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2006年02月24日(金)
昨夜はいつもより早めに寝て早朝5時に起床。 TVをつけたら5時のニュースだったので、危うくまた寝そうになった。 気合いで乗り越え、ニュースが終わり女子フィギュア。 結局、5時からずーっと最後まで観てしまった。 めざましテレビの小倉智明のテンションの高さを確認してから 8時15分頃に再びベッドに入るものの、 9時くらいに荒川静香がフジテレビブースにやって来ると言うので 9時にまた起きてインタビューを待つが一向に来ない。 すると、10時からの「こたえてちょーだい」の中でインタビューが流れた。 テレビをつけっぱなしにしていて良かった。 その後は仕事に行く時間になってしまったので、 合計睡眠時間3時間半くらいだったな…。なので一日中眠かった。
金 荒川静香(日本)191.34 <SP 66.02(3)FS 125.32(1)> 銀 サーシャ・コーエン(米)183.36 <SP 66.73(1)FS 116.63(2)> 銅 イリーナ・スルツカヤ(露)181.44 <SP 66.7(2)FS 114.74(3)> 4位 村主章枝(日本)175.23 <SP 61.75(4)113.48(4)> 5位 ジョアニー・ロシェット(加)167.27 <SP 55.85(9)FS 111.42(5)> 6位 キミー・マイズナー(米)165.71 <SP 59.4(5)106.31(6)> 7位 エミリー・ヒューズ(米)160.87 <SP 57.08(7)FS 103.79(7)> 8位 サラ・マイアー(スイス)156.13 <SP 55.57(10)FS 100.56(8)> 9位 カロリナ・コストナー(伊)153.5<SP 53.77(11) FS 99.73(9)> 10位 エレーネ・ゲデワニシビリ(グルジア)151.46 <SP 57.9(6)FS 93.56(13)> ---- 15位 安藤美姫 (日本)140.2<SP 43 56(8) FS 84.2(16)>
不振が続く日本選手団。注目度も期待度も頂点に達した状況で、 よくぞここまでの演技ができたものだ。本当に感動。 前に滑ったコーエンが転倒したので、堅くならなければいいと思っていたが、 SPに続き、とても優雅に華麗に演技を披露してくれた。 まるでプレッシャーなど感じていないような完璧な演技だった。 日本人にしては長身でまっすぐな脚線、 柔軟な身体を余すところなく見せてくれた。 最終滑走のスルツカヤとの僅差の勝負となると思っていたが スルツカヤがまさかの転倒…。 この瞬間に決まった。
トリノオリンピックで日本初のメダルが金メダル。 そして、この金メダルは日本フィギュア史上初どころか、 日本の冬季アウェイの個人での金メダルとしても初めてでもある。 またフィギュアではアジア人としても初で、 最年長メダリストでもあるという初物尽くしの金メダル。 長野以来、8年ぶりに君が代が流れ、アメリカ国旗とロシア国旗を従え 日本国旗が一番上に上がった画は最高だ。 早朝に感動を感謝。
サラエボ&カルガリーのカタリーナ・ビット アルベールビルのクリスティ・ヤマグチ リレハンメルのオクサナ・バイウル 長野のタラ・リビンスキー アルベールビルのサラ・ヒューズ。
過去6大会の歴代女子フィギュア金メダリストだが、 必ずしも、その時代のトップを走り続けてきた人が 五輪では金メダルを手にしたわけではない。 NHKのアナウンサーも言ってたが、この10年間、女子シングルを 引っ張ってきたのが欧州チャンピオンのスルツカヤと 全米チャンピオンのクワン。 しかし2人は共に2度五輪に出場しながら手にしたメダルは銀と銅。 オリンピックとは、そういう舞台。 その中で今まで最も「女王らしい女王」と思っていたのが、 サラエボとカルガリーを2連覇したビットである。 技術・美しさとも他を寄せ付けなかった。 今回の荒川静香の演技は、ビットに並ぶ「女王らしさ」だったと思う。 コーエンやスルツカヤがプレッシャーに負けて転倒しなくても 荒川には勝てなかったのではないだろうか。 後半に荒川のこだわりでもあるイナバウアーから 3回転・2回転・2回転も決まり、まさに女王の貫禄を見せ付けた。 演技後には初めて会場がスタンディングオベーションで讃える。圧巻だった。 同じ日本人として誇らしく思えた。
あの演技を見ていた日本の多くの人が、早朝からウルっとしたり、 ジワッとしたりしたのではなかろうか。 大きなミスが無かったとか、ジャンプが決まったとか、 そんな次元ではない何かを感じさせる演技だった。 何処をとっても美しい。ただ滑っているその瞬間が美しかった。 オリンピック代表最終選考の日本選手権の時には 想像できなかった仕上がりに持ってくるのはサスガである。
楽曲も自らが世界選手権チャンピオンになった時の思い入れのある 「トゥーランドット」に替え、それに合わせ衣装も替えた。 間際での変更は、過去の例をとってもあまり良い結果を生まない。 しかし、彼女にとってそんな事はどうでも良かったに違いない。 メダルを狙っての変更ではなく、自分の滑りたいものを オリンピックで表現したい。ただそれだけだったのだろう。
表彰式後のインタビューで
「メダルを取れると思っていなかった」
これは謙遜でも大人の台詞でもなんでもない。 SP3位でも、今の採点システムだと、いかにメダルを取ることが 難しいかを痛感している彼女の本音だろう。 日本中が女子フィギュアにメダルを期待する中、 彼女だけは欲がなかった。もっと別の所を見ていた。 そんな気がする…。
荒川は新採点システムに合わせて大御所の外国人コーチの下から 自らの判断で袂を分かち、別の超大物コーチとすっきりと美しい プログラムを作り上げた。 自分の滑りたい物を妥協なく追求する強さも備えた。 解説者の話によると、専属の栄養士までつけて体作りをしたそうだ。 荒川静香の金メダルは、こんな熱い情熱と努力の下に得られた物である。 スルツカヤやコーエンのミスもあったが、 あの素晴らしい演技が世界に認められた瞬間だったのは間違いない。
いや、それにしても荒川の代名詞でもあるイナバウアーは芸術品だ。 なんであんなに身体を反らせて滑ることができるのだろう。 しかし実はイナバウアーの技自体、今の採点システムによると 要素として全く得点にはならず、逆にバランスを崩したりしたら 減点されてしまう危険と隣り合わせの技なのだ。 なのでコーエン、スルツカヤ、村主などのトップ選手で イナバウアーを演技の中に入れる選手はいない。 1ポイントにもならないイナバウアーを行う時間があれば 少しでもポイントになるステップやスピンを取り入れるのが普通の考えだ。 しかし荒川は強くイナバウアーにこだわっている。 体の柔らかさをアピールするには最適な技ではある。 それよりも以前にイナバウアーについて聞かれた時のインタビューで 荒川はこう話していた。
「ルールを変えるくらいの印象を与えたい」
イナバウアーへのこだわりは荒川の自信の表れなのかもしれない。
荒川にはコーエンやスルツカヤ以上に美しさと現れた時に息を飲む 大きな存在感がある。 「女王の教室」の天海祐希のように背筋が常にピンと伸びて その存在感をさらに大きくしている。 その荒川が現行ルールと拮抗しながら芸術的な美しさを求めて 自分の世界を切り開いた時、本当にルールは変わるかもしれない。 それだけの大きな存在感を持つイナバウアーである。
ちょっと余談だが、実はイナバウアーは今から50年も前の ドイツの選手「イナ・バウアー」の技だったので、 その選手の名前がそのまま技の名前になったそうだ。 他にも、デニス・ビールマンの名前を取った「ビールマン・スピン」とか、 アクセル・パウルゼンの名前を取った最難度の「アクセル・ジャンプ」とか、 フィギュアの技には選手の名前がつくことが多い。 これは体操の「トカチェフ」とか「ツカハラ」とかと同じだ。 だけど、これらは名字か名前のどっちかに、ジャンプとかスピンとかを 足してる名前であるので、そんなにおかしくないのだが、 「イナバウアー」だけはフルネームそのもので、 言うなれば「アラカワシズカ」とか「アンドウミキ」って 名前の技ってことだから、なんか変だと思うのは自分だけかな(^^;
荒川の演技の最後に180度開脚して脚を高く上げて回るスピンで 満面の笑顔を見せていたのが、すごく印象的だった。 以前は無表情で有名な選手だったが、 2004年に世界選手権で優勝した頃から表情が豊かになり、 その分、演技にも幅ができたと思う。 先日のSPの時も、今日も得点が出た瞬間の純粋に驚いた表情と、 金メダルが決まっても周りばかりが騒いでて 本人は「え?金メダルなの?」と、びっくりしていたところが なんか、やっぱり24歳の女の子なんだな〜なんて思った。
極限状態でほとんどミスをしなかった素晴らしい精神力。 会場の拍手や声援、スタンディングオベーションの様子からも 荒川静香が優勝したことに文句をつけられる人はいなかったと思う。
一方、先日の日記「白鳥は順位を気にしない」で 期待していると書いた村主章枝だが、 得意としているフリーは本当に良い演技だったと思う。 素人目に見たら十分に銀メダルの出来だった。 ただSPでの上位との差が開きすぎていたことが悔やまれる。 まぁ、今回の村主はケガを治すのに精一杯だったために、 新採点システムへの対応が少し間に合わなかった気もする。 ちょっと無難に収めてしまったのかもしれない。 しかし、持ち味の表現力の豊かさじゃ誰にも負けていなかった。 新採点システムの関係で得点が伸びなかったが、持ち味は存分に出せていた。 と同時に、今の採点方式だと高い技術力がないと メダルには届かないということが証明されてしまったように思える。 ビールマンスピンや確実に着氷できる3回転ジャンプなんかが出来ないと 厳しい時代になってしまったのかもしれない。 ただ最後の高速スピンは、やっぱり圧巻。 もう鳥肌モノで荒川が暖めた観客に再びスタンディングオベーションを引き出した。 得点が出た時に、その低さから観客がブーイングしたのも分かる気がする。 次に白鳥が舞うのは世界選手権。 独特な村主ワールドを発揮してもらいたい。
最終滑走で大きなプレッシャーのかかった女王スルツカヤ。 今シーズンの実績から彼女の絶対優位は変わらないとて思っていた。 彼女の得点で荒川が金か銀か決まるので注目していたが、 滑り出しを見て、なんか調子が悪いのかな?と感じた。 いつものスルツカヤじゃない感じ。 難病を抱えているし、体調不良だったのかもしれない。 最後は足元ふらついてたしジャンプで転倒した時は本当にビックリ。 この人はジャンプで転ばない人だと思い込むほど ここ数年、失敗を見たことがなかったので。 でも、それがオリンピックの怖さってことなんだろうな。 フィギュアの金メダルをロシア勢が独占も重圧だったのかも。 しかしまさか3位とは…。 悲願の金メダルを獲らせてあげたかった気もするけど、 でもやっぱ日本人としては荒川が勝って嬉しいか。ヾ(^-^;) スルツカヤはソルトレークではサラ・ヒューズに逆転され、 トリノでは転倒して金メダルを逃すという悲劇のヒロインとなった。 そういう意味では歴史に名を残したのかも。 そう、札幌五輪で名を残したのがジャネット・リンだったように。
結局15位まで落ちた安藤美姫はSPの時も感じたが、 滑る前から表情が固くて、かなりオドオドしていたように見えた。 しかし果敢に4回転にチャレンジしたのは良かったと思う。 残念ながら着氷に失敗したが、ほんと惜しかった。 今回の五輪は彼女にとって結果なんてどうでもいいこと。 五輪を経験したというだけで良いと思う。 絶好調だった2003年や世界ジュニア選手権に優勝した2004年に比べると スランプに入ったまま五輪を迎えてしまったようだし。 だけど、まだ18歳なんだし、ポテンシャルの高さは折り紙つき。 4回転ジャンプやメンタル面を鍛えれば 次のバンクーバーには本来の力が発揮できると信じている。 安藤美姫が「しーちゃん」と慕うゴールドメダリストの荒川静香だって、 高校生の時に初の五輪出場、長野で13位になり悔し涙を流したんだから。 バンクーバーでの活躍を期待している。 あっ!その時は浅田真央も一緒かな。 しかし4回転ジャンプって、成功したら一気に9.5ポイントも加算されるとは。 3回転の倍以上なので、成功したら上位に食い込める必殺技なんだな。 リスクが高いのは仕方ないが、せっかく跳べる力があるのだから 無難にまとめるより挑戦したのは本当に大正解。 これからの活躍に期待大の失敗ジャンプだった。
あと印象に残ったのはサラ・ヒューズの妹、エミリー・ヒューズ。 元気いっぱいで観てて楽しかった。 気合いで滑ったる!って感じが凄く頼もしかった。 観客をおおいに楽しませることのできる、とっても良いスケーターだ。 身長が145センチしかないサーシャ・コーエンは相変わらず小さくて華奢。 だけどとてもコケティッシュ。 体操経験のある柔らかさを発揮していたが、やはりシルバーコレクターだった。 ところでコーエンって、まだ21歳だったとは。 なんか14歳くらいから見ているからスルツカヤくらいかと思っていた。
いや〜しかし…、 オリンピックの女子フィギュアは波乱が起こるな。 だけど、とにかく感動させてもらった。 まさにみんな氷上のアクトレス。 さすがトリノオリンピックのメインイベントだな。 朝っぱらから感動、素敵な朝をありがとうって感じだ。
いやなニュースが多い中、やっぱりスポーツの感動というのは良い。 新聞を賑わす民主党の馬鹿げたニュースとかを綺麗さっぱり忘れさせてくれる。 よし次は、いまいち盛り上がりに欠けている感もあるが、 最強プロ選手で構成されたWBCの日本代表チームに頑張ってもらいたいね。
3時からのエキシビションを全部観た後に思っていたことを ズラーッと書いたので、かなり長くなってしまった。 そして窓の外は夜明けが…。 今日も寝不足でフラフラしそう…。( ̄◇ ̄;)
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