馨絵詞〜かおるのえことば
楽しいことも、そうではないことも。

2004年10月29日(金) キティちゃんの奇襲

風邪を引いてしまいました。
やれやれ。
季節の変わり目ってやつにやられる典型的なパターン。
急に寒くなりましたからね。
皆様も、くれぐれもご自愛を。

   ◆

ちょっと必要に迫られて、キティちゃんの絵を描くことになりました。
課題でやってるミニコントで漫画家2人ってのがありまして。
はい。

キティちゃんってとてもシンプルなんですね。
だから、こんなモン1分もあれば2個描けるゼ、って思っていたんですが、これがなかなかどうして。
シンプルであるために、線のバランスが少しでも崩れるともうまったくベツモノになってしまう。
エンピツで何べんも下書きして、何べんも消して。
まさかキティちゃんにここまで踊らされようとは。

やっと満足いくラインが描けてペン入れです。
ここまで来てしまえばこっちのモン。
いやいや、何であれ、侮ってかかると思わぬ苦戦を強いられるものです。

その次に描いたのがリアルのび太。
劇画調というか、線が太くて何かコワイのび太。
こっちはさらさらと進んで、一度も消しゴムを使うことなくペン入れ。
絵としてはこっちのほうが断然複雑なのに。
むむう。

で、そんなことして夜更かししているから風邪を引く。
今回の風邪、原因はキティちゃんです。
可愛い顔して侮れないヤツです。

皆様、くれぐれもご自愛を。
まじで。



2004年10月20日(水) 駅の掲示板

当日記が開設されてより、延べ1万6千人の方にいらっしゃっていただきました。
ありがたいことであります。
ありがたいことであります。

   ◆

駅の構内に掲示板ってありますね。
「カオルへ 東口出たところの喫茶店で待つ イナバ」みたいなの。
拾得定期券情報板とは違うやつね。
先日あれに 「もう僕のことは探さないでください ウォーリー」 って書かれてました。
地下鉄の日比谷駅構内の掲示板です。

ウォーリーのネタそのものはともかく、あの掲示板に駅員さん以外の人による文字が書かれている状態、というのが妙に新鮮でありました。

皆さん、あの駅の掲示板に何か書いたことってありますか?
小ネタを披露するとかじゃなくて、通常の設置目的に沿った内容を。
無い、でしょう、きっと。
書かれているのは何度か見たことある。
が、書いたこととなるとありません。

掲示板が導入されたころは頻繁に使用されていたのかもしれません。
しかし携帯が普及し尽くした現在では、待ち合わせ相手に何かを伝えたいとき、その手段として駅でチョークを握ろうって発想はなかなか出てきません。
仮に掲示板を使用したとしても、伝えたい相手だって、まさか自分に対するメッセージが掲示板に書かれているとは思わないでしょう。

掲示板を使用した、そして相手がそれを読んでくれて問題を解決できたって経験ある方、ぜひその詳細を稲葉にお教え願いたい。

   ◆

しかし掲示板は今でも確実に設置されているんですね。
担当の駅員さんがいるんでしょう、日付・曜日は毎日ちゃんと書き換えられている。
一日の終わりに、きれいなままの掲示板の日付を書き換える駅員さんの画というのは情緒があると思います。

こないだ周りの人間に掲示板について聞きました。
やはり書き込みをしたことある人はいませんでした。
小ネタとして 「チン毛9割 ワキ毛9割5分」 というのを見たという証言を得ました。
なんですかね、ほとんどがチン毛である、ワキ毛はそれ以上である、ってことですか。
わざわざ駅で手を白くしながらこんなモン書くってのは、なかなか勇気を要することです。
密室で行われるトイレの落書きと比べて、なんとオープンでライトな遊び心でしょうか。

チン毛・ワキ毛はともかく、普通の待ち合わせなんかの内容であっても、衆目にさらされる掲示板に書き込みをするってのにはやっぱり多少の気恥ずかしさがあります。
携帯のおかげで奥ゆかしいという以上にシャイになっている人たちにとって、あの掲示板は設備というよりは壁の一部になってしまっているんですね。

それでも、自分が何かを書くわけではないにせよ、残しておいてほしい物ではあります。



2004年10月14日(木) 金縛り体験記

生まれて初めて「金縛り」を経験しました。
いや、正確には経験しかけたと言うべきか。

とってもとっても眠かったのに何故か寝苦しかったんですね。
暑いわけでもないのに、なにか眠りが妨げられる。
いや、確かに寝ている、だけど意識がある状態。
なんか落ち着かない夜。

熟睡しているときはともかく、稲葉は意識があるときは真上を向いて寝ることはしません。
左右どちらかを下にして体を横向きにします。
なんか嫌なんですよ、仰向けで寝るってのが。
無防備な感じがするというか。

この時は左半身を下にして寝ていました。
左手は枕の下にあり、右手は軽く握って口の前あたりまで曲げて持ってきていました。

   ◆

始まりはよく分かりませんでした。
徐々に体の自由が奪われていきました。
一気にズンッと動けなくなるんじゃなくて、じわり…じわり…と。
はじめのうちは「?」なんですが、起こりつつあることを理解して焦りが強くなってきます。

まずい…まずい……まずい!
この時は意識ははっきりとしていました。
曲げている右手を伸ばそうとし、同時に伸びている足を曲げようとするんですが力が入らない。
もどかしい、ただひたすらに。
手の指先はまだ動きます。
完全に石になる前になんとかしなくては…。

   ◆

石化が進むにつれて、不快な音が耳に響いてきました。
意識はあったのに、この音に関しては記憶が曖昧でうまく表現ができません。
ただ、不快で恐怖な音でした。
ホラー映画で化け物の気配を表現する音とでも言いますか。
化け物がジャーンと出てきた後の音ではない、その少し前の段階の音。

それがだんだん大きくなってくる。
いや、近くなってくる。
壁の向こうにあった音が、稲葉の部屋に入ってきた瞬間を認めました。

自由が利かなくなったときはまだ冷静でした。
体が眠っていて頭だけが起きているんだ、と科学的(?)に状況を把握していました。
しかし音が近づいてきたら、もうそんなこと言ってられなくなりました。

音が人に与える恐怖というものは侮れないものがあります。
ホラーの演出で音に頼るところが大きいのは非常に理にかなっています。

   ◆

ナニかが稲葉に忍び寄っています。
ここですべて封じられてしまえば、何をされるか分かりません。
強引に冷静になって、いちど体の力を抜きます。
そして、せーのぉッ! で大暴れをしてやりました。

振り切りました。
すごく重かったけれど、振り切って自由をもぎ取りました。
奇怪な音ももう聞こえません。
終わりました、すべてが。

疲れた。
ものすごく疲れた。
しかし、俺は勝ったぞォー的な、俺は自由だァー的な心地よい解放感もまたあって、すんなりと、そして今度はぐっすりと眠ることができました。
朝の目覚めはいつもと何ら変わるところがありませんでした。
ふーう。

体が動かなくなることについては理屈が利くから良いんですが、音に関しては正体が掴めないままです。
多分、恐怖した稲葉が勝手に作った音なんでしょうね。
ほら、金縛り体験談って「足音がした」とか「鼻息が耳元でした」とか付いてくるじゃないですか。
そんな予備知識があったから、自己演出(それも過剰な)しちゃったんだろうな。
そんな稲葉自身がとても口惜しい。

さて、この日記を登録したら稲葉は布団にもぐります。
平和な夜が来ると良いな。



2004年10月08日(金) ○→美白  ×→美は苦

2004年10月7日(木)付の産経新聞に 「西郷どん」は「最後うどん」 なる珍妙な見出しがありました。

日本漢字能力検定協会(いわゆる漢検ですね)が主催する「漢検“変漢ミス”コンテスト」の記事。
パソコンやワープロの変換ミスのユニークさを競うもので、このたび第1回目の月間賞が発表されました。

最も得票数の多かったものが
 ○→「誰か、ビデオとってるやついないか?」
 ×→「誰か、美で劣ってるやついないか?」

次点が
 ○→「正解はお金です」
 ×→「政界はお金です」
だそうです。

こんな風に、ただミスが面白いだけでなく、安直ですけれども風刺も効いてるあたりが一味あって良いです。

いくつか紹介されていた中で稲葉が気に入ったものを挙げますと
 ○→「模様替え日」
 ×→「模様が海老」
   ビジュアル的な面白さはぴか一。
 
 ○→「申し合わせ事項」
 ×→「もう幸せ事項」
   良いじゃないですか。新婚さんですかね。

 ○→「渡しといてください」
 ×→「私と居てください」
   事務的な依頼が情味溢れるお願いに昇華されている傑作。

産経新聞からは離れますが、街角で無料配布されている『R25』という小冊子からは
 ○→「うちの先生、小山田っていうの」
 ×→「うちの先生、女形だっていうの」
   稲葉が大学で日舞を教わっていた先生は下の方が正解だったなあ。

硬いイメージのある漢検ですが、こういう企画も立てるんですね。
「パソコンやワープロの普及が進む中、しばしばみられる変換ミスを逆手に取り、正しい漢字使用の重要性を再認識してもらうことが目的」だそうです。
この本来の目的に対してどれだけ効果があるかは、正直、微妙だと思いますが、面白いものは面白い。

稲葉も過去に
 ○→「縮こまっちゃう」
 ×→「知事困っちゃう」
という失敗例がありますが、これは
「ちぢこまる」→「縮こまる」
「ちじこまる」→「知事困る」
というところに起因する、つまり「変換ミス」ではなく「入力ミス」なんですね。
惜しい。

来年5月まで毎月コンテストを実施し、最後に年間変漢賞を決めるそうです。
ちょっと注目しても良いかもです。



2004年10月06日(水) 日記、大ピンチ

これまでパソコンのトラブルによってしばらく日記が書けないってことが何度かありました。
学生だったころは学校のパソコン室を使ったりしてしのいでました。

今回は別のトラブル。
パスワードがね、分かんなくなっちゃったの。

稲葉家のパソコンを組み直したんです。
で、パソコン内の文章やメールアドレスやお気に入りのページを全部書き出したんです。
で、軽くメンテナンスされたパソコン。
日記書こうとしたら、パスワードが分からない。

   ◆

他の人が勝手に書き込めないようにするためのパスワード。
しかしこれをいちいち打ち込むのが面倒だったんで、載せっぱなしにしておいたんですね。
日記を書こうとすると

ID: 29900
パスワード ●●●●●●

ってすでに記入されているように設定。
消えちまったらもう思い出せない。
初期のころはいちいち記入しているから頭が忘れていても指が覚えているかなー、なんて。
だめだめ。
記憶なんて時として非常にもろい。

だからさ、何が大変ってさ、上部の帯ですよ。
「頑張れ、イチロー」で滞っちゃった。
ご存知のようにイチローは新記録を打ち立てました。
当然「やったねイチロー」に書き換えるべきなんですよ。
それがまあ、たった数文字分からないだけで手も足も出ないんですから。
いつまでも「頑張れ、イチロー」ですよ。
新記録どころかシーズン終わってるんですよ。
ああ、ダッサイなあ。

やっと「やったねイチロー」になったわけだけど、それにしても機を逸した口惜しさは消えませんね。
ちくしょー。

   ◆

パスワード忘れた人のために再発行のサービスがあります。
しかし、稲葉はこのサービスを受けられなかったのです。

というのも、この日記は後輩に開設してもらったので、当然、後輩のPCアドレスで管理サイトに登録されているわけです。
稲葉のアドレスを入力しても「そんなアドレスは知らねぇっ!」と突き返されるばかり。
日記を開いてくれた後輩に助けを求めればよいんだけど、彼女は遠くドイツに行っちゃってる。
もう泣くかと思った稲葉24歳男の子。

管理サイトにメールを送って事情を訴えました。
稲葉 馨本人であることを証明するために、彼女が当時使っていたアドレスも添えて。
どきどきと返信待ち。

ああ。

話せば通じるんですね。
顔が見えないのに暖かさを感じることってあるんですね。
本人だろうと判断してくれて、稲葉の現行のアドレスに登録更新したうえでパスワードを教えてくれました。
ありがたや。

で、パスワード。
ここ数日、必死で思い出そうとしていたパスワード。
ああっ、それだ! とモニターの前で膝をポンポン叩きまくった。
もう忘れねえ。
メモも取ったし。

あと、面倒でも毎回いちいち打ち込むことにしました。
『馨絵詞』めでたく復旧です。


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稲葉 馨

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