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2008年02月14日(木)
今年の年明けに浜崎あゆみが自身のブログで「左耳が聞こえない」と 衝撃の告白をしたが、自分もひとつ衝撃の告白?をしたいと思う。
実は数年ほど前から左目がほとんど見えていないのだ。 別に視力を無くして隻眼になったというわけではない。 視力検査をすれば、たぶん0.6位はあると思う。 見えていないというより使っていないと言ったほうが確かかな。
自分は生まれつき眼瞼下垂症である。 いわば先天性眼瞼下垂症だ。 眼瞼下垂とは、先天的理由(原因不明)、 後天的理由(加齢・コンタクトレンズ装用等)により、 上眼瞼の機能に障害が生じ、瞼が開きづらくなる疾患である。 それにより視界が制限され、無意識に眉毛を挙上して瞼を開こうとするため、 頭痛や肩こりを併発してしまう。 形成外科で重瞼(二重)形成術と同じく上眼瞼上の皮膚を切開し、 上眼瞼下の腱膜、または挙筋を短縮する手術を行うことにより治療できる。
ハードコンタクトの付けすぎなどで眼瞼筋肉が壊れ、 ある日、急に眼瞼下垂になる場合もある。 これは後天性眼瞼下垂と言われ、コンタクト着用者に多い。 コンタクト着用率の高い日本人は後天性眼瞼下垂予備軍が かなり多いと言われている。 自分のような先天性眼瞼下垂は生まれつき瞼を挙げる筋肉が不全だが、 最近は原因不明だが産まれたばかりの赤子に多く見られているらしい。 子供の頃に眼瞼下垂を放置していると弱視を引き起こす可能性が高いために 最近では子供の頃に手術して治療するが、 成長に伴い、手術した箇所が再び下垂してくるために 何度も再手術が必要といわれている。
自分が子供の頃は眼瞼下垂という症例はあったものの 手術方法も一般的でなく、医療としてではなく、瞼にメスを入れることは 美容として考えられていたので、そのまま放置されることが多かったらしい。 まぁ、自分もその中の一人であるヾ(^-^;) しかし幸い、弱視にもならず人よりも若干、視野が狭いものの 40年以上、普通の生活をしてこれた。 自分が眼瞼下垂という言葉を知ったのは15年ほど前に 免許の更新の視力検査対策でメガネを作った時。 眼科医に言われたのだが、その時は別に何も感じなかったし 眼科医からも特に治療に関しても言われなかったので、 だからどうなの?って感じだった。 免許更新の視力検査も裸眼で通ったのでメガネを使うこともなく その眼科にはその後、一度も行くことはなかった。 ちなみに現在も免許証には眼鏡等使用とは記載されていない。
昨年末に江東区の無料検診を受けた際、そこの医者から加齢に伴い 眼瞼下垂が悪化してくるとさらに視野が狭くなり、 視野を確保するために常に脳の緊張状態が続くために、 肩こり、頭痛、体のゆがみなどが出てきて生活自体が苦しくなると聞かされた。 自分は、この肩こりや時々やってくる偏頭痛などは もう最初から自分の体の一部のように感じていたというか半ば諦めていたので それほど気にならなくなっていたし、40年以上もこの状態だったので 正直、視野の狭さにも慣れていた。 しかし、確かに数年前から確実に視野の狭さを感じていた。
どんな人でも加齢とともに瞼は下垂し視界が狭くなってくるものだが 自分は生まれつき下垂気味のために他の正常な人よりも早く症状が表れる。 このままでは最悪の場合、いつか見えなくなってしまうので 早めに手術を受けたほうがいいという医者のアドバイスを受け、 大学病院の形成外科へ紹介状を書いてもらい、 1月末に東京女子医科大学の教授に診察してもらったのだ。
この眼瞼下垂を治すには形成手術以外ない。 いや正確に言うと先天性の場合は元々がそのような形で生まれてきたために 完治のない疾患である。 手術しても、年数が経ってくると再発することも多いという。 その際は再手術となってしまうという。 手術の方法は瞼を挙げる筋肉が伸びてしまっている場合は 切断もしくは折りたたんで短縮させたり、全く筋肉が不全の場合は 他の筋肉につなげ直す手術となる。 手術すれば、ほぼ改善され、今まで視野確保のために緊張状態だった脳も 普通の状態になるために肩こりや頭痛も一気に改善されるという。
瞼にメスを入れることは以前なら美容整形の部類に入っていた。 傷跡を隠すために人工的な二重にするので保険が効かなかったが、 2001年頃に学会で眼瞼下垂が肩こりや頭痛を引き起こす 大きな要因だということが証明され、それ以降は 医療として扱われるようになり健康保険が効くようになった。 手術は外科でも眼科でもなく形成外科にて行われる。 眼瞼筋肉を再生し本来の機能を持った状態に治すため形成外科である。
自分は両目とも眼瞼下垂であるが特に左目は重度らしい。 最近は左目でモノを見ることを自分でも諦めていた。 なぜならモノを見るときに右目と左目の両方を使うと モノが二重にダブって見えてしまう、いわゆる複視になっていた。 それに左目でモノを見ようとすると眼瞼に必要以上に力を使うので ヒドイ肩こりや頭痛を引き起こすことがあったから。 なので数年前から自然に左目を使わないでモノを見るクセが付いてしまった。
普通に生活するくらいなら意外に片目でも生活できるものだ。 しかし、野球で片目は致命的だった。 ここ数年は打席に入っても、インコースに来るボールは ほとんど見えていなかったと言っても過言ではない。 右打者の場合、打席に立って投手に近いのは左目である。 しかし、その左目が見えなければ右投手の場合だと 右腕から内角に来るボールは、ほとんど最初から最後まで見えていない。 だから内角は最初から全部捨てていた。元々、内角って苦手だったしヾ(^-^;) 右腕から対角線に外角に来るボールは死角から急にボールが出てきて 気づいたときにはホームを通過するという感じ。 自分の一番好きなコースは外角低めだったが、 そこが思うように打てなくなったのは結構悔しいものだ。 顎を上げて視野を確保すれば両目で見ることはできるが、 それだとヘッドアップしたままなので打球は飛ばないし、 思うように自分のスイングができない。 恥ずかしながら数年前からこんな状態のまま打席に立っていた。 タイミングの悪いことに眼瞼下垂とは別に原因不明の肩痛もあって、 その数年間は不本意な成績しか残せなかった。 自分でも片目でやっているんだから仕方ないと思いながらも、 何とか慣れないと…と思っていたものの、やはりチームに迷惑がかかるので 打順はいつも一番最後にしていた。 昨年はようやく片目でも慣れたのか、それなりの数字を残せたが 人間は感覚の一部を失うと他の感覚が研ぎ澄まされるというが その通りだと感じた。 たとえば視覚を失った人は聴覚や臭覚が発達するように たとえ片目でも見えないと他の感覚がよく利くようになった気がする。 人間には視覚、聴覚、臭覚、味覚、触覚と五感があるが それ以外、ある種の「勘」が良くなった気がする。 ここにボールが来るだろうという「勘」でバットを振ると 見事にバットにボールが当たり、ヒットになることが昨年は多かった。 「勘」だけではなく「慣れ」や「読み」もあったと思う。 だけど守備に関しては打球も片目でしか見えないために距離感が全くつかめず これでは何の役にも立たないと感じていたので数年前から 守備に就くことを完全に諦めた。
野球の打席では「勘」と「慣れ」「読み」で何とかこなせたが、 片目だと怖かったのが車の運転と包丁である。 右目だけだと距離感がつかめないので自然に車間距離は多くとるようになった。 また毎日仕事で包丁を使うが、自分の指を切らぬよう細心の注意を払った。 ただ、やはり運転にしても包丁にしても長い間やっていたので 体が覚えていて、なんとか大きな事故もなく今までやってこれた。
だが今後、このまま放置していても良くなることは絶対にない。 逆に加齢に伴い悪くなることは必至だ。 ならばリスクもあるが、家族の薦めもあり、 思い切って手術を受けてしまおうと決意した。 東京女子医科大学の形成外科で診断してもらった時、 術後はかなり腫れるので安静が必要のため3〜5日間ほどの入院と言われた。 その後、一週間で抜糸、腫れが引くのに1ヶ月近くかかるというので 術後のダウンタイムが長すぎるため、仕事にも差し支えがあり どうしようか悩んだが、どうせやるなら早いほうがいいと思い ようやく決心して今日、再度、東京女子医科大へ行って手術の予約をしてきた。
今まで手術の経験って12歳の頃の盲腸しかないのでかなり不安である。 それも局所麻酔で顔にメスが入るなんて考えただけでも怖いが、 44年以上も見えなかったモノが見えるようになるなら 不安よりも期待のほうが大きいかな。 だけど、手術後はしばらく試合に出ることは無理だろうな。 こればかりは仕方ない。 そんなことより、今さら顔が少し変わってしまう方が抵抗あるかも。 まぁ、美容整形とは違って極端に変わることはないと思うけどね(^^;)
ちなみに入院&手術は5月1日を予定している。 なので開幕から4月中の試合の出場は可能だ。 5月以降はしばらく出場できなくなる。 もし東京ドーム記念試合が5月なら出られないのが残念だが それも仕方ないことだ…。 というか、右足の低温やけどが治らなければ、 東京ドームどころか開幕の出場すら危ういじゃん! それにしても短い日数の入院なのに入院手続きって、いろいろ面倒なんだな。
久しぶりの長文になってしまった( ̄◇ ̄;)
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