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2022年12月27日(火)
少し前の話だが、あれよあれよと「防衛費倍増」と「敵基地能力保持」が 決められてしまった。しかも「閣議決定」で。 岸田首相は「我が国の安全保障政策の大転換」と表現していたが、 だったら閣議決定じゃダメなんじゃないの? これを公約に掲げて選挙で国民の信を問えと言いたい。 この前の選挙公約で「防衛費倍増」なんて言っていなかったはず。 もう、やり方が「国葬」の時と同じだ。 閣議決定で何でも決めてしまう。 しかも臨時国会が終わったと同時に。 なんだかやり方が姑息に感じてしまうよ。 来年の通常国会で審議されるのかも疑問だし。
軍拡を推進する勢力は「他国が攻めて来ることへの抑止力」と言うが、 実際問題、現実的に考えて本当に攻めて来るのか?
・ロシア… ウクライナ侵攻で余力はないね。 攻めて来るとしたら北海道だろうが、シベリアを越えて 遠路、軍隊を動かさなければならない。 そんな力が今のロシアに残っているとは思えない。 ・北朝鮮… 攻めるとしたら歴史的な経緯からいって休戦中の韓国の方へ行くだろう。 海を渡って攻めて来るリスクを犯すバカはいない。 仮に半島有事で日本の米軍基地にミサイルを撃ち込むかもしれないが、 国力のない北朝鮮がアメリカ・韓国・日本の三か国同盟に 戦争を仕掛けてくる勇気があるとは思えない。 ・中国… これも歴史的な経緯から言えば、まず攻めるのは台湾だろうね。 そのどさくさに紛れて、尖閣や先島諸島は占拠されるかもしれないけど。 だったら島の防衛に予算を全力で投入すべきだ。 故・安倍元首相は「台湾有事は日本の有事」と勇ましいことを言ったが、 「台湾有事」で日本はこれに本気で介入できるのかね? ウクライナ侵攻が示すように、EUやアメリカがやっているのは「武器供与」だけ。 第三次世界大戦になってしまうから「軍事介入」は絶対にできないのだ。 「台湾有事」でもそれは同じだろう。 なので日本が独自に軍事介入などできるわけがない。 隣国の友人として両者の間の仲介をするのがベストだろう。 それに対中国強硬派の台湾の蔡英文総統は先日、選挙で負けて辞任した。 これに伴い、台湾は中国融和路線に向かうかもしれないし。
というわけで「中国・ロシア・北朝鮮が攻めて来るぞ→よし軍拡だ!」 こんな単純思考は止めてほしいということだ。 別に中国、ロシア、北朝鮮の脅威を完全に否定するわけではないが、 その可能性はいったい何%なのか? 当然、政府や防衛省はプロだからそういう分析をしているだろうが、 大ざっぱでなく、もっと現状を踏まえた安全保障の議論をやってほしい。
まぁ、前にも書いたように、食糧自給率37%、エネルギー自給率12%の日本が 戦争しても勝てるわけがないので、勇ましいことを言うのは止めた方がいい。 「日本が占領されたらどうするんだ?」という声も聞くが、 ひとつの国を占領統治するって、とんでもないコストが掛かる。 それは中東を見れば明らか。 ロシアはクリミアを併合したが、それは親ロシア派が多かったからできたこと。 台湾も親中国派が実権を握って、多少のゴタゴタはあるかもしれないが、 案外、簡単に中国と一緒になるかもしれない。 結果、台湾有事に備えて軍拡した日本が、無能な政治家達のせいで バカを見るだけになりそうな気がする。
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