|
2020年10月08日(木)
早いもので今年も残すところ3ヶ月を切った。 3月下旬から半年以上も続く新型コロナウイルスの影響は収まる気配がないが 今月からGoToトラベルが東京も解禁となった。 またGoToイートも始まったが、これが飲食店側からしてみると 正直、恩恵はほとんどないと思うつまらない欠陥キャンペーンだ。
何よりまずは「ぐるなび」や「ホットペッパーグルメ」などの 予約サイトを通じてネット予約をした客しかGoToイートのポイントが貰えない。 ということは「ぐるなび」や「ホットペッパーグルメ」に掲載していない店は 最初からGoToイートの対象外店舗となる。 グルメサイトに掲載するだけでも掲載料として年間50万くらいかかる。 ただでさえ来客が減り厳しい状況になった飲食店はグルメサイト掲載契約を 解除してしまったところも多い。 飲食店救済のためのGoToイートなのに、経営的に厳しい店が GoToイート対象外になってしまうので本末転倒なキャンペーンだ。
客側もグルメサイトに登録していないと予約できないしポイントが貰えない。 普通に2名とか3名でフラッと飛び込みで来店した場合は対象外。 会社の宴会自粛が続くこんなコロナ禍の中、わざわざ予約サイトに登録し ネット予約してくる2〜3名の客なんてまずいない。 ほとんどの飲食店、予約なんてしなくても普通に入れる状態だからね。 大人数の宴会ならGoToイートを利用すれば得だろうけど 今の状況じゃ、まず大人数の宴会は考えられないからな。 仮に大人数の予約でもポイントは全て幹事の懐に入ることになる。 幹事総取りなので人間関係が悪くなりそう。 特に女子会とかギスギスしそうだな。 5人の女子会予約をした幹事の懐に5000円分のポイントが入るんだから。
だけどGoToイートのポイントって、そのグルメサイトのポイント。 ドコモポイントとか楽天ポイントとか様々な場所で使えるポイントなら 使い道はいろいろあるが、ぐるなびポイントなんて貰ったって また次、グルメサイトから予約して行かなければ使い道もない。 ぐるなびの場合、貯めるポイントはぐるなびポイント以外、楽天ポイントもあるが GoToイートのポイントはあくまでも ぐるなびポイントのみ。 楽天ポイントにした場合はGoToイートのポイントが付かないようになっている。
あと何より飲食店に恩恵がないと思うのは、グルメサイト経由のネット予約の場合、 人数×200円が送客手数料としてグルメサイトに支払わなければならない。 たとえば「ぐるなび」を通して10人の予約が入った場合、 10人×200円=2000円を飲食店はぐるなびに支払うことになる。 これは年間掲載料とは別なので予約人数が増えれば増えるほど 送客手数料を支払うことになり、なんかこれも本末転倒な気がする。 グルメサイトが一番儲かる仕組みになってしまっている。 本気で飲食店を救済したいならグルメサイト掲載料を割引するとか 送客手数料を国が補助するとかじゃないと本当にGoToイートなんて 欠陥だらけの建前キャンペーンに終わってしまうだろう。
まぁ、うちの店も「ぐるなび」と「ホットペッパーグルメ」に長年掲載していて 年間50万以上を掲載料として支払っているが、GoToイートには全く期待していない。 電話での予約はあっても、ネット経由の予約は4月以降ほとんどない。 やっぱり、しっかりと確認の取れる電話予約の方が来る方も迎える方も安心する。 特に銀座という土地柄、電話予約が圧倒的に多い。 なぜグルメサイトに掲載しているのかというと、メニューや地図が掲載できるから。 あと店の雰囲気も写真で載せてもらえるから。 予約電話の時に聞かれた時、いちいち説明していると長くなるので グルメサイトで検索してもらい見てもらった方が分かりやすい。 なので今までネット予約の恩恵を感じたことはない。
最近、GoToイートを利用した「鳥貴族マラソン」が話題となっている。 グルメサイトから繰り返し「鳥貴族」を予約して来店する行為が 効率の良いポイント付与方法としてネットで紹介されている。 「鳥貴族」のメニューは基本的に298円(税込327円)のみ。 GoToイートで夕食を予約、来店すると1000円分のポイントが付与されるから 差し引き673円分の「儲け」が出ることになる。 キャンペーン予約回数に上限はないため、1品注文で10店舗を回れば 計6730円の儲けが出る。 さらに付与上限の10人で10回繰り返せば67300円ものポイントが発生する。 前述したとおりネット予約があると店側はグルメサイトに 送客手数料として200円を払わなくてはならないため 298円のメニュー1品しか頼まない客にも200円をグルメサイトに支払う。 すると店の儲けは僅か98円しかない。 材料費、広告掲載費、人件費、光熱費、家賃、税金などを考えれば 1人98円の儲けじゃとてもやっていけるはずがない。 まして予約なら最低でもその席は2時間は他の客を入れることができない。 法的にもGoToイートキャンペーン的にも何の問題もないことだが、 あまりにも店側に迷惑な行為であり、人としてのモラルが問われる。 GoToイートは鳥貴族だけでなく薄利多売を売りにしている 居酒屋チェーン店泣かせの欠陥キャンペーンだということを 今日、国が認めたため、ポイント以下の金額の場合はポイント付与しないと発表した。
最初から欠陥キャンペーンだと思っていたが、やっぱりGoToトラベルにしても GoToイートにしても庶民の気持ちを知らない政治家たちが考えただけあり、 なんか一般常識と感覚がずれてる。 なので自分の知り合いの飲食店もGoToイートには不参加の店も少なくない。 イギリスのように予約や飛び込み関係なく、会計時に50%を割り引くとかにすれば もっと多くの人達が飲食店を利用してくれると思うんだけどな。
ただ、これで客足が大きく戻ってくるとは考えにくいが 国が「外食してください」と言ってくれたのはありがたいのは確かだ。 外食に対する世間の印象が良い方向に変わればいいが、 それでも大勢の宴会は戻らないだろうし、個人的にも自粛する人は まだまだいると思うけどね。
|
|
|