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2005年08月02日(火)
ちょっと前に台風5号が南の島を直撃して、 沖縄本島はそうでもなかったが八重山、宮古、与那国などの 離島は大きな被害を受けた。 だけど、こんな離れた場所のニュース、覚えている人は少ないと思う。 しかし、先日来た台風7号は、首都圏を襲う可能性があったため 報道での扱いは5号の時の数倍以上で、前日からテレビでは ガンガンと警告を伝えていて恐怖を煽っていた。 数日前に地震で電車が止まったりしたので、 再び台風でも止まるかもしれないと早くに帰宅した人が多かったため、 そのおかげで帰りの地下鉄はガラガラ状態だった。 だが、気象庁の予想は外れ、時々大雨が降り、特急の類は運転を見合わせたが、 これと言って大きな被害もなく、何でもなかった。 首都圏の直撃はしなかったが、静岡とか神奈川とか千葉とかの海沿いは かなり雨風ともすごかったみたいで、ニュース映像を見て、 あらためて自然の力を認識するとともに、荒れ狂う茅ヶ崎で 平然と波乗りをしてたサーファーたちがテレビのインタビューに ヘラヘラと答えてるのを見て、こんなヤツラが溺れても 税金を使って救助するのかな?などとも思った。
この「台風」と言う日本語の語源には色んな説がある。 中国で強い風のことを「大風(タイフーン)」と呼び、 それがヨーロッパに「typhoon」として伝わり、 そして日本で「台風」になったと言う説。 他にアラビア語の「回転する」と言う意味の言葉「tufan」が 「typhoon」になり「台風」になったと言う説。 ギリシャ神話の風の神「typhon(テュポン)」が「typhoon」になり 「台風」になったと言う説など、どれももっともらしい。 まぁ、どれが語源だとしても英語の「typhoon」から「台風」と言う アテ字が生まれたって部分は一緒だから、どれでもいいんだけどね。
ちなみに自分の場合は、ギリシャ神話が好きなのでギリシャ神話説を信じたい。 なぜギリシャ神話が好きかというと、単に高校の頃に読んでいた 少年ジャンプの「リングにかけろ!」でギリシャ12神が 黄金の日本ジュニアの敵として出ていたからだ。(^^;) その後、なんとなくギリシャ神話を読んだりもした。 しかしギリシャ神話っていうのは、やたらとダラダラと長くて、 めちゃくちゃ複雑なんだが、じっくりと読むと旧約聖書と同じくらいに 面白いSF一大スペクタクル作品なのかもしれない。 めちゃくちゃ複雑なギリシャ神話だが、思いっきり簡単に書けば、 女狂いのゼウスって神様が、自分の姉だの娘だのと近親相姦しまくり、 やりたい放題に大暴れするって言うハチャメチャ物語だ。(^^; それで色んな神様が出て来るが、その中で一番強いのが、 全知全能の神・ゼウスで、その次に強いのが「台風」の語源になったと言われる 風の神テュポンなのだ。
ギリシャ神話は、とにかく古いものだから様々な翻訳があり、 ストーリーも複数ある。 この風の神・テュポンも、テュポーン、テュフォン、テュポエウスなど 訳者によって呼び方が違うし、その誕生にしても複数の説がある。 しかしビジュアルはほとんど同じで、基本的には上半身がマッチョ、 下半身がトグロを巻いてる大蛇で、両肩から100匹のドラゴンが生えている。 そして主な攻撃は稲妻と炎で、その大きさたるや頭は天に届き、 手を伸ばすと右手は東の海に、左手は西の海に届くと言う。 だからガチンコならゼウスよりも完全に強いと思う。
とりあえずギリシャ神話の最初の部分は、どの訳でもほとんど同じで まずは、光も闇も天も地も何も無い状態、カオス(混沌)から始まる。 そして、このカオスから最初に誕生したのが大地の女神「ガイア」だ。 ガイアは4人の子供、天の神「ウラノス」、海の神「ポントス」、 暗黒の神「エレボス」、愛の神「エロス」を産む。 それからガイアは自分の子供、ウラノスと結婚して男6人、女6人の子供を作る。 この12人の子供は全員すごく強くて「ティターン(巨神)」と呼ばれるようになる。 だけどウラノスは自分の子供たちを嫌い、子供たちに酷い仕打ちをする。 それにムカついたガイアは12人の子供のうちの末っ子のクロノスに 大きなカマを渡して、ウラノスをやっつけるように言う。 それでクロノスは寝てるウラノスに忍び寄り、こともあろうに ウラノスの男性器を切り落とす。 それで大事な男性器を切り落とされたウラノスは捨て台詞を残して逃走。 これまで、すべての登場人物って言うか、登場する神様は、 みんな親子関係にあるってことだ。 つまりギリシャ神話ってのは壮大な近親相姦と家庭内暴力の物語なのだ。(^^; さて、オヤジの男性器を切り落としたクロノスは、 ウラノスの捨て台詞が頭から離れずにノイローゼになり、 自分の5人の子供であるヘスチア、デメテル、ヘラ、ハデス、ポセイドンを みんな飲み込んでしまう。その上、12人の兄弟と一緒になって世界中で大暴れ。 それでクロノスの奥さんであるレアは、クロノスに薬を飲ませて 5人の子供を吐き出させて助けた。 ここからがギリシャ神話の最初の大戦で、クロノスたち12人の兄弟ティターン軍と、 クロノスの子供たちの戦いになるが、子供たち5人じゃ勝ち目が無いので この時に子供たちの方に加勢したのがゼウスなのだ。 もちろんゼウスが味方についたくらいじゃ、まだダメなので 大地の底に閉じこめられてた巨人、3人のヘカトンケイルと 3人のキクロペを救い出して、この6人も味方につけた。 これで12対12になったってワケだ。 ヘカトンケイルは100本の腕を持つ巨人なので、 一度に50個の大岩を投げることができる。 それが3人もいるのだから、ものすごい攻撃になる。 3人のキクロペは助け出された時に、 大地の底から持って来た雷と稲妻をゼウスに授けた。 これでゼウスの戦闘力は格段にアップ。 そして、ものすごい戦いの末にゼウスたちは勝ち、 負けたクロノスたち12人の兄弟は暗黒世界に閉じ込められた。 この時からゼウスは全知全能の神になり、クロノスの5人の子供たちは ハデスは地底世界の神、ポセイドンは海の神って感じに、 それぞれに世界を分け与えたことになっている。
ここまでがギリシャ神話の最初の部分で、 ここから先はオリンポスの神々の平和な物語へと進んで行くのだが、 今度は、このゼウス率いるオリンポス一族と、 色んな敵との壮絶な戦いが始まるのだ。 全部を書いてたら、いくら短く書いても、ものすごい長さになるので 興味のある人は図書館でギリシャ神話を借りて来て自分で読んでくれ。 大相撲ダイジャスト的に書くと、たとえばギガス族。 これは「Gigas」と書き「giant(ジャイアント)」の語源になってる名前だ。 ギガス族は全身が獣の毛に覆われていて、両足に蛇のウロコが生えている巨人族。 オリンポスの神々と壮絶な戦いを繰り広げるが、複数形になると ドラクエでおなじみの「ギガンテス」になる。 ちなみにドラクエにはギリシャ神話から多くの名前が使われているらしい。
さて、いつまで経っても肝心の「台風」の語源、 テュポンが出て来ないので、この辺で話をワープ。 ある日、ナイル川の河原で、ゼウスたちが飲めや歌えやの ドンチャン騒ぎをして楽しんでたら、そこにドカーンとテュポンが登場。 テュポンは天にまで届くほどの怪物で、火は噴くは雷は落とすはで、 とてもゼウス達は太刀打ちできなくて、ゼウス以外の神様は みんな動物に姿を変えてエジプトまで逃げてしまった。(^^; だからエジプトの神様は、みんな動物の姿をしてるって言われてるのだ。 たったひとり残ったゼウスも、頑張って戦ったが、 テュポンの圧倒的なパワーの前にはなすすべもなく、 両手両足のスジを切られ、洞窟に閉じ込められてしまう。 それで、ここからがまた複雑なので大幅にカットするが、 色々とあってゼウスは仲間に助け出される。 そして態勢を立て直したゼウスは、新しい武器も手に入れて 翼の生えた戦車に乗って今度は空から攻め、 持てるすべての力をふり絞って雷と稲妻の連続攻撃を繰り出した。 それで形勢の危うくなったテュポンは海の中へと逃げて行ったが 追いかけて行ったゼウスは、テュポンに大岩を投げつけ下敷きにした。 その大岩は、そのまま島になり、現在では「シチリア島」と呼ばれてる場所だ。 だけどテュポンは今でも生きていて、大岩の下から炎を吐き続けてる。 それがヨーロッパ最大の大火山「エトナ火山」なのだ。
そんな訳で、全知全能の神・ゼウスですら、 色んな武器を使わなかったら勝てなかったギリシャ神話最強の怪物・テュポン。 そんなモンスターの名前を語源とした「タイフーン(typhoon)」が、 昔の人たちには、どれほど恐れられてたかってことが分かる。 そして、もうひとつ昔の人たちに恐れられていた伝染病 「チフス(typhus)」も「テュポン(typhon)」が語源なのだ。
でも今は、世界中の人々が恐れているのはテュポンよりも、 何でもアメリカの言いなりになって世界中に大迷惑をかけまくってる 「ニッポン」なのかもしれない…ヾ(^-^;) おあとがよろしいようで。チャンチャン。
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