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2010年12月08日(水)
今や国民の関心は尖閣諸島でも小沢資金問題でもなく海老蔵事件なんだな。 昨日の会見がトップニュースとは何とも平和な国だと思ってしまったよ。
さて今日、12月8日が何の日であったのか 即答できる日本人はどれだけいるだろうか。 ビートルズ世代であればジョンレノンが銃弾に倒れた日と答えるかも知れないが、 日本人にとって12月8日は、もうひとつの意味を持っているはずなのだが…。
ちょうど昨年の12月8日も同じような日記を書いたが、 1941年12月8日、日米開戦を決意した大日本帝国海軍の機動部隊が アメリカ海軍の太平洋艦隊の基地である真珠湾に空爆を行った日である。 1945年8月15日の終戦記念日は毎年慰霊祭など行われ、 戦争を振り返る日となっているが、どういうわけか12月8日の開戦日については マスコミもネットもあまり取り上げることはない。 植民地獲得競争に出遅れた日本が西洋列強を模倣し、 軍事力による他国への侵攻を始めた末、引くに引けない状況に追い込まれ 中国戦線の他、国力ではるかに勝る大国アメリカに対し、 太平洋方面でも勝てる見込みのない正面作戦の博打に打ってみ出た日…。 今の若い世代の人には今の日米関係を見てわずか69年前に 日米が戦争をしていたことを信じられない人もいるそうだ。
当時の日本は天皇陛下を元首とした大日本帝国。 国民は全て陛下の臣民であり、お国のために兵士として戦地に赴き 命すら差し出すのが当然の時代。 逆の意味で極端になってしまった現在の個人主義社会とは逆の全体主義社会。 日本は国軍を持ち空母を中心とした機動部隊を持ち、 他国に対して直接空爆を実行できるだけの軍事力を持っていた時代。 世界一の戦艦大和を保有していたにもかかわらず、 最終的に大日本帝国がどうなったかは語るまでもない。 もはやこの地上のどこにも大日本帝国という国は存在しないのだから。
最近、隣国で瀬戸際外交と挑発的軍事行為を繰り返す北朝鮮や、 急速に拡大した経済力を背景に軍拡をはかる中国や、 北方領土の実効支配を強調するロシアに対する脅威論から 日本の防衛力の増強を声高に叫ぶ人々もいるが、どれだけ軍備を拡張しようが、 核武装しようが、そんなものは国を守るために何の役にも立たないことは 先の大戦と大日本帝国の滅亡という歴史が教訓と示している。 この防衛力って、ものは言いようだ。 その力を防衛に使用するか侵略に使用するかの違いは、力の使い方の問題であり、 要するに軍事力でしかない。
69年前のこの日、大日本帝国が終りの始まりへと踏み出してしまった日である。
終戦記念日が戦争の悲惨さと非戦の戒めを確認する日であるならば、 開戦日は当時の大日本帝国の何が間違っていたのか、 どうすれば大勢の人が死に国が滅ぶような戦争を避けられたのかを 考える日であって良いような気がする。
海老蔵事件がトップに扱われる平和ボケした日本人にとって、 12月8日は、単にジョンレノンの命日というわけではない。
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