馨絵詞〜かおるのえことば
楽しいことも、そうではないことも。

2004年03月30日(火) ドクンドクン

たとえばおうちで。
自分の部屋で1人で、ですね。
ボーっとしてる。
なんとなくテレビ眺めて、お茶をすすったりしてる時。

ぐらんぐらんと揺れを感じます。
「地震かな」と一瞬ドキリ。
でも他の家具は揺れていない。

はて、と考えます。
で、震源地が自分の心臓だって気付いた時。

心臓のドクンドクンってリズムに身体のほうが揺さぶられる。
あー、稲葉の心臓、ちゃんと動いているなーって。
聴診器で心音を聴くのなんかよりずっとリアルに感じます。

そういうのを感じちゃうのってちょっと嫌だったりもします。
なんかね。
気持ち悪い。
気味が悪い、の方が近いかなあ。
アレはどうやって動いているの?

ドクンドクンと心臓が動く。
身体が揺れる揺れる。
これが止まっちゃったらって考えると、ねえ。
たまらなく嫌。
だから揺れを感じるのが怖くなって無駄に身体を動かそうとする。
椅子を立ってみたり。
本棚に手を伸ばしに行ったり。
そうすっと心臓が何とか動いていてくれることを忘れられて。
ちょっと安心してしまうのです。

ドクンドクン。
稲葉はいま、確かに生きています。
良かったなあ。



2004年03月27日(土) 安定感のある舞台を

この金・土・日曜日、お芝居の舞台に立っていました。
音響あたりはちょくちょくやってましたけど、役者として舞台に立つのは1年と1ヵ月ぶり。
共演者たちは1年ぶりであることをいろいろ言ってくれました。
でも稲葉本人はそれ自体にはあんまり感慨は無かったなあ。
その辺はたんたんと。

   ◆

舞台ってのは回によって出来が全然違ってくるんですね。
これが映画と最も性質を異にするところのひとつで。
役者のコンディションだったり、トラブルだったり、お客さんの雰囲気だったりと要素はまあいろいろ。
毎回まったく同じ出来・クオリティーを出すのは不可能なんです。

「2ステージ目を観てくれた人には申し訳ないなあ」とか
「○○さんには5ステージ目を観せられて良かったなあ」とか思うわけです。
後者はともかくとして前者は、ねえ…。
でもどの舞台にしたって、どちらの感想も持っちゃうんです。

前者みたいな感想を持たないような舞台をやるのがいわゆるプロなんでしょうね。
毎回毎回、まったく同じとは言わないけれど、ある程度以上の出来を維持したいもんです。
この辺、稲葉なんかまだまだ不安定。
ふむ。

今回、何ステージ目がマズかったみたいなことは書きません。
劇場に足をお運びくださいました方には等しく感謝申し上げます。

でもね、千秋楽は尋常でなく楽しかったな。
あんなに爆笑の中でお芝居をやれたことは過去に無かったと思う。



2004年03月25日(木) 振り袖咲いた

1年前のこの日に稲葉は大学を卒業しました。
そして今日。
たまたま寝過ごして行っちゃった先の駅で、大学の同輩と偶然会うというドラマみたいな出来事。
お互いに時間が無くて話はまったくできなかったけれど、あの子が元気そうだったのを確認できたのはとても嬉しく思います。

   ◆

で、今年は1つ下の後輩が卒業しました。
月並みな感想ですけど、早いですね。

振り袖姿の後輩が握手して来ました。
なんかものすごーく長い時間、手をぶんぶんされました。
その間、彼女と初めてあった時のことがぼんやり浮かんでました。
だからその時素直に「卒業おめでとう」を言ってやれませんでした。

しばらくして、次から次に後輩と会うことができました。
世辞を抜きにして、振り袖姿が最高に似合っていました。
カメラをたくさん預かって、写真撮影をたくさん頼まれました。
涙はまったく見られない、きゃっきゃした雰囲気でした。
涙が流れるより、賑やかな卒業式のほうが稲葉はずっと好きです。

この日は朝から曇天模様。
昼過ぎには少し雨も降りました。
桜も咲いているのに、振り袖も笑っているのに。
春の雨はつくづく無粋でいけないと思います。

卒業おめでとうございます。



2004年03月23日(火) ラスト稽古

江角マキコさん、納めてませんでした。
お粗末だなあ。
別に江角さんを国会に招致したってしょうがないと思うわけです。
気になるのは、CMのオファーが来たとき、「あたし、実は未納ですけど」って何で言わなかったのかということ。
そんな仕事、ふつう未納だったら受けられませんよ。
バレないとでも思ってたのかなあ。

   ◆

お芝居本番前最後の稽古でした。
本当は明日もあるんだけれど、ここは身体を休めようってことで無くなりました。
ここんとこ、とにかく睡眠が足りてません。
なのでこのお休みは非常にありがたい。

衣装もメイクも小道具もそろい、台詞・段取りも全て頭へ叩き込み完了。
最後の稽古では通し稽古みたいなことはしませんでした。
細かい段取りやハケ口の確認だけを、ざあっとやって終了。
最後はこういう軽めに流す感じのほうが稲葉はしっくりきます。

まあ、中には通し稽古をきっちりやりたいって思う役者さんもいますけどね。
ただ、ここでふっと力を抜くことで、かえって本番に向かって涌いてくる気持ちってのもあります。
稽古は軽く流しておしまい。
ふつふつと静かに涌いてくる闘志を、今は抱いて眠って、来たる劇場でドカーン。

ということで稲葉、いよいよ本番であります。



2004年03月20日(土) 便利だけど厄介な機能

14000ヒット超え。
稲葉 馨と『馨絵詞』があるのはひとえに皆さまのおかげであります。

   ◆

携帯電話には、他人に勝手に操作されないように、或いはカバンの中なんかで誤作動しないように、ってんでロック機能があります。
いっぺんロックしたらば、電話かけることも、メール送ることも、写真撮ることもできやしない。
できるのは着信を受ける、メールを受信する、電源のON・OFF、ロックの解除……くらいのもの。
使い方によっちゃありがたい機能です。

でもね稲葉の今の携帯はパカパカするタイプなんですね。
カバンやポッケに無造作に突っ込んでいても誤作動なんてしない。
だからロック機能使ってなかったんです。
以前のパカパカしないタイプの時は、知らない間にメモリ番号が若い友人に電話かけちゃったりしてましたけどね。

   ◆

電車に乗っていて暇だったもんで、電話いろいろいじってました。
したらロックがかかっちゃった。
ロックするつもりなんか無かったのにロックされちゃった。
焦りました。
解除の仕方が分からない。
いったん電源切って、再びONしたら解除されてるかと思ったけど目論見ハズレ。

もう何にもできなくなっちゃって、途方に暮れて寝ちゃいました。
パカッと開けて待ち受け画面見て「うん、今日も大学の校舎と空がキレイに写ってるなあ」って思うしかできないんだもん。
「ちゃんと3本立ってるなあ」とか。
裏に貼ってある後輩とのプリクラ見て「そーか、この時からもう1年かぁ」とか。
いや、大学を卒業する前日に後輩と撮ったプリクラが貼ってあるのよ。

今は解除されていてちゃんと使えるんですが、解除の仕方は分からないまま。
どっかのボタンを長時間押せば解除されるだろう、との読みで頑張りました。
それが良かったのかどうか、良かったとしたらどのボタンが決め手だったのか。
さっぱり分かりません。
地味に小ぢんまりとした、しかし本気の熱い格闘。

すっかり踊らされているような気分がしてすんごく悔しかったっす。
不意のロックにご用心。



2004年03月16日(火) こんな戦闘準備

稲葉は来週の週末に舞台に立ちます。
役者として舞台に関わるのは1年1ヵ月ぶり。
がんばるぞ。

つってんのにこのタイミングで風邪を引きました。
くっそう。
この時期に風邪を引くなんてダメダメです。

本来はダメなんですが稲葉は同時に少し安心もします。
だってここで倒れておけば、本番ではもう風邪引かないでしょ。
稲葉は過去に2回、お芝居の本番で倒れています。
以来、本番となると風邪が怖くて。

台詞よりもお客さんによる緊張よりも、風邪のほうがずっと怖い。

   ◆

というわけで本番前に倒れるのも稲葉にとっては準備の1つだったりします。
早めに倒れて、抗体作って本番元気。
1年前の舞台でも本番前にしっかり倒れています。

今の風邪が完治したらいよいよ稲葉、臨戦態勢です。

も・ち・ろ・ん、風邪は引かない方が良いのは言うまでもありませんけどね。



2004年03月14日(日) ホワイトデー間近のお菓子屋さん

ホワイトデーですねぇ。
一応稲葉だってお返しを考えたりはします。
で、その手のお店へ。
お菓子屋さんなんて普段行かないから、まして人にあげるものだから、すごく慎重にお菓子を比べっこ。

ただ、稲葉はお菓子を食べることもあまり多くありません。
だから見本を見ても味のイメージが分からない。
結局、見た目重視の判定になってしまう。
可愛さとかゴージャス感とか。
難しいなあ。

今年もお菓子屋さんをぷらぷら。
ホワイトデーってことでお客さんたくさん。
賑やかでした。

でもお客さんの9割以上は女性でした。
結局のところ、バレンタインもホワイトも盛り上がるのは女の子なんですかね。
こういうのを素直に楽しめる女性ってなんか良いです。

えーい、太ってしまえ。



2004年03月11日(木) 聞き間違い・読み間違い

こないだ母親が「新興宗教に行ってきた」なんて言ってました。
いやあ、びっくりしました。
「行こうと思う」なら説得のしようもあるんですが、既に「行ってきた」。
完了してる。

どうしたもんかと思ってたら「新光証券」だったんですね。
「新興宗教」じゃなくて。
いやあ良かった良かった。

   ◆

トラックの後部にステッカー、貼ってあるじゃないですか。
「安全運転宣言」とか「お先にどうぞ」とか。

稲葉の運転する前を行くトラックに「連合軍」とあるステッカーを発見しました。
タカ派なトラックだなーと思いながら追従走行していました。
でもやっぱり変なんですね。
飾りつけられたダンプカーなら「連合軍」でも良いんですけど、どうみても固いイメージのトラック。

気になって近づいたら「適合車」だったんですわ、これが。
環境に配慮してるよ、ってことを示すステッカーです。
これを知りたいためにちょっと無茶した車間距離。

そんな日々。



2004年03月08日(月) 行きつけのてんや

日暮里の和民の前で、酔っ払っているおじさんが女の子を口説いていました。
たぶん会社の上司と部下と思われます。
お疲れーって飲んだ後なんでしょう。

かなり酔いが回っているおじさん。
女の子の方も酔ってはいるんでしょうが、まだだいぶしっかりしてる。

おじさんは女の子の気を引こうと必死。
でも酔っ払ってますからね、言ってることはあんまり要領を得ません。

そんな中でおじさん「今度別のお店行こうよ」と攻めます。
また飲みに誘うつもりのようです。
女の子は「そうですねー」とあたり障りなくいなします。
畳み掛けるおじさん「行きつけの店があるんだよ、ほら、ここ。てんや」と来ました。

ここで出すか「てんや」を。
日暮里のてんやは和民の隣にあるんですね。
おじさんは「今度…」と言いながらも足は既にてんやに入ろうとしています。
でもてんやさん、もう店じまい中。
あれあれ。

女の子を行きつけの店、つまりは自分のホームグラウンドに誘うのは至極真っ当な戦略であります。
でありますが、てんやはこの場合ハズレと言わざるを得ません。
お昼休みなら構わないんですけどね。

きっと良いおじさんなんだと思うなあ。
ちょっとがんばれ。



2004年03月05日(金) 内回りの孫悟空

松屋フーズが期間限定で牛めし復活。
米・濠・日のブレンド牛。
やってくれるじゃんか、松屋。

吉野家も豚丼値下げ販売。
また吉野家有楽町店はマスコミでごった返していました。
カメラの前で少し緊張気味のあの人は店長さんなのかなあ。

豚めしも悪くはないけど、やっぱり牛めしは良いです。

   ◆

話は変わります。

ちかごろ山手線でドラゴンボールのキャラクターが描かれたものが走っています。
『ドラゴンボール』のDVDボックスのPRなんですけど。
少年孫悟空だったり亀仙人だったり。
毎日の通勤で一瞬うきうきします。

でも一瞬なんですよ、うきうきできるのは。
だって乗っちゃったら、もう見られませんからね。
次の駅に付くころにはとっくに悟空はどっか行っちゃってますからね。
壁の向こう側にいるのに。

どうせなら電車内にも何かできませんかね。
筋斗雲を吊るすとか。
網棚に神龍がからまってるとか。
ワンポイント英会話流しているモニターにアニメ映すとか。
停車駅の案内が野沢雅子さんになってるとか。

どーせならJRさんもこれくらいやってもらいたいもんです。
まあ、無理でしょうけんども。



2004年03月02日(火) ちょっとチェロ

チェロって楽器、ありますね。
バイオリンの親分みたいなヤツです。
近頃この楽器の魅力にやられつつあります。

溝口肇っていう作曲家でチェリストの人のアルバムをレンタルしてきました。
『世界の車窓から』のテーマ曲が欲しくて。
そう、溝口さんは『世界の〜』の曲を創った人。

とりあえず『世界の〜』だけが目当てで借りたんですが、他の曲もなかなかどうして。
チェロの低ぅーい音から始まる曲にぞくぞくします。
これは、ちょっと良い出会いをしたかもしれない。

稲葉が一番好きな楽器はピアノに尽きるわけです。
静かなピアノ曲がなんとなく流れているような情景が好き。
たまらなく好き。

いま、チェロがピアノを追いかけ始めました。
まだまだピアノのトップは揺るがないわけですが、こういうところに動きがあるとちょっと嬉しかったりします。

ところでバイオリンを弾く人はバイオリニスト。
チェロを弾く人はチェリスト、なんですね。
チェロリストじゃないのね。
これだと自爆とかしちゃいそうですから。


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稲葉 馨

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