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2016年09月14日(水)
土壌汚染対策に必要な盛り土をしていないことが明るみに出た豊洲新市場｡
空洞部分を埋めるとなると､すでに建物ができあがっているだけに
相当な時間と､また巨額な費用がかかるのは必至｡
豊洲の各棟の建築面積は仲卸売場棟が７万平方メートルで
卸売場棟は４万9000平方メートル､青果売場棟は５万8000平方メートル｡
東京ドーム約４個分もの広大な面積で､地下空間に水が浸入する恐れのある
穴や溝を補修するのは気が遠くなるほどの作業だろう｡
工事費用は100億円を超え､工期は少なく見積もっても半年はかかるとか｡
問題は穴埋めだけでなく､すでに地下空間に地下水が流れ込み
冠水した様子を見ると､地下水管理がうまくいっていないことは明らか｡
この対策には､地下水を汲み上げて外に排出するための揚水井戸を
敷地内にいくつも敷設しなければならないという｡
建物ができてしまっている以上､今から場所を確保して敷設するならば､
工事費用､期間がどれだけ必要になるかは想像もつかないという｡
しかし､豊洲市場の欠陥はこれだけではない｡
まずは床の積載荷重不足が挙げられる｡
新市場で仲卸業者が入る「６街区」の床積載荷重の限度は
１平方メートル当たり700キロとなっている｡
築地市場を頻繁に行き交う荷物運搬用の小型車「ターレ」１台の重量は
運転者と積載貨物を含めると約２トンにも及ぶ｡
ターレトラック本体が930�圓僚杜未�あり､荷物の積載量が約１トン｡
運転者の体重を合わせると約２トン（2000�圈砲僚杜未箸覆�｡
これが約2000台､ガンガン動きまわっているのは建築の専門家じゃなくても
築地に出入りしている人なら､いや､観光目的の築地場外訪問者であっても周知の事実｡
にもかかわらず､豊洲新市場は床の積載荷重が僅か700�圓靴�見ていないから驚きだ｡
こんなの建築の専門家とか関係なく誰だって分かる話｡
単純に足し算すれば２トン以上の重量が床にかかるってすぐ分かるのに｡
なので豊洲では積み荷の重さで床が抜ける恐れが充分に考えられるのだ｡
築地では仲卸業者は１階に位置していて､地べたで作業しているので補修可能だが､
豊洲は２階以上の「高床」のため本当に床が抜けてしまう可能性が高い｡
さらに各店舗の作業スペースが狭すぎる問題｡
一般的な魚屋には最低約３メートル幅の間口が必要だというが､
豊洲で各店舗に割り当てられたのは間口たった１メートル40だという｡
これでは冷蔵庫やシンクを置くとマグロを置くスペースがない｡
マグロやカジキなど大型魚を扱い､そこで解体する業者は一体､どうすればいいのか？
だいたい市場ってどこもオープン的なスペースになっているのが普通だが
豊洲は衛生面を考えて閉鎖的スペースになっている｡
衛生面を考えるのは良いけど､あまり閉鎖的だと仕事にならない業者だっていること
全然､分かっていない｡
ほんと､間口1.4メートルって誰がどういう基準で決めたのかね｡
漫画喫茶の個室じゃないんだから､もう少し余裕持って作れなかったのか不思議だ｡
衛生面を考えて閉鎖的スペースと言っている割に豊洲では海水を流してはいけない｡
築地の各店舗は床を洗う時､生け簀の海水を流して洗っている｡
しかし豊洲新市場では真水は良いが海水は床や配管を痛めるため
流すのは禁止されている｡
築地に行くと分かるが､あれだけ鮮魚を扱っているのにコバエや蚊が全くいない｡
これは各店舗で海水を流しているためだ｡
海水の水たまりや排水管にはボウフラやウジは涌かない｡というか育たない｡
しかし真水だと一気に害虫の異常繁殖を呼びそうだ｡
まったく衛生的ではない｡
それに掃除のたびに水道水を大量に使っていると水道代だってバカにならない｡
なので海水での掃除が当たり前だったのに何も知らない連中に
一方的に禁止と言われている｡
まぁ､もし豊洲市場に移転したとしても､築地の時と同様に
普通に海水を流して掃除すると思うけどね｡
さて､次なる欠陥はヒドイ｡
豊洲の図面､縦に細長いものが並んでいる｡
この細長いものは輸送用のトレーラー｡
家の設計図や賃貸不動産で駐車場借りるときに見たことあると思うが､
建築設計図では長方形の中にV型に斜め線が入っている記号は自動車なのだ｡
そしてVの尖っている方が前方になる｡
で､これがずら〜っと並べるとなっている｡
図面上では56台も並ぶらしい｡
でも､あくまで机上でしょ？って思っていたら
現場の声も聞かずに56台分､作っちゃったね｡
トレーラーの車幅は２メートル〜４メートルくらいあるけど
図面を見ると車間が１メートルほどしかない｡
これって扉を開けるのがやっとじゃない？
年末年始のサービスエリアでもこんなギチギチには並んでいないぞ｡
それよりも何よりも致命的なのが………！
今のトレーラーって､横開きなんだけど(・ω・;)(;・ω・)
やばいよね｡なんでこんなことになってるの？
さて当初の豊洲市場の建物にかかった費用は990億円と計画された｡
建物の金額を計る目安として「坪単価」ってのがある｡
あの高級住宅は「坪90万円だ」とか､激安住宅「坪40万円」だとか｡
これは建物の面積あたりの費用であり､「坪（つぼ）」というのは
日本の伝統的な面積の単位で､畳が二畳分の広さのことである｡
畳は３尺×６尺（約90センチ×１メートル80センチ）を基準とし､
その２畳分である１坪は�屬膨召垢�3.3�屬箸覆�｡
この坪あたりの工事費用というのは､建物の用途やグレードによって
大体の目安があり､木造でローコスト頑張った規格建て売り住宅で坪40万円前後｡
木造でちょっとこだわった建築家デザイナー住宅で坪70万円から｡
鉄骨の倉庫や工場（中身の機械なし）で坪25万円前後｡
鉄骨とALCパネルで造ったオフィスや店舗で坪70万円から｡
RC（コンクリート）のマンションとかで坪90万円から｡
といった風にざっくり費用を概算できるのだ｡
もちろん､何かすごい特殊な仕上げとか高級な大理石貼ったりすると
坪単価はどんどん上がっていくけどね｡
まぁ､建物の広さから建築工事費の妥当性を見る時に便利である｡
で､豊洲市場をチェックしてみると…
６区の建物が17万3000��､７区の建物が12万4000��､
５区の建物が９万7000��､管理棟が２万4000�屬嚢膩廚�41万8000��｡
これを坪に直すには3.3で割ると豊洲の全体面積は約12万6600坪（建物のみ）
そして990億円という工事費を12万6600坪で割ると
９９０００００００００÷１２６６００＝７８万１９９０円也
う〜ん､ちょっと高いよね｡坪78万円って｡
なぜなら豊洲って鉄骨の倉庫みたいなもの｡
しかし！現実はさらに酷かった｡
なんと建設費は2752億円に膨れ上がっていた｡
当初の990億円から約３倍の2752億円に！
で､さっそく坪単価を出してみると…
２７５２００００００００÷１２６６００坪＝坪217万4000円｡
おいおい坪200万円超えしちゃったよ｡
土壌汚染対策とか抜きの､あくまでも建物を作るだけで坪200円超えって
どんな建物なんだ？
イオンモールだって坪30万円以下でできているっていうのに
なんでイオンモールの７倍も金かかってんだ豊洲は｡
これ絶対におかしい｡
坪200万円超えるような建物って､たとえば黒川紀章デザインの国立新美術館とかだよ｡
この美術館は曲面ガラスの滝のような造形デザインが建築の技術的にも
非常に難易度の高いもので､最先端のナショナルギャラリーとして構想されたもの｡
この建築が380億円で47960��｡
さてさてラスト｡
豊洲新市場はサッカー場が10個分入ろうかというスペースの中に
エレベーターが11基しかないという事実｡
11基って沢山あるように思えるが､普通のオフィスビルを想定していると間違い｡
築地ではターレが2000台動いている｡もちろん豊洲にもターレ2000台は行く｡
豊洲のエレベーターの大きさは結構でかい｡
しかし､それは人だけが乗る分には広いが､ターレが乗るには厳しい｡
２台も乗ったら一杯だ｡
しかもエレベーター11台と言うが卸棟５基､仲卸棟６基と別々だからね｡
さて､上の階に上がるターレが約半分の1000台だとしても1000台割る６は
166.6になり､エレベーター１基にターレが２台乗るとして約83台｡
エレベーターの前に83台のターレが行列してしまうことになる｡
てか､83台もエレベーター前に並ぶスペースなんてないし｡
じゃあ､しょうがねえからスロープ使うしかない｡
と３ヶ所あるスロープに向かって走っていったところ
そのスロープはこんな状況｡
ヘアピンカーブ｡これ曲がれるのかなぁ？
しかも壁があって対向車見えないし｡
まぁ､ターレという乗り物は３輪なのでキツイカーブでも曲がれるようだけど
フォークリフトは厳しいんじゃないのかな｡
それにエレベーターが使えなかったターレが次々やってくる｡
同時に､上から戻りのターレも次々やってくる｡
荷物を満載したターレ同士がヘアピンカーブで大渋滞って考えられるよね｡
その他にも建築物の構造強度不足の問題やベンゼン汚染について
全700区画のうち305区画が未検査のままとか製氷装置の問題とか
ほんと探せば探すほど問題ばかり見つかるのが豊洲新市場だ｡
これは延期だけでなく豊洲移転の「白紙撤回」まであるかもしれないね｡
作っちゃったものは別の用途で使うか､民間企業に大型倉庫として売って
そのカネで築地の再整備の方が安く済みそうだけどな｡
自分は銀座からなら豊洲より築地の方が行きやすいので
白紙撤回でもいいんだけど､税金の使い道はしっかりと調べてもらいたいよね｡
これからの小池都知事の手腕に期待したい｡
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