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2009年05月12日(火)
以前、野球とサッカーについて書いたが、今回はその続きになるのかも。 2000年に行われたシドニー五輪に出たサッカー日本代表は 黄金世代と呼ばれているが、この世代は有名なサッカー漫画 「キャプテン翼」に影響されてサッカーを始めた人が多いらしい。
ちなみにシドニー五輪日本代表チームの主なメンバー GK 楢崎正剛(名古屋) DF 宮本恒靖(G大阪) 松田直樹(横浜) 中沢佑二(V川崎) 中田浩二(鹿島) MF 稲本潤一(G大阪) 中田英寿(ローマ) 明神智和(柏) 中村俊輔(横浜) 本山雅志(鹿島) FW 平瀬智行(鹿島) 柳沢敦 (鹿島) 高原直泰(磐田) 監督 フィリップ・トルシエ (所属チームは当時) ★予選リーグ…2勝1敗で決勝トーナメント進出 ★準々決勝…2対2(4PK5)でアメリカに敗退
実際、この時期に日本のサッカー人口は激増しているし、 海外の著名なサッカー選手も、キャプテン翼に 影響されたと公に発言する選手も多い。 少年ジャンプの「アイシールド21」のヒットにより、 アメリカンフットボールの競技人口は急増し、 複雑なルールの認知も大幅に改善された。 それだけスポーツに対する漫画の影響力はバカに出来ないのだ。
しかし不幸なことに、キャプテン翼以降はサッカー漫画のヒットが少ない。 1990年〜2003年の13年間に渡って少年マガジンに連載された「シュート!」は かつてSMAP主演で映画化されたり、アニメ化もされたりしたが、 社会的な影響力は殆ど無かったように思える。 同じく少年マガジンで1993年〜1999年まで連載された「Jドリーム」も 発足したJリーグをいち早く漫画化したが、それほどヒットしなかった。
ヒットするサッカー漫画がないこと、これは近年の日本サッカー不調の 1つの要因であると考えていいのではないだろうか? これから先の日本は少子化が進行し、 あらゆるスポーツで競技人口が減少すると見られる。 サッカーはルールが単純で、プレーはしやすいが、 子供が競技自体に魅力を感じるかどうかは全くの別問題だ。 いかに興味の薄い人間を引き込むかが、これからの課題となる。
その点、野球漫画はいつの時代もヒットを飛ばすので、 競技人口の心配はあまり無いようだ。 少年サンデーの「MAJOR」のヒットは競技の普及に大きく影響しているし、 少年マガジンには「ダイヤのA」「花形」と2本の野球漫画が連載中。 また少年チャンピオンでは「ドカベン・スーパースターズ編」が好調である。 さらに以前、少年ジャンプに連載されていた「ROOKIES」が昨年にドラマ化され、 連載終了から5年が過ぎてなお、リバイバルヒットを飛ばし、 もうすぐ映画も公開する。 当然、全国の少年少女に与えた影響は計り知れない。
少年漫画はキャラ作りでほぼ売れ行きが決まってしまうので、 個人競技の概念が薄いサッカーでは、必殺シュートなどで お茶を濁すしか手がないようだ。 またサッカーはロースコアなので劇的な逆転勝利が生まれにくい。 ドラマ性が要求される漫画では、こうしたメリハリのないスポーツは 敬遠されがちなのだ。
キャプテン翼は全世界でヒットを飛ばし、日本が世界に誇るべき 漫画文化の一翼を担っているが、それは翼君の1試合に1度は決めてしまう オーバーヘッドシュートや、日向クンのタイガーシュートで コンクリートの壁に穴を開けたり、GKの森崎君が吹っ飛ばされたような要素が 評価された、いわゆる「少林サッカー的人気」であるのではないだろうか。 こうした手法は使い古され、日本の読者には飽きられているので 今後サッカー漫画の大ヒットが生まれる可能性は低いのではないかな。
野球は、たった一振りで劇的な勝利をもたらすことがある。 この要素は漫画にしやすいし、読者も楽しんで読むことができる。 やっぱり結局は今も昔も子供たちにとって野球人気は安定していると思うね。
さて、今週末のSリーグ第三節だが、大事なフラワーズ戦なのに 参加人数激減でピンチな状態だ。 チャーミンのヘルニアに続き、テッチャンが気管支肺炎とは…(+。+) クリーンアップトリオの2人がいないのは厳しいな。
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