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2006年08月30日(水)
東京が2016年のオリンピック候補地に決まった。 東京33票、福岡22票と意外に福岡も善戦したが、 やはり財政面で東京に勝る都市はない。 しかし、本当に立候補するのだろうか…。 正直、東京都民がもろ手を挙げて賛成しているようには思えない。 自分は住居が江東区、職場が中央区なので両区の区報や区民新聞を目にするが この江東区、中央区とも開催反対の意向を表明している。
江東区の有明に選手村の建設が予定されている。 すでにその場所には「2016年・東京オリンピック選手村建設地」の 看板まで建てられている。 江東区よりも強い態度で反対しているのが中央区。 晴海に約10万人収容のメインスタジアム建設や 築地の市場が豊洲に移転した跡地にメディアセンターの建設、 さらに浜離宮ではトライアスロン競技など、 まったく中央区には無断で東京都は話を進めていた。 これに中央区議会が猛反発。ただでさえ、築地市場の豊洲移転の際も 中央区議会は与党、野党関係なく全議員一致で都に対し反対していた。 それを東京都の勝手で豊洲移転を決めてしまったことで かなり不信感を募らせている。 晴海のスタジアム建設予定地は都の所有地なので 中央区は口を出せないらしいが、スタジアム建設となると、 それまで近くにあった中央区所有の運動場や 清掃センターを少し移動しなくてはならないらしい。 また都の独断で豊洲移転を強行した築地市場の跡地は 中央区が中心となり、築地場外で生活している人のための 施設を建設する予定だった。 それがオリンピックのためにメディアセンターになり、 再開発はオリンピック終了後となると場外の人達の生活自体も厳しくなる。 なので今、中央区は東京都に対してたくさんの質問状を送っているようだ。 その質問状に適切な回答がない場合は他の区と組んで 五輪立候補に「反対」する意向すら示唆している。
もし中央区が反対の立場になると同調する区や市は多いと思う。 今回はコンパクトな五輪を目指しているので、東京都内でも 実際に競技に使われるのは城東、城南、中央地区のみで 足立、北、荒川などの城北や練馬、杉並、中野などの城西地区は まったく五輪の恩恵を受けることはない。 また市町村に関しても完全に無視されている状態だ。 それでいて都は勿論、各区市町村の税金が多く使われることになる。 もし、五輪が東京で行われても払わされるだけで 何の恩恵も受けない地区が多すぎなので都内でも賛否両論である。
それに…、敵対する2016年のオリンピック候補地だが、 アメリカ、ロシア、ブラジル、オーストラリアに南アフリカと 各強国が名を連ねることになる。 まだ各国とも候補地の決定はされていないが、 アメリカはサンフランシスコかシカゴという大都市の立候補が予定されているし、 ロシアはモスクワが有力だ。 次のオリンピックは2008年に北京で行われ、2012年はロンドンが決まっている。 北京の前は2004年はアテネだったし、その前の2000年はシドニー。 1996年がアメリカのアトランタだった。 アメリカでオリンピックは1996年以来、開催されていない。 自分は2016年は20年ぶりにアメリカ開催だと最初から思っていた。 または今まで五輪が開催されていない南米やアフリカにも優先権はある。 2008年に北京で開催されるのでアジアでの開催は2016年では早すぎるだろう。 もし開催されるなら、早くても2020年だ。 なので、2016年の開催地立候補は最初から負け戦だと思っている。 負け戦にだと分かっていて多額の税金を投入するのは愚の骨頂だ。 20年も開催されていないアメリカと本気で喧嘩したって勝てるわけがない。 東京という前にアジアという大きな枠組みで見れば、2016年では早すぎだ。
以前の日記にも書いたが、実は東京都の考えは、とりあえず2016年に立候補し、 落選しても続けて2020年の開催地に立候補するつもりなんじゃないかな。 けっこう2016年の立候補に関して東京都の足並みも揃っていないし 国民も冷ややかな感じなので、わざと勝ち目のない2016年に落選し、 国民に「悔しい」「次こそは」という気持ちを持たせ、 順番的にもアジア、オセアニアに巡ってくる2020年に向け、 国民一丸とさせて東京開催にもって行こうとするつもりなのかな。 1988年ソウル五輪に負けた名古屋、2008年北京五輪に負けた大阪のような 二の舞だけはしないだろうから、自分は東京の本命は 2020年の開催と予想しているのだけど…。
しかし、いずれにしても、もし五輪が東京で開催されるとなったら、 いろいろと大変だろうな。 オリンピックでお祭りムードになり、観光客も増えるし 各国から来た人達が日本に落としていく金も多いかとは思う。 だけど、運営費や会場整備にも莫大な金がかかることは間違いない。 いくら既存の施設を使うと言ったってメインスタジアムの建設に伴い、 インフラ整備も必要になってくる。 また、開催中はテロの危険も伴う。交通規制も半端じゃないだろう。 そして、それらは全て税金でまかなわれる。 五輪のせいで税金が上がるのだけは勘弁だな。
とりあえず2016年の開催地決定は3年後の2009年の夏。 それまで熱い招致活動を世界各国に呼びかけていくことになるんだろうが あまり金をかけすぎないでほしいぞ。
昨日の日記に関連した記事を見つけたので少しだけ書くが、 福岡県警は28日夜から29日朝にかけて飲酒運転の取締りを実施。 その結果、飲酒運転による幼児3人死亡事故を受けての取り締まりだったが、 悲惨な事故が大きく報じられた直後にもかかわらず、 55件も摘発され、モラルの低さを浮き彫りにした。 摘発されたのは酒酔い運転が1件、酒気帯び運転が54件、 飲酒運転の基準値には達していないが、呼気中にアルコールが確認され 警告した件数は75件に上った。また無免許など、その他の法令違反は266件。
取り締まりは警察官450人を動員した一斉取締り。 しかし、悲惨な事故の後でも酒を飲んで運転するドライバーは減っていない。 本当に信じられない!あれだけの事故が起きてもなお、 飲酒運転や酒酔い運転で摘発された件数が一晩で55件もあるなんて…。 いったい何を考えてるのか!?人間性を疑わずにはいられない。 まったく他人事としか考えていない証拠だ。
この取り締まり件数、本当に言葉が出ない。 今後も飲酒運転で摘発される件数は減ることはないのだろう…。 そして同じような事故が遅かれ早かれまた起きてしまうのだろう。 もう、この際、摘発された悪質ドライバーの顔写真と名前を 全国に公表してやればいいい!
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