フォーリアの日記
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| 2008年09月03日(水) |
NTTデータ コンサート |
いいお天気で暑い日でした。
今日は午前中コーラスで夜コンサートだったので 一旦帰るより都内で時間を潰す方が楽だったかもしれないのですが、 荷物を取り替えたり着替えたりしたいので一旦帰ることにしました。
一旦帰って洗濯物を入れたり着替えたりお化粧直ししたりしてすぐに出かけるぐらいの時間しかありません。 あわただしく出かけました。
コンサートは、NTT DATA CONCERT OF CONCERTS Opus13 http://www.nttdata.co.jp/concert/outline.html
誰でも事前に申し込めばチケット引換券を送ってくれる招待コンサートです。 応募者多数の場合は抽選のようですが、今日の様子なら空いています。
オーケストラはジャパン・ヴィルトゥオーゾ・シンフォニー・オーケストラといって 三枝成彰、大友直人が日本の各オーケストラから首席奏者たちを集めて作ったオーケストラだそうです。 指揮はムーハイ・タンという中国人でした。
プログラムは グリンカ:歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲 ベートーヴェン:交響曲 第7番 イ長調 Op.92 リムスキー=コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」Op.35
ルスランとリュドミラの出だしの和音を聞いた瞬間、 「さすが精鋭を集めたオーケストラ。音に厚みがある。」と思いましたが、 次の瞬間早いパッセージがまるで揃っていなくて、 やっぱり寄せ集めのオーケストラだから仕方がないかと思ってしまいました。
しかしそれはまだ序の口だったのです。 次のベートーヴェンの7番では、オーボエソロなどはなかなかいいと思いましたが、 特に突出したところもなく、木管などがうまく合っているところも なんだかアマチュア奏者が気を使いながら合わせたような不安感を感じながら聞いてしまいました。 クラリネットとファゴットがだめなんじゃない? しかし3楽章まではそれでもまだ無難だったのです。 4楽章が始まって愕然としました。速い! 猛然と早いテンポにまるで着いていけないオーケストラ。 あっという間に演奏は破綻しました。 さすがにトップ奏者たちですから、各自は弾けてないことはないかもしれませんが、 弦はバラバラ、管は速いパッセージに感情を込めるすべもなく曲は過ぎて行きます。 そこに派手にメリハリをつけようとする指揮者の指示も加わり、どんどん音が荒れていきます。 最後の方のフォルテはもう聞くに堪えない轟音となり、悲惨に曲が終りました。
休憩の後のシェヘラザードも、もう何というか・・。 以前にゲルギエフの演奏を聞いてその雄大さに感動しましたが、 今日の演奏は雄大さのかけらもありません。
また、この曲は4曲の組曲になっていますが、それぞれまったく違うものではなく 何度も何度も同じ旋律が出てきます。 でも、それを支えるオーケストラの和音や響きは違うので変化はあります。 あるときは低弦はピッチカートだったり、次にはアルコだったり 別の時には半音階下降だったりしてかなり雰囲気が違ってくるはずなのです。 しかしこの指揮者、かなり旋律ばかり聞かせます。 そうなると単調で飽きてきてしまいます。 もっと全体の厚みの中に旋律があるところを聞きたいのに。 もしかしたら、いちいち旋律のあるパートの方へ乗り出して積極的に振るので、 オケのほうでつい他のパートが遠慮してしまうのかもしれません。
盛り上がるところだってただ熱狂的になればいいというものでもないのに、 とにかく荒っぽく盛り上げるのでつまらないのです。
アンコールは1曲目はドボルザークか何か?(曲を知らない) 2曲目はブラームスのハンガリー舞曲第5番。 これも荒っぽくてメリハリつけすぎの集大成のような感じでした。 もともとテンポの変化を楽しむ曲ですが、 やりすぎてメリハリつけすぎるあまり速いところが早くなりすぎて荒れてしまっては 終っても単に嵐が過ぎ去ったような感じで感動がありません。
平日の夜に音楽を聴いてリラックスできるかと期待したのに、 おまけにあれだけ厚みのある音を出せる奏者ぞろいのオーケストラなのに ちょっと残念な演奏会でした。
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