ぼちぼち本を読んだのだけど、どうしても感想を
書く暇がなく…
忘れていきそうなんで、これだけ読んだと書いておこう。

東野圭吾「幻夜」「手紙」
糸井重里監修「オトナ語の謎」
アンソロジー「事件現場に行こう」
内田康夫「十三の冥府」
2004年09月09日(木)
By ちゃいむ

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