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2015年07月16日(木)
昨日、いわゆる安保法案が衆議院の委員会で採決された。 強行採決とも言われているが、戦後6番目に長い審議時間がありながら 具体的な対案も出さず、ただの揚げ足取りに終始した 民主党の質問のせいでこうなったと多くの国民は判断しているだろう。 また民主党の岡田代表は記者団に「強行採決されたことに強く抗議する。 安倍晋三首相が国民の理解が深まっていないと認めた中で 今採決する必然性はなかった」とか言っているが、 自分達が政権を取っていた時のことを忘れてしまったのか?
●強行採決回数 ・鳩山政権時…就任期間266日 強行採決9回 ・菅政権時……就任期間452日 強行採決8回 ・野田政権時…就任期間482日 強行採決4回 ちなみに ・安倍政権……就任期間1200日(昨日まで) 強行採決1回
今の民主党の岡田代表は鳩山内閣の外務大臣、菅内閣では党幹事長、 そして野田内閣では副総理と強行採決に大きく関わっていた。 そんな人が何を言う!だ。 特に野田内閣の時は僅か4日の臨時国会でやってのけた事すらあったのに、 まさしく自分のことは棚に上げて言っているんだから ほんと民主党って昔も今もバカばっかだ。
さて、安保法案に話を戻すが、これから参議院での議論が始まることになる。 安保法案について「憲法違反」「戦争法案」など、 いろいろと言われているため、国民も理解できずに 賛成も反対もできない状態の人が多いと思う。 この安保法案について、解り易くポイントを書いてみたいと思う。
1 安保法案がなければ戦争にならないか? 今回の騒動の大きな問題点とも言える「戦争」という言葉。 だけど、これって結論から言うと「この法案の有無に関係なく、 戦争に巻き込まれるリスクは高くなる一方」だろうね。 そして「法案ができたから戦争が回避できる保証もない」ということにもなる。 ただし、ここでいう「戦争」とは一体何か? これが実は重要だ。 この「戦争」の定義が実はかなり曖昧なのだ。 21世紀の今時、第二次大戦のような戦争を仕掛けてくる国は皆無だ。 なので「戦争」の定義を「第二次大戦のような戦争」と捉えると 「安保法案ができれば連合軍的に守ってくれる可能性が高くなるので 戦争を起こそうという国は減ってくる」として、 戦争にならないという説明になるだろう。 一方で世界中は内紛等の戦闘状態になっているエリアが多くあるのは事実だ。 したがって「戦争」をそうした内紛などを指すとなれば、 そういう地域に行くことで「日本は戦争に加担した」として 「戦争ができる法案」ということにも理解されてしまう。 さらに今、最大の脅威は、国家からの侵略行為ではなく 「テロ」と「民間人型侵略」だ。 前者はイスラム国やアルカイーダなどのテロ組織。 後者は中国が使う手法で、いずれも第二次大戦のように 「宣戦布告をして侵略する」という手法ではない。 これを「戦争」と言うならば、日本は現状において否が応でも 「安保法案に関係なく戦争に巻き込まれるリスクは高い」ということになるし、 特にテロとの関係では、集団的自衛権でアメリカなどに加担することで 「みなし敵国」となり、テロのターゲットにされるリスクは高まるから 「安保法案で戦争に巻き込まれる」ということにもなるだろう。 結局、この「戦争」という言葉をどのように使うかで、 賛成派も反対派も説明ができちゃうから曖昧なのだ。 この問題をきっちり考えるためには 「日本における、いわゆる軍事的脅威は何か」というところについて、 政府としての問題意識を説明し (もちろん軍事的事情でぼかすところも必要だけど) また国民としても本当の脅威が何か、ということを理解したうえで その共通基盤で「安保法案が戦争法案なのか」などという点を議論するべきだ。 この共通認識がなければ、永遠に言葉遊びの応酬で終わるだろう。 2 国際的に問題だから集団的自衛権が必要か? 安保法案賛成派の多くは「国際的に日本だけ他人事にはできない」 「現状、アメリカとの同盟関係で国が守られている実態があるから当然必要だ」 などと言っているし、それが大義名分のようになっている。 まぁ、外交的、軍事的観点からすれば正論だろう。 ただし、ここで無視していけないのは「日本国憲法」だ。 外交的、軍事的観点で正論だから憲法議論を気にせずに 実情に合わせようというのであれば、もはや憲法は無用の長物になってしまう。 日本国憲法は戦後、どのように成立したのかはともかく、 現状として国民の総意で作られたものなので、憲法の枠内で対応しなければいけない。 もしも外交的、軍事的観点での正論を通すのであれば、 まさに「憲法」の枠内なのかどうか?を考え、 枠外なら、まず「憲法改正」を行わなければならないだろう。 違憲かどうかの議論はそれなりにされていたようだが、 「憲法よりも実情」を重視するような議論も多かったため、 それは根本的に違っていると思うんだけどな…。
3 集団的自衛権は本当に政府解釈で良いのか? 今回、集団的自衛権は政府解釈で「合憲」となった。 この是非については、あえてここでは問わないことにする。 もっと長くなるからね。 実は政府解釈で、こうした重要な軍事外交問題を考えるのは 逆方面のリスクがあるということを与党たる自民党は失念しているかもしれない。 それは「政権が交代したら真逆の解釈ができてしまう」ということだ。 つまりは本来、骨となるべき軍事外交問題も、政権交代すなわち国民の選挙という 意思表示だけで簡単に変更してしまうことができるのだ。 軍事関係や外交関係は、できる限り安定させる必要があるため 賛否両論あるような政府解釈で決めてしまうのは、 実は極めて不安定な政策であるとも言っていいだろう。 もっと言うと今、反対運動している人達って、次の選挙で野党勢力に投票することで 集団的自衛権が再び違憲解釈に戻るという可能性が残っているということを 知っておくといいだろうね。 もちろん賛成派の人は、こういうリスクがあるので、選挙では油断せず 与党に投票する必要があるということ。 4 集団的自衛権が可能となった場合、その経費(財源)をどこからもってくるか? 集団的自衛権が可能となった場合、自衛隊員がほぼ常時 どこかに駐留する可能性がかなり高くなる。 また、訓練も増すし、実際の戦闘場面が出てくる可能性だって高くなるだろう。 これらの可能性が高くなるということは、別にタダでできるわけじゃない。 そのための経費が必要になるのだが、この経費は当然のごとく税金なので 簡単に言えば「防衛費が増える」ということになるだろう。 では、その財源をどこに求めるのか? 消費税は福祉目的という建前で増税したので、 表向きこちらから持ってくることはできない。 だとすると、所得税等の増税をするか、または歳出の削減をするかの いずれかになるだろうが、歳出の削減の場合だと削りやすいのは まず、子育て関連予算、次に教育費、そして高齢者関連予算ということだろうね。 平たく言えば「福祉と教育費」だ。 なので当然、子育て世代の負担は、ますます増えるだろうし、 高齢者も医療費増額や年金減額などのリスクを負うことになるだろう。
5 本当に徴兵制になるのか? これは絶対にならないと言いきれる。 てか今時、安保法案=徴兵制と考えている人がいること自体、信じられない。 日本では、憲法云々以前に絶対に徴兵制は無理だ。 徴兵には義務教育である小中学生の頃から、そのような教育で 徴兵制について「洗脳」する必要がある。 また、軍隊は規律と統率力、そして技術が必要なので、 寄せ集め集団では、むしろ足手まといになるだけだ。 だけど「志願兵制度」は日本にもできるかもしれないね。 これは、たとえば20歳になったら、希望で徴兵検査を受けることができ、 それで合格したら、いつでも兵役に行くという感じのもの。 まぁ、こんなの希望する人いるの?って思うだろうが、 もし、大学入試のセンター試験みたいに就活において 「徴兵検査合格者優遇」みたいな条件を企業が設けるようにすれば、 そのためだけに検査だけ受けておくという学生は増えるかもしれないけど。 志願兵制度に関しては、あくまでも妄想というか夢物語だけど。 6 捕虜を自衛隊が捕まえたらどうするのか? 注目度は低いが、今回の法制度の中で、捕虜に関する法律の改正もされている。 ただ、そもそも現状では捕虜収容施設が日本にはない。 また、処遇については法律や規則で細かく規定されているものの、 戦争ではなくテロや似非民間人を自衛隊員が拿捕した場合、 どのように対処するのか、まだまだ曖昧なところが多いのも事実だ。
とりあえずこんなところかな。 久しぶりに長い文章になってしまった。 まぁ、もちろん自分自身、理解不十分のところがあるけど、 細々したところで結構、考えるべき問題点が多いということを きちんと知っておく必要があると思ったので、一気に書いてみた。 とりあえず、安保法案は参議院でこれから議論され、 それで最終的に成立するだろうが、反対の人はもちろん、賛成の人も 今一度、参議院の議論に注視して、大きな問題点も含めて 法案の是非をきっちり考えることが大切だと思うよね。日本人として。 国の行方を大きく変えるかもしれない法案だからね。 一番よくないのは無関心だろう。
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