馨絵詞〜かおるのえことば
楽しいことも、そうではないことも。

2003年08月29日(金) ちょっとした安らぎ

手をどこかに挟むのが好きです。

ソファーや電車のいすなんかで、クッションとクッションの間に手をぐりぐり突っ込んでしまいます。
無意識のうちに。
手を何かに挟むと、なんともいえない安らぎ、落ち着きが得られます。
あれ、良いね。

そうしてるときは考え事もしないのです。
だだひたすらに、だららんとします。

寝ているときも必ず手は頭と枕、或いは枕と布団の間に挟んで固定。
良い夢が見られます。

イスに座ってるときだと両膝とか両太ももの間ね。
両手を合わせて太ももに挟んでボォーっとしてるのがたまらなく気持ち良い。
これだと足が閉じて内股になって座り方が女の子みたくなっちまいます。
稲葉は座り方がどうも女の子っぽいのですが、原因はこれね。
やめらんないのさ、でも。

これってさ、けっこう分かってくれる人、多いですよね。
どうかなあ。



2003年08月23日(土) 暑くなければそれで良い

音響としてお芝居に参加することになりました。
劇団プルっていう大学で旗揚げした劇団です。
これまでこの劇団ではずうっっと役者としてやってきましたが、今回初めて裏方さんとして参加します。
音響という役職自体は自分が作・演出したお芝居で一度やっています。

詳細はいずれ書きますので、本番とか、観にこられるのもよろしいかと。

しかしお芝居って、時間を取られるものだと改めて思います。
ひたすらに時間がほしい。

   ◆

クーラーが苦手です。
あの人工的な空気が好きになれません。

確かに、電車に乗った瞬間、銀行に入った瞬間の涼しさはたまりません。
汗が引いていくのは気持ちが良いです。
ただ、一瞬だけで良いのです、稲葉の場合。

稲葉はお腹が弱いのです。
電車なんか、降りたあと、温度差ですぐにお腹がくるくるしてしまいます。
だからバイトとかいつも体調最悪な状態でスタート。

塾とか劇場とか、冷気に耐え切れずに苦しみました。
上着持ってきゃ良いんでしょうが、外が暑いのは確かだし荷物になるしイヤ。

弱冷房車くらいがちょうど良い、と個人的に思ってるんですが、他の人ってどうなんですかね。
夏なのに寒さに震えるっつうのは贅沢とか通り越してバカみたいだなあ、なんて。

暑くなければそれで良いのです、涼しいとか寒いとかまでいかなくても。

   ◆

そうそう。
夏の電車といえば、屋根に扇風機が付いていてぐるぐる回ってるのがありました。
あれは冷えすぎないで気持ち良かったです。
しかし最近は冷房が当たり前になって扇風機のある車両を見なくなりました。
レトロな雰囲気で好きでしたけどね。

でも屋根の扇風機って、背の高い人なんか髪の毛巻き込まれたりしてけっこう危険なんじゃないかしらね。
格子も広くて、羽もむき出しに近いものがありましたし。

扇風機の付いた車両、復活してほしいなあ。
弱冷房車みたいな扱いで、5両目の車両だけとかでも良いから。



2003年08月20日(水) シャッターチャンスが逃げてく

生茶のテレビCMで松嶋奈々子さんが手にはめてる「生茶パンダ」がほしくてほしくて。
生茶フリークの稲葉も夏だけは壮健美茶に浮気してたのですが、今年は生茶一本で勝負。
シールを集めに集め、抽選のゲームに挑戦。
しかしまあ、ことごとく外れに外れ、泣く泣く撤退。
生茶パンダ、ほしかったなあ。
稲葉の夏は終わりました。

   ◆

写真が好きです。
撮るのも観るのも大好きです。
過去・思い出を大切に長く鮮明に保存しておきたい稲葉にとって、写真というのはなんともありがたい道具であります。

アルバムが増えて御気場所に困りつつありますが、そんなのへっちゃら。
大きなおうちに住めるようになったら、絶対にライブラリーを設ける。
いつ達成できるか目処もたっちゃおりませんがね。

しかしね。
写真を撮るという行為、好きなんですが苦手なんですわ。
どうにも。

   ◆

風景なんかは気楽に撮れてよいです。
おもむろに懐からカメラ出してパシャリ。

人を撮るのが苦手です。
写真撮らせてくれっつうのが、なんか言えない。
本当はいろんな人を、いろんな時・いろんな場所・いろんな顔で撮っておきたいのにね。
大勢で集まってるとき、大抵カバンの中にカメラを持ってるんですが、結局出せないまま終わることが多い。

女の子だったらもっと楽にカメラで遊べるんでしょうけど、変なところで男の見栄みたいのが作用してしまう小心者。

なんか心苦しいのですわ。
カメラの前に立たせるのが。
こっそり撮るってのもありますが、そんなことしたら何を誤解されるかわかりませんからねえ。

卒業式のときは、多くの人が向こうの方から写真撮ろうって言ってくれたので非常に楽でした。
あ、じゃあ稲葉も…と自然にカメラを出せました。
いつもあんな感じなら良いのに。

   ◆

そんな事情もあって、稲葉のアルバムに収まっている写真はどれも苦労の末の1枚です。
苦労した甲斐あって、みんな良い顔してます。

稲葉がもう少し強気なら、アルバムはもっと増えてたはずなんです。
撮りたくて撮りたくて、でも逃した人・顔がたくさんあります。

写真は稲葉にとって大好きで、ありがたいアイテムであります。
同時に少し稲葉を苦しめてくれるアイテムでもあります。
シャッターチャンスはできうる限り逃したくないものです。

でもカメラを取り出すのはやっぱり不得手なんよ。
ああん。



2003年08月17日(日) カタログ雑誌の下着のページ

暇にまかせて何気なく服飾カタログ雑誌を眺めておりました。
夏物の衣装がたくさん並んでおりました。

主婦を客層のメインとしているため、8割方が女性物の衣装。
興味を引かれるわけでもなく、ただページを繰っておりました。
ああ、このスカート可愛いなあとか。
漫然と、だらだらとページを繰っておりました。

ページが進むと服から靴のページになり、やがて下着が登場します。

下着の部に突入した途端に、それまで笑顔を振りまいていた日本人のモデルさんはどっかへ行っちゃって、外人モデルが登場してきました。
外人さん特有のオーラで、他のページとはまったくベツモノの雰囲気が感じられました。
それまでのページは世田谷とかって雰囲気だったのが、下着だけフィラデルフィア。

下着を過ぎるとアクセサリーなど女性小物の部になり、日本人モデルさん再登場。

男性物も数は少ないながら紹介されています。
でも、ブリーフ・トランクスになるとここでもモデルは外人さん。
パンツ一丁での笑顔はやめろ。
まずズボンを穿け。

なんなんでしょうね。
日本人モデルは下着姿を見せてはいけない、みたいな制約でもあるんでしょうかね。
気になって他のカタログ誌もチェックしましたが、やはり下着のページは外人モデルの独壇場。
他は日本人なのにね。

スポーツユニフォームのページでも、ジャージは日本人なのに水着だけ外人。

まあこうなってる理由はいろいろ推察できるんですけどね。
ただそんな理屈ぬきに、突然の外人さん登場による雰囲気の激変はスゴイものがあってそれが面白い。



2003年08月15日(金) 速歩きする季節

終戦記念日。
昨年のこの日は、映画(卒業制作)で天皇陛下が玉音放送を暗唱する場面を撮り、撮影後にその足で靖国神社へ参るという、終戦記念日らしいすごし方をしました。
とにかく暑かったですね。

今年は普通にバイトしてました。
せっせと。
今年の夏は働く夏と決めていたのでね。

働く夏と決めてるので、あまり夏休みらしいことをしてません。
今年は寒い夏で、残念がってる人が多いようですが、稲葉にとってはむしろラッキーなのかもしれません。

夏休みらしいことしてなくても、夏が終わりに近づくのには、昨年までと変わらぬ寂しさを覚えます。
Uターンラッシュのニュースが流れると、甲子園の残り試合が減ってくると、何か寂しく、焦りを感じます。
学生の頃はやり残した課題があったりなんかして、実際に焦ってたんですがね。

学生でなくなった今も、夏の過ぎ行くはやっぱりイヤなものです。
夏が終わっていく寂しさは、正月が終わっていく寂しさと似てますね。
このいかんともしがたいやるせなさが、どうしても嫌いで、でもどこか好きで、やっぱり嫌いです。

秋か冬には遊べるだけのお金、たまるかな。



2003年08月14日(木) 辞書はたまにあなどれない

古い表現かもしれませんが「出歯亀」って言葉があります。

はい、今回の『馨絵詞』こんな話で恐縮です。

   ◆

「出歯亀」
辞書の説明にはこうありました。

〔もと、変態性欲者池田亀太郎のあだ名〕
女ぶろをのぞき見などする、変態性の男。


ここでの辞書は、三省堂『新明解国語辞典』の第4版を参考にしています。
新明解は「シンカイさん」の愛称のある辞書で、ユニークな説明で有名なんだそうです。

「出歯亀」のこの説明、どうでしょう。
説明自体には異論ありません。
そのとおり。
しかしカッコの中、語源の説明がすごいですね。
変態性欲者って辞書の硬い雰囲気で書かれてしまうと、もう弁護の余地がないですね。

   ◆

池田亀太郎さんってのは明治の人なんですね。
確かそうなんですね。
もしかしたら大正に入るかも。
確証はありませんが、まあその辺の人です。

つうことは、直接の子孫・親族がまだいるはず。
いいんですかね、語源の説明とはいえ、辞書にこんなこと書いちゃって。

のぞきは確かにダメです。
ダメだけど、やってる男もいっぱいいる中で、不幸にも目を付けられて日本語として登録されてしまった亀太郎さん。
軽犯罪者には違いないものの、多少の同情を禁じえない。
この人、出っ歯で目が付けやすかったんですね。
だから「出歯亀」。

のぞきなんてするもんじゃありません。

   ◆

亀太郎さんは明治の人。
つうことは、時代劇なんかで「なぁに出歯亀やってんだい、クマさん」て言ってるのは間違いなんですね。
亀太郎さんはまだ生まれてないし、ましてや覗いてもいない。

今ではあまり使わない言葉なんで、時代劇では使いやすいんでしょうが、意外なところで落とし穴。
使い方にも要注意。



2003年08月09日(土) レシートがベロベロ

ビックカメラでお買い物をします。
するとね、とにかくレシートがでかい。
太い。
しかも長い。

20万円もするようなビデオカメラやパソコンなど、でかい買い物をしたときには、やはりそれなりに大きなレシートを貰いたいものです。
でないと、買った気がしないし、小さいレシートで済ませられると、大丈夫かぁ? と不安になります。

ベロベロ出てくる長いレシートは、大勝負を終えた者への勲章なのです。
スーパーなんかでも、やたらと買い込んだ奥さんがベロベロしたレシートをがま口へ無造作に突っ込んでますね。
あれも、旦那と育ち盛りの息子2人のお腹はあたいにかかってんのよ! って感じで良いものです。

しかしね、ビックカメラね、小っさい買い物でもね、やっぱりベロンベロン出てくるんですわ、レシートが。

はぐれメタルやっつけた後なら、パーティーのみんなが次々にレベルアップして、素直に、やったぜ! って思うでしょ。
デカイ獲物をしとめた後の、長い戦闘終了メッセージはやっぱり嬉しい。
でもさ、大ミミズを1匹やっつけただけでさ、すでにレベル30くらいいってる皆さんに次々にレベルアップ始められたら、どうでしょうね。
いいのかなあ…バグじゃねえかなあ…なんて思ってどうもスッキリしない。

…とまあ、ドラクエを知らん人には通じない強引な例えを用いてしまいましたが、要するに、ビックカメラのレシートには、稲葉をもやもやさせるものがあるわけです。

   ◆

今回、電池を買いました。
それも単4のちっこいの。
お尻のポッケに放り込んだらもう忘れてしまいそうな。
税を込んでも¥504。
これだけです。

たったこれだけの買い物で、出てきたのは幅7.9cm・長さ25.1cmのレシート。
198.29平方cmもある。
レシートで商品をラッピングできちゃうね。
裏には1句したためられますね。

ま、だからって「省資源化の流れにそぐわない」とかいう憤りを持つわけじゃないんですが。

   ◆

なんででかくなってるかっつーと、領収書になってるからなんですね。
宛名の部分が空いていて、ここに「上」なり「(有)イナバ興業」なんぞを書き込みゃもう領収書として使えるという…。
こりゃ親切だ。
無駄にでかいわけじゃないんですね。
今回のレシートでは、全長25.1cmのうち、上からの10.7cm(43%)が領収書部に充てられています。

また、下の6.5cmにはポイントサービスに関する情報が書かれています。
累計ポイントがじわじわと増えていくのはちょっとした楽しみです。

   ◆

どうだろう。
無駄に長いと思ってたレシートでも、こうして日記のネタの1つになったんだから、まあ良かったかしら。
ところで稲葉の大学では、感熱紙の領収書はNGだったから、あのレシートをそのまま領収書として使うことはできなかったんだな。



2003年08月03日(日) 年金払うか払わんか

給料日ってのは良いものです。
たとえ今の仕事が辛くても、月に一度の給料日がやってくると、も少し頑張ってみようかなーなんて思ったりします。
単純ですか?
まあ今のバイト、ちっとも辛くなくてむしろ楽しんでやってるんですがね。

明細書みると、当然ですが税金が引かれています。
むう。
そりゃ納税は義務ですからね、持っていかれちゃうのはしかたないところ。
払ってやるよ。
有効に使ってね。

   ◆

税金とは別に年金も考えるようになりました。
月に1万3千円強ですね。
年金への信頼感が落ちていて払わない人が増えてるそうです。
で、払わない人が増えるからさらに年金制度の不安も増して…の悪循環。
あちゃあ。

そりゃ年金払ってて、自分がいざ貰うときになってそのときに破綻してたらイヤですね。
損こいたーって思うでしょうな。
でもね、稲葉は年金はしっかりと払いたい。

まあ、年金制度は破綻してるでしょうね、自分が貰うようになるまでに。
きっちりとした改革が成されれば話は別ですが。
だからお金が自分に帰ってくることははっきり言って期待してません。
でも払う。
全額免除や半額納付の申請はできますけど、でもしない。

   ◆

すくなくとも年金、自分の祖父母が元気なうちは払っていたいと思います。

じいちゃんもばあちゃんも、いろぉんな形で面倒見てくれます。
世話してくれます、援助してくれます。
ガキんちょの頃はそれを無邪気に喜んでました。

でも今は無邪気に喜べなくなってます。
なんかね、貰ったらその分は返したいな、なんて。
役者になる、なぁんて将来の見えない道を歩んでいる稲葉。
もしかしたら、なぁんにも恩返しができない大人になっちゃうかもしれないんです。
それがすごくすごくイヤでさ。
返せるものは返せるうちに返しときたい…ってちかごろ頓に思うようになりました。

ただ、相手は祖父母なんだよね。
これが友人だったら借りっぱなしはカッコ悪いだけなんですが、祖父母となると、ちと微妙。
なんでしょう、祖父母は孫のために愛を注ぐもの、と定義するなら返す必要は無いのかもしれません。
だって給料入ったからって、お金を封筒に入れておじいちゃんに「はいっ」って渡すってのは筋が違うでしょ、なんか。
仮にやったとしても、絶対に受け取っちゃくれないよ。
むしろ怒り出すかも。

だからさ、せめて年金払って、すっごい間接的かもしれないけど、それで少しでも恩を返せるなら、て思うわけです。

   ◆

じいちゃんには、ばあちゃんにはいっぱい遊んでもらいました。
いろんな所へ連れて行ってもらいました。
美味しいもの食べさせてもらいました。
お小遣いもたくさん貰いました。

でっかい役者になって、ちゃんとした恩返しができるなら文句なしだ。。
でも正直不安もあるからねえ。
やっぱり返せるものは返せるうちに、です。

ばあちゃんにはいろんな芝居に連れて行ってもらいました。
喜劇だったり歌舞伎だったり落語だったり。
そのどれもが強烈な思い出でね。
稲葉のお金じゃ絶対買えないような、役者さんが間近に見られる良い席なんですわ。

だから、いつか自分が出てる大劇場の芝居のS席にばあちゃんを招待してやるって思ってます。
小劇場の公演には招待したことあるんですけどね。
でもやっぱりばあちゃんに連れて行ってもらった劇場に招待したい。
それが最高の恩返し。
いつか、できるかな。

   ◆

年金って手段の是非はともかく、今はこんな形でもじいちゃんやばあちゃんのためになるならしたい。
何に使われるか分からない所得税なんかより、よっぽど能動的に払いたいな。

それに、払った年金がお小遣いって形でまた戻ってくるかもしれないし。
これからも美味しいものを食べさせてもらうために。
情けは人のためならず、かな。


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稲葉 馨

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